Q

眼瞼結膜のMALTリンパ腫

妻の事ですが、眼瞼結膜のMALTリンパ腫と診断され、2年半前に左目に電子線を30Gy当て、少し残ってますが縮小しました。
右目にも腫瘍があったのですが最近それが増えてきており受診したところ、放射線を当てて網膜症になって失明するかもしれないから両目には当てたくないとのことでした。
腫瘍による目の違和感と無治療(経過観察)による今後の不安でうつ状態になっています(まだ30歳代で子供も小さいです)。30Gyの照射で失明する可能性は高いのでしょうか?このまま放置して転移・重症化したりするのでしょうか?お教え願います。

質問者:くらげ さん

関東在住内科医その2 先生

関東在住内科医その2 先生

眼瞼結膜のMALTリンパ腫はかなり稀なので、多数症例を診ている医師はあまりいないと思います。

日本のいくつかの病院による共同研究の結果が発表されています。
放射線治療を受けた50人の患者(平均36Gy)のうち、

・平均4年の観察期間で44人が再発もなく健在、1人が再発したが生存、5人が亡くなったがそのうちリンパ腫による死亡は1人だけで、他の4人は無関係の病気のためだった。

副作用としては
・白内障が6人、そのうち2人は手術を受けた。
・網膜症が2人、そのうち1人は10年後に眼底出血で視力が低下した。

眼瞼結膜のMALTリンパ腫は、決して経過の悪い病気ではなく、放射線で治癒している方も多いです。
形によっては運良く手術で取れることもあるかもしれませんが、少数と思います。

副作用ですが、運悪く白内障になっても最悪でも手術すれば視力は維持できますし、網膜症では確かに視力を失う可能性もないとは言えませんが、非常に高いとまでは言えないと思います。
ただ患者さんによって病気の広がり具合や放射線のかけ方も違いますから、副作用の出方も違うかも知れません。
また眼瞼以外にも広がっている場合は、しばらく治療せずに様子をみたり、場合により抗癌剤治療をすることもあります。

あなたの奥様の場合何がベストなのか、がんセンターなどにセカンドオピニオンを聞きに行かれることを強くおすすめします。
決して悲観的になる状況ではないと思いますよ。

くらげさん

ご回答有難うございます。
左目の放射線治療の時、放射線科の先生が30Gyでは網膜症は起こらないとおっしゃってましたので、「網膜症」は主治医が起こりうる副作用を一応説明してくれたのだろうと楽観的に思っていましたが2人の方が発症されており少しショックです。
個人差もあるでしょうが照射量はどれ位だったか分かりますでしょうか?
セカンドオピニオンを聞きに行きたいのですが、今通っているのが大学病院で、近くに適当な(眼科領域が充実しているような)がんセンターが無く、どこに行けばいいか悩んでいます。また今の先生も嫌いでないだけに気を使う部分もあります。(今後の事もありますし・・・)
「決して悲観的になる状況ではない」とおっしゃて頂き、また頑張ろうと思います。

関東在住内科医その2 先生

お二人とも40Gyのようです。

5年以内に5%の患者さんに障害が起こる線量は、水晶体が10Gy、網膜が45Gyと言われています。
ただ別の報告で20Gyで起こったとの報告もあるようですし、医療行為に「絶対安全」というのはあり得ないですから、あくまでもメリット・デメリットを天秤にかけて選択すべきなのはもちろんのことです。

リンパ腫は高度に専門家された領域なので、やはり眼科の先生より血液内科や放射線科が良いでしょう。
放射線治療の専門医はまだ少なくて、特に眼は高度な技術を要求される分野ですので、セカンド・オピニオンはやはり必要と思います。
築地の国立センターなら一定水準以上の意見が聞けるでしょうし、眼瞼リンパ腫の治療実績を重視するなら、ご紹介した論文の著者、千葉大、信州大、東京国際医療センター、山梨医大のそれぞれ放射線科の先生方も良いと思います。
私なら両方行くと思います。

私は血液内科医ですので、最終的には放射線科医のアドバイスに従います。
放射線治療の適応のない(広範囲に広がっていたり、副作用のために照射できない)低悪性度リンパ腫(MALTリンパ腫を含む)の治療方針としては、特に悪影響を及ぼさなければ経過観察、及ぼす場合には化学療法(抗癌剤治療)が原則ですが、最近ではリツキサンなどの登場により、最初から積極的に化学療法をやることも多くなっています。

眼瞼の場合はすぐに生命の危険があるとは言えないと思いますが、やはり気になる場所であり、患者さんの生活の質を著しく落としますので、放射線治療が難しければ、私なら化学療法をやると思います。

私もお1人だけ眼瞼MALTリンパ腫の患者さんで化学療法を担当したことがありますが、著効し、眼瞼の腫れもほとんどなくなりました。
もちろん化学療法に特有の副作用もあり得ますが、老人でも普通に自力で食事ができる方ならやっています。
数週間の入院の後、数か月間の外来治療です。

セカンド・オピニオンは主治医にはなかなか言い出しにくいかもしれませんが、最近はかなり浸透してきており、特に大学病院なら全く問題ないはずですよ。
大事な決断ですから、時間と交通費を使っても是非奮起してやってみてはどうでしょうか?

それから、悪性リンパ腫の患者さんの会などもあります。
掲示板で患者さんサイドの意見も聞けるかもしれません。

http://www7.wisnet.ne.jp/~gia/lymphoma/

がんばってください。

Nさん

くらげさん

奥様を必要以上に心配させてはいけないと思い、先には書かなかったのですが、実は、私の場合、眼科医から血液内科を受診するように言われ、眼科と平行して血液内科にても経過観察をしていただいています。

血液内科にては、血液検査を定期的に行い(術後一年間は3ヵ月に一度、現在は半年に一度)、治療が必要と思われる血液検査の結果が出た場合は、「リツキサンによる化学治療をしましょう」と説明を受けています。

血液内科の主治医様からは、過去に26名(私が26人目)の眼瞼結膜リンパ腫の症例があり、内1名が術後再発し、また、内1名が濾胞性リンパ腫であったと説明を受けました。私を含めた24名は、現在のところ、術後の再発もなく経過観察中とのことでした。

眼瞼結膜MALTリンパ腫であっても全身的な疾患であると認識しなくてはならないのかと、かなり落ち込んだりもしましたが、でも、現在は、「医療費のかかる女だなぁ〜」という夫の言葉にも「あら、そうよ」と軽く返答できるようにもなりました。
私も、元気に過ごしています。きっと、奥様もお元気になられます。そうなるように、お祈りしています。

関東在住内科医その2様

コメント、大変参考になりました。

くらげさん

有難うございます。大変参考になりました。
左目に放射線を当てたあと内科共観となり、腫瘍は小さくなったものの違和感と今後の不安を訴えてリツキサン投与、その後エンドキサンの少量内服を約半年間しましたが眼科の方から「腫瘍は無い(?)」とのことで中止となり今に至っています。
セカンドオピニオンですが、私は関西在住で子供も小さいので国立センターは現実難しいのかなあと思うのですが・・・。
いずれにせよ主治医に右目の生検・手術のことを相談して説明を聞いてからと考えています。
詳しい情報有難うございました。

くらげさん

Nさん有難うございます。
目の違和感とか今後の不安とか、本人でないと分からないのでしょうが、早くNさんのように元気になって欲しいと願っています。(でも「医療費のかかる女だなぁ〜」はちょっとひどいですね・・)

長野の眼科医さん

血液内科の先生のご意見が詳しく、新しく私が付け加える事もあまりないと思いますが、私自身は3名の患者さんの経験があります。3人とも20才台で両眼性。1人は腫瘍が小さいので経過観察中。2人は数年の経過観察で増大傾向が明らかとなり切除。手術は局所麻酔で10分ほどでした。眼帯を1晩、1週間後に抜糸でした。その際、各科で意見交換して、その2名のうち1人は血液内科の先生に化学療法、もう1人の方は放射線科の先生に放射線治療をお願いしました。
2人とも5年以上経て再発はありません。放射線網膜症は照射線量が少なければ普通は心配ないようですが、文献を調べた時には、12Gyでも10年以上経てから網膜症を発症した報告がありましたので、照射の方向がなるべく網膜の黄斑部や視神経からそれるように工夫してして頂きました(切除した腫瘍の病理検査結果や、腫瘍の範囲、進展方向など参考にして)。悪性度が低いので治療法を調べたり検討する時間もありました。じっくり検討すれば心配ないのではと思っています。

くらげさん

先生有難うございます。
私の見た感じですが、妻の腫瘍は1mm程度の粒がいくつも並んでいるような形です。下瞼しか目では確認できませんが目の周りに違和感を訴えています。
先生の患者様方はそれぞれ治療法が違うようですが、同じMALTリンパ腫でも出方(場所や形)が様々で、それによって治療法が違うのでしょうか?
もう一つ、放射線治療をされた患者様は両目に当てられたのでしょうか?
差し支えなければお教え願います。

長野の眼科医さん

私の経験した方々も1mm程度の粒がいくつも並んでいるような形でした。

両眼性でも左右差があり、進んでいる側の目を基準に考えました。

粒が並んで連続する他に、少し離れて、孤立してまだ小さい粒が顕微鏡で確認された方には化学療法。

連続したものだけで他に粒は無い方の進んでいた片眼にだけ放射線療法、ですから片眼は手術のみ。

手術ではすべての粒を切除して、さらに切除部の周囲に、手術器具を触れてみて、感触としてですが「厚い」「硬い」と思われた範囲を切除しました。

くらげさん

ご回答有難うございました。
先生や皆様方のご意見大変参考になりました。
早速再診したいと思います。

Nさん

38歳・女性です。私も、右上下眼瞼にMALTリンパ腫が確認され、昨年手術で摘出しました。現在、経過観察中です。一年半が経過しましたが再発はありません。決して小さい腫瘍ではなかったのですが、手術による後遺症は全くありません。
MALTリンパ腫の治療方法は、医師によって大変異なるようです。
ちなみに、私は、眼部腫瘍を専門とする眼科医師に診て頂いています。私の場合、まず手術で腫瘍を摘出し、病理検査の結果次第で放射線による加療をしましょう、という説明を受け、結果、幸い手術のみで、放射線治療はせずに済みました。

一度、腫瘍を専門とする眼科医・あるいは、MALTリンパ腫を多く手がけた事のある眼科医をおたずねになられてはいかがでしょう。

そして、くらげさん。どうぞ、奥様を支えて差し上げてください。きっと不安で苦しんでいらっしゃる事と思います。よい方向へ向かわれます事、心からお祈りしています。

くらげさん

手術後は放射線を当てるものと思っていました。放射線を当てた方の目は少し形が変わってしまったので私たちも出来れば当てずに済めばとは思っていました(女性は特に)。
大変参考になりました。有難うございます。

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