切迫流産と似た症状の病気 流産、子宮外妊娠、着床出血、胞状奇胎、子宮腟部びらんを解説

  • 作成:2015/12/21

切迫流産では、腹痛や不正出血などの症状が起こることが特徴とされています。とはいえ、他にも腹痛や不正出血を伴う病気はあります。どんな病気の可能性があるのかを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤 恒正 監修
落合病院 副院長
近藤 恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

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流産の可能性も?

「流産」:切迫流産と最も症状が似ているものは流産です。出血や強い腹痛が起きた時点で、既に胎児が死亡しているケースも多々あります。超音波検査などを行って、胎児がまだ生きていると判断されたときには、流産ではなく「切迫流産」と診断されるのですが、妊娠初期では判断が非常に難しいのです。

「生きているかどうか分からないけれどあまり良い状態ではない」というケースで切迫流産という診断をすることも多く、引き続き経過観察が必要となる場合もあります。

子宮外妊娠の可能性も?

「子宮外妊娠」:子宮外妊娠では不正出血や強い腹痛など、切迫流産のような症状がでることがあります。しかし、子宮外妊娠は基本的には流産となる上に、妊娠部位によって卵管破裂など命に関わる症状が出ることがあり、切迫流産や流産とは全く違った処置が必要になるので注意が必要です。

着床出血の可能性も?

「着床出血」:受精卵が子宮内膜に着床するのに伴って、少量の出血が起こることがあります。出血は予定の生理日のころに起こることが多く、妊娠に気づいていないケースもあります。

また、妊娠が判明している状態で着床出血が起こると、「切迫流産だ」と勘違いすることもあります。

子宮腟部びらんの可能性も?

「子宮腟部びらん」:子宮の入り口がただれているように見える症状です。子宮腟部びらん自体は異常ではありませんが、妊娠中にはびらんから出血しやすい状態となりますので、何らかの刺激で出血してしまう事があります。出血量は多くありませんし、切迫流産などにつながる心配もいりません。多くの場合は、出血は自然に止まります。

胞状奇胎の可能性も?

「胞状奇胎」:異常妊娠の一種です。受精卵が正常に成長できず、子宮内部にぶどうの房のような組織が大量に作られてしまう状態です。胞状奇胎は重いつわりと出血が典型的な症状です。超音波検査で特有な所見がみられますし、妊娠すると分泌されるホルモン(hCG:絨毛性ゴナドトロピン)の濃度が非常に高くなるという特徴があります。胞状奇胎と診断されれば、1週間毎に合計2回の子宮内容除去術を行います。



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