切迫流産の治療と入院期間 薬や手術に効果?週数で治療が違う?市販薬なし?

  • 作成:2015/12/18

切迫流産に対する処置方法は、妊娠週数によって異なります。薬を使ったり、手術をすることもありますが、基本的に「安静」が可能性の高い治療となります。なお、市販薬では効果のあるものはない上、妊婦が使用できない薬もありますので、安易な自己利用はせず、医師に相談するようにしましょう。入院期間などを含めて、医師監修の記事でわかりやすく解説します。

近藤 恒正 監修
落合病院 副院長
近藤 恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

切迫流産の治療や入院について知ろう

妊娠初期は有効な治療法はない

妊娠の時期によって、治療方法は大きく異なってきます。

「妊娠12週未満」:

妊娠初期の切迫流産では、有効な治療方法は基本的にはありません。子宮内感染症のような場合には抗生物質が有効なこともありますが、この段階での切迫流産では、胎児の染色体異常が原因である可能性もあり、投薬などの治療を行っても、流産を防ぐことができないことがあります。

また、出血がひどい場合には止血剤などを投与することもありますが、高い治療効果が期待できるわけではありません。

妊娠の準備をするホルモンを出す機能に問題がある「黄体機能不全」が原因であると考えられる場合には、黄体ホルモンの薬を使って治療することもあります。切迫流産と診断した時点でできる治療の選択肢がほとんどない場合もあります。

妊娠週数にかかわらず、切迫流産に対する治療は、基本的には安静ということになります。妊娠初期の場合、残念ですが、安静にしている以外に、何らかの積極的な治療方法があるのは珍しいケースといえるでしょう。

12週以降なら子宮収縮抑制剤や手術も

「妊娠12週から22週未満」:

12週から22週未満の時期の切迫流産では、母体側が何らかの問題を抱えていることが多く、それに合わせた治療を行います。

子宮収縮が強い場合には「子宮収縮抑制剤」を使いますし、子宮の出口である子宮頸管の筋肉が弱くなる「頸管無力症」の場合には、手術によって頸管を縛ることもあります。他にも、子宮筋腫が確認されて、これが原因で腹痛が起こっていると判断されれば、手術によって摘出することもあります。

このように、切迫流産の原因が明確に把握できて、それに対する具体的な治療法があるケースもありますが、基本的には安静を徹底することによって治療します。

1カ月以上の入院が必要な場合も

切迫流産の状態によっては、入院が必要になることもあります。流産の危険性がそれほど高くないと考えられれば自宅での安静ということになりますが、流産に移行する可能性が高い場合には、入院しての処置が必要になるでしょう。

入院になる場合は、1週間程度で済むこともありますし、1カ月以上になることもあり、一概には言えません。

治療は、入院費も含めて、保険適用になるため、一般的には自己負担額は3割ということになるのは、普通の病気と変わりません。

効果のある市販薬はない

切迫流産に対しては、効果のある市販薬はありません。妊婦の服用が禁止されている市販薬もありますので、自己判断で市販薬を使わず、切迫流産の可能性を感じたら医療機関を受診しましょう。



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切迫流産の入院期間や薬などをご紹介しました。もしかして切迫流産かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合には、医師に気軽に相談してみませんか?

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