もう虫に刺されても怖くない!市販薬で虫刺されに対処する方法と選び方~成分別で解説~

  • 作成:2022/07/31

暑い季節になってくると虫が増えてくるため、虫に刺されることもしばしばあるでしょう。かゆみや痛みなど、さまざまな症状がでてくる虫刺されには、早めに対処し悪化を防ぐことがおすすめです。またこれからの時期は、虫刺されに効く市販薬を持っておくと安心でしょう。 今回は虫刺されに効く市販薬の選び方を成分別に解説していきます。

この記事の目安時間は3分です

もう虫に刺されても怖くない!市販薬で虫刺されに対処する方法と選び方~成分別で解説~

1. 虫刺されに効く市販薬の成分の特徴

虫刺されは、赤み・腫れ・掻痒感・疼痛などさまざまな症状を引き起こします。
これらの症状に対処できる虫刺されの市販薬は、かゆみの原因物質となるヒスタミンを抑えるために、抗ヒスタミン薬配合のものが多いのが特徴です。

またもう一つの市販薬の成分の特徴として、ステロイド配合とステロイド非配合に分かれるという点があります。そもそもステロイドは炎症細胞の働きを抑える役割をするものですが、長く使い続けると副作用が出現する可能性もある成分です。そのためステロイド配合の市販薬を使うかどうかは、よく検討する必要があるでしょう。

ステロイド配合の市販薬を使ったほうが良い虫刺されの事例としては、遅延性のかゆみの場合です。

虫刺されといっても数時間から翌日など、遅れてかゆみが出てくるものもあり、遅れて出てくる虫刺されは治りにくく長期化したり、繰り返したりするケースが多いです。
ステロイド配合の市販薬は、そういったなかなか治らないケースや、毒蛾や毒虫などに刺されたりした場合に使用すると良いでしょう。それ以外はまずは非ステロイド配合から使用するのがおすすめです。(注1)(注2)

2. 市販薬で虫刺されに効く薬の成分は?

具体的に市販薬で虫刺されに効く成分を紹介します。

2-1.腫れや赤みに効く成分

・酢酸デキサメタゾン
腫れや赤みに効果があるステロイドです。炎症のもととなる腫れや赤みを抑えてくれるため、搔きむしる前にかゆみを軽減させます。
ただステロイドは同じ場所へ繰り返し使用することで、肌に乾燥や肌荒れなどの副作用が起きる場合があるため、使用する際は注意しましょう。

・吉草酸酢酸プレドニゾロン
抗炎症作用のあるステロイドで、かゆみや腫れ、赤みなどを抑える成分です。他にも皮膚の炎症や乾癬、湿疹などの皮膚疾患にも効果がある成分でもあります。酢酸デキサメタゾン同様にステロイドなため、同じ場所に繰り返し使い続けるのはやめましょう。治療効果が見られなかったり、副作用や悪化が見られたりした場合は、使用をやめて病院を受診してください。

2-2.かゆみに効く成分

・ジフェンヒドラミン塩酸塩
かゆみの原因物質となるヒスタミンに作用し、かゆみを抑える効果がある抗ヒスタミン薬です。虫刺されによるかゆみはヒスタミンが要因であるケースが多いため、根本的なかゆみの元にアプローチしてくれる成分です。

・塩酸ジブカイン
かゆみを抑えてくれる局所麻酔薬の成分です。解熱鎮痛効果がある成分で、疼痛の緩和にも使用されています。虫刺されの市販薬の場合は、麻酔成分によりかゆみを感じづらくするために使用されています。

2-3.かぶれや炎症を抑える成分

・グリチルリチン酸
カンゾウ(甘草)という生薬に含まれている消炎作用のある成分で、虫刺されによるかぶれや炎症を抑えてくれます。他にも消炎作用から風邪薬や胃腸や鼻炎の薬など、さまざまな薬に含まれている万能な成分です。

2-4.その他

・イソプロピルメチルフェノール
さまざまな種類の雑菌繁殖を抑える効果がある成分です。細菌だけではなく、酵母やカビなどにも効果があるため、化粧品やハンドソープやボディソープなどにも含まれていることがあります。虫刺されの市販薬に配合されていることで、虫刺されの部分を掻いてしまった場合の二次感染を防ぐ効果が期待できます。(注3)(注4)

3. 虫刺されの市販薬を使い分ける基準

虫刺されの市販薬にはさまざまな種類があります。これらの市販薬を使い分ける基準は大きく3つあります。

3-1. 自身の肌の状態を確認する

自身の肌の状態を確認しておく必要があります。敏感肌など肌が脆弱な方は、ステロイドなどの効き目が強い市販薬を使用した場合、副作用で肌荒れなどを起こす危険が高いです。これまでに消毒用のアルコールで手が荒れたり、化粧品や薬で肌荒れを起こしたりした方は要注意でしょう。
そして肌が敏感ではないという方でも、ステロイド薬は副作用が出やすいものなので、2週間程度を目安に使用するようにしましょう。

3-2. 症状の程度を確認する

虫刺されの症状の程度に合わせて市販薬を使い分けましょう。かゆみだけなのか、かゆみに加えて腫れや痛みがあるのかなどの程度によって使い分けます。
また症状の広がり方に応じて、軟膏やローション、クリームなどの使い分けをするのも良いでしょう。

3-3. 小児、大人、高齢者、持病を持っているか確認する

子供用として販売されている虫刺されの市販薬も多くあります。子供の虫刺されには、肌への刺激の強さから考えて、子供用の市販薬を使用するのが良いでしょう。
また高齢者の方も子供同様に肌が脆弱な場合があります。そのため、小児・高齢者用など書いたものや、肌に優しい非ステロイドのものを選ぶと良いです。
そして持病を持っていたり継続的に内服していたりする方は、ステロイドとの併用は危険な場合があるため、市販薬を使用する前に主治医に相談しましょう。(注5)

市販薬でなかなか治らない虫刺されは病院へ

虫刺されの市販薬は複数あり、それぞれに痛みやかゆみ、赤み、かぶれなどを抑える成分が配合されています。市販薬の成分を知ることで、症状に応じて薬を選べるため非常に便利です。しかしかゆみが長く続いてしまったり、強いかゆみで搔いてしまったりした結果、雑菌が繁殖して化膿したりする場合もあります。
もし化膿してしまった場合には、病院への受診も検討しましょう。

【参考文献】
(注1)MUHI.“肌トラブル情報館 虫刺されのしくみ”.2022年6月28日時点
(注2)くすりと健康の情報局.“ステロイド外用剤の上手な使い方”.2022年6月28日時点
(注3)MUHI.“液体ムヒS2a”.2022年6月28日時点
(注4)大正製薬.“イソプロピルメチルフェノール(IPMP)”.2022年6月28日時点
(注5)ファミリー薬局.“虫刺されの対処法”.2022年6月28日時点

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