8か月の子どもがうつぶせ寝 酸素不足で後遺症が出る可能性は?

  • 作成:2021/11/26

AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、気づいたらうつぶせ寝になっていた子どもを心配するお母さんからのご相談です。

この記事の目安時間は3分です

8か月の子どもがうつぶせ寝 酸素不足で後遺症が出る可能性は? 8か月の子どもがうつぶせ寝 酸素不足で後遺症が出る可能性は?

【今回のお悩み】
8ヶ月になったばかりの男の子を育てています。
先程、主人と息子がソファで眠っていたのですが、仰向けからうつ伏せ寝になっており、息苦しそうにしていました。

入眠からうつ伏せ寝に気がつくまで私は別の部屋におり(2時間)気がつくまでどの位の時間をうつ伏せ寝で過ごしていたか分かりません。

・見つけた時の状況
片方の鼻がソファで塞がっていて、苦しそうにしていた。
顔が赤い。

急いで抱き抱えたところ目が覚めてぐずったためミルクをあげました。150mlほど飲みました。

赤ちゃんの低酸素や酸素不足による影響や後遺症が心配です。
どのような症状があったら気を付けたらいいでしょうか?
また、今は元気でも後々脳や身体に後遺症が出てくることはありますか?

医師の回答

うつ伏せ寝もそうですが、小児の睡眠は我々小児科医の中でも永遠の課題です。と言うのも詳しいことがわかっておらず、科学的根拠が乏しい分野なのです。そのため、慎重に解説していきますね。

まず基本情報として、うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS; Sudden Infant Death Syndrome)のリスク因子とされています。SIDSは日本でも2019年では78名の乳幼児が亡くなっており1歳未満の死亡原因として第4位となっています。SIDSの原因ははっきりわかっておらず、何の予兆も既往歴もない赤ちゃんに誰でも起きます。実際にうつ伏せ寝はSIDSのリスクといえますが、その機序ははっきりわかっていません。

一つ明らかなのは首が座っていない状態でのうつ伏せ寝は非常に危険で、SIDSの好発年齢と言えると思います。生後8ヶ月で寝返りができるような状態になっていれば、基本的には戻す必要はありません。それを夜中の親御さんに求めると倒れてしまいます。ただし保育園やベビーシッターがお子さんを預かるような機会では、徹底的にうつ伏せ寝は厳禁とされているので、他のお子さんを預かる際には注意しましょう。

#1. 日本政府広報オンライン「赤ちゃんの原因不明の突然死SIDSの発症リスクを低くする3つのポイント」
#2. 厚生労働省「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」

今西 洋介

小児科医/新生児科医。日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医。

日本小児科学会健やか親子21委員。大阪大学公衆衛生学博士課程在籍。講談社モーニング連載コウノドリの漫画・ドラマの医療監修を務めた。m3(エムスリー)、Askdoctors、yahoo外部執筆者として公衆衛生学の視点から周産期医療の現状について発信。

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