Q

ハネムーンステージについて

1型と診断されて5ヶ月、25歳で身長156cm体重42kgの女です。
HbA1cは発症時13%、現在4.8%です。
現在ハネムーンステージでランタスが16単位から5単位まで減っています。
同じく各食前のRとヒューマログ(朝のみR)が1日20単位から9単位まで減りました。
ところが最近食後血糖値を140以下に抑える為には
食前のインスリンが1日18〜20単位必要になりました。
食事量や運動量、体重等に変化はないのですがこれは自己分泌が追加分泌の方から減ってきていると見てよいのでしょうか?
主治医はランタスとR、ログのバランスが悪い事が気になるようでしたが、何か考えられる原因はあるのでしょうか?

質問者:サク さん

DMDr.its 先生
内分泌内科

DMDr.its 先生

こんにちは。ひとつお聞きしたいのですが、あなたは食後の血糖値で速効型および超即効型のインスリンの量を決めているのでしょうか。あなたがおっしゃるように食後(2時間?)血糖値が140程度であるなら、その時点でも速効型はもちろん超速効型もインスリンの効果が続いていますのでその後も更に血糖値が低下している可能性があると思われます。また、HbA1cが4.8%というのは耐糖能の正常な方のデータでもなかなかみられない位の低い数字です。若い女性ですから貧血でもあるのでは?(貧血のある人はHbA1cは測定値が低目に出ます)とも思ってしまいます。私は、HbA1cが本当にその値であるとするなら、あなたは無症候性低血糖を少なからず生じていると考えます。
食後(2時間)の血糖値を基準にインスリンの量を決めるのはどうでしょうか。理想的には血糖のトラフ(底の値)が低血糖とならないように決めるべきものだと思います。ただ、現実的にはそれは非常に困難なので、私の外来では次の食事の前の血糖値が低くなりすぎないようにインスリンを調節します。食後の血糖値がそれでも高い方にはベイスンやグルコバイのαグルコシダーゼ阻害剤を追加して処方しています。
長くなりましたが、あなたの血糖コントロールは必要以上にタイトなコントロールとなっている印象です。食後の血糖値を基準にして速効型および超速効型のインスリン量を調節しているからその量が多くなりすぎているのであって、もっと緩やかな(自然な)コントロールにすればそんなに多くのインスリンを使わなくても合併症の予防は可能だと思いますよ。確かに低血糖を生じない限りにおいて血糖値は低く抑えるのが良いというのが最近の流れだとは言え、低血糖と紙一重というのは危険な気がします。大阪の先生がお書きのようにランタス増量によりより緩やかなコントロールにする方がよいのではないでしょうか。・・・そうすればあなたのおっしゃる“ランタスとR、ログのバランス”も整ってくるのではないでしょうか。
あと、 “ランタスとR、ログのバランス”は基本的にはこだわる必要はないと思います。そうなる理由は良くわかりませんが、意外な比率で良好なコントロールを得ることもよく経験します。要は、自分にあった薬物療法や食事療法を含めて自分に合った血糖コントロール法、安全で長い付き合いのできる血糖コントロール法を知ることが大切だと思います。

サクさん

おはようございます。
お忙しい中早速回答いただきありがとうございます。
私が主治医からされた説明やネットや書籍から得た知識では
食前の血糖値はランタス、食後の血糖値はRやヒューマログで調整するというものです。
そのために食後の高血糖を抑えるためにR、ログを増量、
低血糖は食前に起こすことが多かったのでランタスを減らしていった結果今の単位数となっています。
現在食後血糖値は100〜200mg/dl、それ以外の時間帯は100mg/dl以下という数値です。

先日の外来でHbA1cの4.8%には私自信驚き貧血の可能性も気になりましたが血液検査での異常はありませんでした。
1.5AGの値も20.7でした。

腎臓に多発性のう胞もあるので合併症への恐怖心が人一倍大きく神経質になりすぎているのかもしれません。(腎臓は大きくなっているものの今の所機能に問題はないとの事です)

先生方がおっしゃるような、ランタス増量による緩やかなコントロール方法というのも次回主治医に相談してみようと思います。

ご意見大変参考になりました。
本当にありがとうございました。

DMDr.its 先生

低血糖を生じていないのなら安心ですね。私もあまり経験したことがないくらいすばらしい血糖コントロールで敬服しました。
ところで・・・あなたのおっしゃる「食前の血糖値はランタス、食後の血糖値はRやヒューマログで調整する」は、間違ってはいませんが少々ニュアンスが違います。あえて言うなら「朝食前の血糖値には主に前日に注射した中間型あるいは持効型が、また各食後の血糖値およびその次の食前血糖値は食前に注射した速効型あるいは超速効型が影響している」というべきでしょう。
インスリンの量は、注射したインスリンの強弱を評価しつつ増減します。そのためには注射したインスリン量の強弱が最も反映される時間の血糖を参考にします。食前の速効型インスリンや超速効型(以下、“インスリン”を省略)の効果は、“理想的には血糖のトラフ(底の値)が低血糖とならないように決めるべきもの”だと考えていることは前稿にも書いたとおりです。しかし現実的には、食事によっても糖質の吸収速度が異なりますし、速効型と超速効型の違いによってもトラフに至る時間が異なるため、便宜上は次の食事の前の血糖を参考にすることが多いです (但し、夕食前の速効型または超速効型の評価は寝る前に行ないます)。このように、ある時点の血糖値に最も影響を及ぼしているインスリンのことを「責任インスリン」といいますが、この考え方は糖尿病を診療する医師にとって常識的な考え方で、血糖コントロールに関する文献にはしばしば出てきます。一般の方には専門文献は入手しにくいでしょうから植村内科というところのホームページを紹介しておきましょう。詳しく丁寧に書いてありますから私が説明するより理解しやすいと思います。ぜひご覧になってください。また、時間があればこの医院の他のページも覗いてみてください。きっと勉強になると思いますよ。因みに私はこれらのページをコメディカルの教育に使わせていただいています。

血糖自己測定-SMBG- 家でも血糖を測ってみよう
http://www.uemura-clinic.com/dmlecture/smbg.htm
6.強化インスリン療法と血糖自己測定

インスリン調節法ABC
http://www.uemura-clinic.com/dmlecture/insulintx.htm#touyohou
2.主なインスリン製剤の作用動態
3.インスリン投与法の種類
4.インスリン投与量の調節法
(DMDr.its註:ここに「責任インスリン」の考え方が紹介されています。 “前向き調節”“後向き調節”ということばも重要です。)

それでは最後に・・・、サクさん、これからもお元気でがんばってくださいね。

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

食後血糖をどこまで抑えるか,専門の医師でも考え方によって異なるものです。

20年くらい前までは,厳格な血糖コントロールは難しいし,がんばっても低血糖が増えるだけで,合併症もゼロになるわけではないし…,とルーズな治療法(低血糖を減らす方に力点があるくらい)でした。しかしその後,低血糖を恐れずに果敢にコントロールすれば,3大合併症はゼロにできるかもしれない!!事が示され,大きく変わりました。しかしこの時の指標は,食前血糖とHbA1Cです。

食前血糖が十分でも食後が180程度では,大血管合併症(動脈硬化による心筋梗塞・脳梗塞など)は少しずつながら発生してしまうのが,現在問題になっています。この領域の専門家の間では,食後2時間血糖を指標として,140以下に抑えきれれば,3大合併症だけでなく,大血管合併症までもゼロにできるのではないか,との意見が強くなりつつあるのです。

本例の主治医は,まだ25歳と若い1型患者を,生涯に渡って完璧に合併症から守り切ろうとして,究極のインスリン治療を行おうとしているのだと思います。未だそういう結論は出ていない!!と怒る医師もいるでしょうが,結論が出る10年20年後まで食後血糖を「甘く」してしまって動脈硬化が進んでしまっていたら…,と考えての事でしょう。

私は本例の主治医の志に拍手を送りたいと思います。

ただし,本例はハネムーンと言えるほどの状態には到達していません。ランタスが5・ログが20単位のバランスも,食後血糖を抑えようとすれば,この程度は不自然ではありません。インスリンの組み立て方(ランタスを主力としてログを最小限にするか,ログ主力としてランタスを最小限にするか,あるいはRを混ぜるか等)によって,インスリンの総量は変化するので,自己分泌が減ったためなのかは,この情報では不明です。

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

書き忘れました。朝のみRにしているのは何か理由があるのでしょうか?

Rは注射から食事までの時間によって,ピークが驚くほど変わる事が多いです。10から15分くらいの違いでも,かなり食後血糖が違うので,いちど時間をきちんと測って見てください。また,一部は昼食前にも残るので,少量の基礎分泌のように振る舞います。ランタスと合わさって昼食前血糖が低くなった場合,ランタスを減らすと空腹時が悪化するし,Rを減らすと朝食後が悪化する。またはそれ以上Rを増やせないので,朝食後血糖を抑えられない,などめんどうになることがあります。

朝もログにしてしまえば,各インスリンの干渉がより少なくなり,すっきり調節しやすいように思います。

いち内科医 先生
消化器内科

いち内科医 先生

1型であればインスリン分泌が基礎分泌、追加分泌ともに減ってきているのかもしれません。
インスリン維持療法は1日4回法がよいとされていますが、2回注射法、3回注射法などもあり、患者さんの状態にあった方法を探すことになります。

大阪 認定内科医 先生
消化器科

大阪 認定内科医 先生

食後血糖140以下という事ですが少し厳しすぎませんか?Rで各時間帯を調整するより長時間型を増やして緩やかな血糖の流れにした方がいいように思います。

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