Q

膵臓復活の可能性は?

はじめまして。
Ⅰ型糖尿病を発症して約20年のMIKAと申します。
小学5年生の時に診断されました。糖尿病の家系ですが、直接の家族には
糖尿病患者がいないことから、インフルエンザによる免疫関連ではないか?と言われています。診断されて以来、体内からインスリンの分泌はありません。
そこで、先生方に質問なのですが、今現在インスリンが体内から分泌されていない患者が
何らかの原因で、インスリンの分泌が始まることはあるのでしょうか?
過去の症例で構いませんので、教えてください。

質問者:MIKA さん

兵庫県の医師 先生
糖尿病科

兵庫県の医師 先生

すべてのやり取りを読んだわけではありませんが、膵島移植に携わる数少ない内科医として、一言。
現在の医療では、厳格な血糖コントロールが合併症の進行を抑制することは確かです。しかしながら、あらゆるインスリン療法を駆使しても、血糖を完全に正常化することは、まず、不可能です。移植治療は現状では唯一、血糖の正常化が期待できる治療方法です。
昨年4月に日本で初めての膵島移植が実施され、良好に経過しています。膵島移植はお腹に点滴の管ほどのカテーテルを挿入するだけで、手術はありません。現在の方針では、膵島移植は腎不全発症前の尿蛋白で1g/日未満程度の方を対象にしています。一方、膵臓移植は、腎不全のある方に腎臓移植と同時に行うことを基本としています。
なぜかというと、膵島移植は簡便なので、まだ良好な機能を有している自分の腎臓が合併症で機能しなくなるのを防止するために行うからです。対象が腎不全発症前の尿蛋白で1g/日未満程度の方というのは、移植後の免疫抑制による腎臓への負担を考えての基準です。一度の移植ではインスリン離脱が難しく、2〜3回移植を受ける必要があるのですが、しかしながらたとえインスリン離脱ができなくても、血糖が安定してインスリンを使いながら正常に近い血糖コントロールが可能です。膵島移植後の患者さんは、インスリンを継続していても離脱していても皆ほぼHbA1c6.0%です。
一方、膵臓移植は、基本的に腎不全に陥った腎臓を移植することが第一の目的です。透析を離脱するということです。膵臓の移植は、簡単に言えば、移植した腎臓を糖尿病合併症の新たな施行から守るために必要なのです。この時、移植した腎臓を拒絶反応から守る免疫抑制剤は、膵臓(膵島)には害になるものがあり、膵島移植では耐えきれないのです。膵臓全体を移植すると耐えられます。
本来の質問内容とは離れているかもしれませんが、御参考までに。

MIKAさん

「膵島移植」と「膵臓移植」の違いが分かりやすく、
勉強になりました。
どちらも「インスリン注射を必要としない」ことを
目的にしたものだと思っていました。
どちらも、そうではないのですね。。。

私は「インスリン注射」を頭痛薬とか胃薬と同じだと
思っています。その薬が「飲む」のではなく「注射」という
だけ・・・。具合が悪い時は、点滴とかするじゃないですか?
あれと一緒かなぁ♪と。

HbA1c6.0%という数字は、とても羨ましいです(^^ゞ
ちょうど今年の目標にしている数値です!

私自身は、どちらの移植も考えてはいないのですが、
同じ病気を持つ者として、知識はもっていたいと思っています。
ありがとうございました。

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

インスリンを作る細胞(=β細胞)は,決して再生しない,と教科書には書かれていました。だから細胞の数が1度減ったら2度と回復しない,と。

ところが最近,直接膵臓の組織の一部を採って調べる検査で,β細胞が再生したとしか考えられない証拠がいくつも見つかっています。ただし再生は大規模ではなく,細々としたものですが。ですから質問者の体でも,血糖コントロールをしっかり続けてβ細胞に余計な負担をかけなければ,わずかずつでも再生が起きないとは限りません。

ただし,自己免疫がまだ活動中ならば,せっかく再生が起きたとしても,再生されるとすぐ免疫活動で破壊されてしまい,結局回復していないのと同じことになってしまいます。遺伝子治療や移殖を受けても,自己免疫を制御できなければ,新しい細胞が壊されてしまい,同じことが起きるだけになります。逆に自己免疫を抑えられれば,もしかしたら…と考えますよね?

実際の医療現場で今現在使える薬に,免疫抑制剤があります。自己免疫型糖尿病の患者さんに,それを実際に使った報告があり,自己免疫を抑えるのには成功しています。しかし副作用などの関係で長期使用はせず,薬の中止とともに自己免疫は再発してしまったそうです。大きな副作用なく長期間自己免疫を制御する方法は,残念ながらもうしばらく待たなくてはなりません。

MIKAさん

「免疫抑制剤」というお薬があるのですね。
世の中、知らない病気があるのと同じように
知らない薬も検査もいっぱいだと最近思います。

>直接膵臓の組織の一部を採って調べる検査で,
>β細胞が再生したとしか考えられない
人間の体は、不思議なものですね。。。
『可能性がゼロ』でない限りは、今後の医療に
期待が高まりますね♪
特に幼少時(赤ちゃんとか)の治療が進むと
いいのになぁと思います。

お母さんが子供に注射したり、血糖を測ったり。
それを考えると、自分でコントロールできるうちは
頑張ろう!って思います。

ありがとうございました。

秋山 森之進 先生

ちょっとトリビアを。

例え移殖を受けても,自己免疫が残っていては無意味,と書きました。それで免疫抑制剤の使用成績を話しましたが,今現在の技術でも実は1型への移殖が可能(かもしれない)なものがあります。

まず免疫修飾法。自己免疫の標的になる遺伝子構造を,働きには影響のない所を選んでほんの一部分だけ変えてしまいます。すると標的にはならず,免疫抑制剤も少なく済みます。ただしこれは,提供者が少ない・倫理的な問題などであまり盛んではありません。

次に免疫隔離法。特殊な膜でβ細胞を包んで移殖します。すると膜がバリアになって自己免疫の最初の反応が起きず,免疫抑制剤ゼロで移殖が可能になります。実際の患者への使用では,3年ほどは問題なく経過しており,その間血糖は食事・運動だけで完全に制御されたそうです。この方法ならウシやブタのβ細胞でも免疫抑制剤なしで移殖できる!!ので提供者の問題も適合性の問題もなくなるのですが,宗教的な問題=家畜の細胞を人間に移殖するのは許されるのか,という問題などがあり,それ以降はなかなか進展していません。

最後に経口免疫寛容。全ての「異物」を免疫で排除したら,食物だって排除されてしまいます。そこで,繰り返し一定の量・間隔で口から入ってくるものに対しては,免疫が起こり難くなるという性質があるのです。これを利用して自己免疫を抑える作戦で,関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患では成果を挙げ始めています。1型への最初の試み(インスリンやGADを飲む)は不成功でしたが,量や間隔によって寛容現象が起きたり起きなかったりするので,まだ十分研究の余地はあるといわれています。ちょっとした物(自然の物質です)を飲むだけで自己免疫が抑えられるなんて,夢がある話ではありませんか。

以上,どれもまだ役に立たない話でした。

MIKAさん

「移植」と言っても、その効果?など様々あるのでしょうね。
よく目を通しているサイトに、膵島移植をされた方のブログが
あるのですが、インスリンは毎日必要なようでした。
量的には、今の私よりも多い感じでしたけど。
「インシュリンが全く必要ない」状態になるのなら・・・
手術も気になるところですが、「人工膵臓」はどうなのでしょうか?

>ちょっとした物(自然の物質です)を飲むだけで
>自己免疫が抑えられる
健康食品みたいな感じなのでしょうか?
いずれにせよ、医療・技術の進歩には、かなり期待してます。
注射器やインスリンも、20年前とは全然違いますから!
昔の(今でも使われていますが)注射器と比べれば、ノボペンの
痛みの無さは、かなり嬉しいものです。

>以上,どれもまだ役に立たない話でした。
でも、かなり「へぇ〜」って感じで、興味のあるお話です!
ありがとうございました。

秋山 森之進 先生

β細胞あるいはインスリン分泌を復活させる方法は,1.遺伝子治療などで新しく体内にβ細胞を作る,2.他からβ細胞をもらってくる(=移殖),3.自己免疫を抑えて自己再生能力を高める,4.小型の人工膵臓を植え込む,などに分かれます。現時点での最高治療成績をそれぞれ示します。 1.β細胞を再生するのには成功したが,食後血糖の完全制御はできていません。インスリン分泌のコントロールは更に別の遺伝子が必要と判明し,それを探している段階。2.移殖する細胞の量・場所・血流量によって成功の度合いがとても違います。100万個単位のβ細胞を,腸から肝臓に向かう血管系に植え込んだ場合が,移殖細胞の生存率が高く血糖コントロールが最も優れます。膵臓全体を移殖する(膵「臓」移殖)より,β細胞だけを選んで小さく移殖した方が(膵「島」移殖),総合的な結果は優れるようです。膵島移殖が完璧にできた場合では,インスリンも飲み薬も不用になる例が報告されています。1も2も宗教・倫理的問題があり,実用化にはまだ関門があります。3.まだ予備実験のレベルで実用段階には達していませんが,可能になった場合,他の方法に比べて普及が容易。4.機械は完成していますが,血糖を連続測定して補正しないと血糖コントロールはできません。その測定部分(血管の中に植え込む)が現在の技術では数週間しか持たないので,その度に小手術を受けることになり試験的にしか今は行われていない状態。ただし,前述した無侵襲の血糖測定器が小型化・携帯可能になれば,それと連動させて実用化があり得ます。例えば,一定時間毎に指を機械に当てる→血糖を測って人工膵臓に自動転送→直ちにインスリン注入量を自動修正し,ポンプのインスリン量と電池だけ見ていれば血糖の完全正常化が達成できます。なお一部の日本の大学病院に人工膵臓がありますが,大昔からあるのはただの研究・測定用機械です。インスリンの効果などを調べるのが主な目的で,血糖コントロールには役立ちません。 経口免疫寛容の候補に上がっているのは,インスリン・プロインスリン・グルタミン酸脱炭酸酵素などで,健康食品とは少し違います。この中にはアメリカの政府機関が率先して実験を行っているものがあります。遺伝子組換えでこれらを普通の何倍も多く含む食品を作り,対象者に食べさせて自己免疫が抑えられるかを調査しています。効果が認められれば日本でも売り出されるかもしれませんね。

MIKAさん

>膵島移殖が完璧にできた場合では,
>インスリンも飲み薬も不用になる例が報告されています。
それだと、膵島移殖を考えている人にとっては、かなり
心強いですね。

今日、仕事が落ち着いたので、ようやく病院に行ってきました。
前回のA1cは?と期待していましたが、残念ながらGAの検査だけでした。
先生の予想では、A1cは下がってるだろうとの見方です。
まだ、たまにですが「40」という血糖値がありますので、
ランタスを10単位に減らしました。合計単位が24になりました。

測定用のセンサーは「何箱でもイイよ」と言ってもらえたので
とりあえず6箱もらってきました。
食後に血糖値が高くなるのを防ぐために、食前に測定して、
食事量や内容で調整しようと思っています。

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

「体内からインスリンの分泌はありません」との事ですが,自己インスリン分泌を,どの方法で測ったのでしょうか?

単純に尿Cペプチドを測ったのなら,例え2型で自己分泌能力が残っていても,しっかりインスリン注射をしていたら,Cペプチド値は相当に低くなります。分泌能力が残っている1型でも同じことで,”出す余力はあるけれど必要がないから出していない”状態になります。食後の血中CPRでおおまかに確認しながら,節目ごとにグルカゴン負荷試験で判定しないと,本当にインスリン分泌能力がなくなったのかは判りませんよね。

また,糖代謝(=糖を処理する過程)にすごい障害が起きた場合,β細胞の中に特殊な物質がたまってしまい,β細胞は死んではいないけれどインスリンも作れなくなることがあります。この場合,インスリン分泌能力がなくなっていたのが,適切な治療で半年から1年くらい後なら復活する事があります。しかし本例は1型で20年経っているので,こういう可能性は残念ながらなさそうです。

MIKAさん

ご回答いただき、ありがとうございます。

>本当にインスリン分泌能力がなくなったのかは
>判りませんよね。
すみません、正確に説明すると、腹部エコーをやって
「膵臓に動きが無い」「インスリンは出てません」との
判定というか、説明をされました。

病歴は長いですが、検査項目については
まだまだ勉強不足です。。。
先生のおっしゃった検査は、
たぶんやったことがないような気がします。

いろんな言葉が出てきて、勉強になりました。
ありがとうございました。

Traiten 先生
膠原病科

Traiten 先生

他の先生も書いているように失ったインスリン分泌細胞の復活は現医療では難しい問題です。ただ、医学は日進月歩で進んでいます。人の身体は失った細胞を骨髄という血液を作るところから補充して再び細胞を作る機能を持っていることはわかっています。残念ながら、今はそれを人間の生きている身体の中でどうやったら、うまくできるかを研究しています。

また、膵臓移植もすでに海外ではかなり行われている治療ですので、期待が持てます。まだお若いですので、がんばって今の糖尿病のコントロールをしっかりして合併症が出ないようにしていけば、近い将来必ずこれらの治療が実現します。いざ、実現した時に合併症がひどければ意味がないわけですから。ファイト!

MIKAさん

とても、分かりやすく回答していただき、
とても嬉しいです。
それに、とても励まされました!
ありがとうございました。

山口ひろき 先生
糖尿病科

山口ひろき 先生

1型糖尿病の原因はインスリン分泌細胞の破壊であり、インスリン分泌が復活することはあまりないと思います。

ただ過去ではなく将来的な治療(何十年先になるでしょうけど)としては膵臓の再生の研究が進んでいけば1型糖尿病でもインスリン分泌が期待できる時代が来るかもしれません。

日本ではまだこれからの治療ですが膵島移植も1型糖尿病の患者さんには一つの光明となるでしょう。
(免疫抑制剤の使用や移植膵臓の問題もあり、行う場面は非常に限られるでしょうが。)

MIKAさん

「破壊」ということは、やっぱり「復活」は
実現すれば、奇跡的ですね(^^ゞ
先日、主治医の先生から「人工膵臓」の話が
出ました。日々、医療は進歩してますね♪
ノボラピットとか、ランタスとかの登場も
嬉しく思いました!針が細くて小さいので
痛みの苦痛が激減したのが嬉しかったです。
ご回答いただき、ありがとうございました。

大阪 認定内科医 先生
消化器科

大阪 認定内科医 先生

免疫学的機序でおこったインスリン分泌能低下はその期間が長期になればなるほど再生の可能性は低いと言えます。発症から今までの必要なインスリンの量はどう変化していますか?

MIKAさん

数年前に低血糖昏睡を起こした時に
インスリン量が半分まで減りました。
でも、血糖は高いままだったので
徐々にインスリン量を増やしてきました。
3月にインスリンの量が多いのが原因で
低血糖を起こし、反動で血糖値が高いのかも、
と言われ、インスリンを減らしたところ、
最近になって、食後1時間くらいで低血糖を
起こすようになりました。
ここ1週間のインスリン量の変化としては、
ランタス 28→14(数回に分けて)
ノボラピット 14-6-6→6-4-4(数回に分けて)
それでも、食後100くらいと低めです。
ランタスを10にする予定があります。
発症当初は、昔すぎて思い出せませんが・・・
打てるギリギリの量を注射していました。(多い)
インスリンの種類は、NとRでした。
私の質問に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

大阪 認定内科医 先生

インスリンの必要量は減ってきているようですね。それは自己分泌が出てきたか、インスリンの感受性が強くなったからだと思われます。自己分泌は尿中CPRで測定できますし、そうでなくてもインスリン量が減ることはいいことです。低血糖は注意してくださいね。

MIKAさん

>自己分泌が出てきたか、インスリンの感受性が強くなった
私の場合は、後者だと思いますが・・・

先生もおっしゃられるように、
>インスリン量が減ることはいいこと
私も、そう思います。
何故、急にそうなったか?という疑問はあるのですが、
このままインスリン量を減らしたままで、血糖値が
安定してくれればいいな、と思っています。

低血糖は、インスリンの量を大幅に減らしたことで
やっと落ち着きました。
これからは、高血糖にならないように測定をまめに行い、
食事や運動に気をつけて、平均値を維持していきたいと
思います。お返事をいただき、ありがとうございました。

大阪 認定内科医 先生

インスリンの感受性が強くなったというのは言い換えればインスリン抵抗性が低くなったと言うことでインスリン治療の経過中によく見られることです。徐々にインスリン必要量が減って中にはインスリンを離脱できるケースもあります。1型の場合はインスリンの離脱は難しいと思いますが少ないインスリンでいけるよう今後もガンバって下さい。

MIKAさん

>徐々にインスリン必要量が減って
>中にはインスリンを離脱できるケースもあります。
理想ですね(笑)
少ないインスリンで、食前・食後の血糖値が安定
していれば・・・ヘモグロビンA1cも下がるだろうし。
このまま維持して、ヘモグロビンA1cを下げたいと
思います!ちなみに、4月の結果は・・・10.0でした。
低血糖が頻繁に起こるようになったのは、今月です。

ありがとうございました。

大阪 認定内科医 先生

低血糖を繰り返すとその都度グルコースなどを追加することで血糖の変化が不安定になりHbA1cの数値が悪化したりすることがあります。血糖は緩やかな変化を心がけて下さいね。

MIKAさん

先々週(8日の週)は、1週間ほど
食後も低いし、補食やグルコレスキューを
飲んでも、すぐに下がり始めたりで・・・
体の急激な変化についていけない感じでした。

インスリン量を大幅に減らして、
現在は落ち着いたというか・・・高いくらいです。
一瞬凹んだのですが・・・高いと言いつつ・・・
以前のインスリン量の時と同じくらいの血糖値です。

食事に気をつけたり、適度な運動を心がければ・・・
今のインスリン量で、安定した血糖コントロールが
出来るかもしれないと、自己判断ですが思っています。

突然の連続した低血糖に悩まされましたが、
当初の目的通り、今年いっぱいをかけて
年末には、ヘモグロビンA1cを7に。
そして、来年は・・・5を目指したいと思います。

A1cを急激に下げることは、私としても避けたいのですが
理想的な変化とは、どれくらいの変化なのでしょうか?
現在が10だとすると、年内にどこまで下げるのが
理想的なのでしょう?宜しくお願いいたします。

秋山 森之進 先生

急激にHbA1cを下げて悪いことが起きるのは,眼底出血の悪化と有痛性神経障害が有名です。 どちらも,かなりの眼底出血(増殖性かそれに近いくらいの網膜症)か神経障害がすでにある時に,急に血糖コントロールが良くなると起きやすいとされています。それを防ぐには1ヶ月でHbA1cが1.0%くらいずつ下げれば大丈夫と言われています。質問者は現在10.0%(うーん…。いくら不安定型でももう少しなんとかなりそうに思うのですが…。)なので,今年中に6%台に入っても問題なし,ですよ。不安定なのは生活環境(食事・運動を含めて)のせいですか?それともインスリンの使い方にあるのでしょうか?インスリンの使い方は主治医が責任を持って判断すべきですが,生活環境について,あなたは心当たりはありますか? なお,もしHbA1cがすばやく改善して,眼底出血や神経障害が出ても,失明や壊疽にまでなることはまずない,とされています。数ヶ月ではなく数年後まで追跡調査すると,急に改善させた方がかえって合併症の進み方は軽かった(1型の場合),との報告が多いのです。ですから,改善にはいたずらに長期間をかけるべきではない,との意見が多数派ですね。

MIKAさん

とても分かりやすく説明してくださり、ありがとうございます。
>急激にHbA1cを下げて悪いことが起きるのは,眼底出血の悪化と
>有痛性神経障害が有名です。
「眼底出血」が起きるのではなく、「悪化」なのですね。
>今年中に6%台に入っても問題なし,ですよ。
あとは、本人(私)の根気次第ですね(^^ゞ頑張ります!
>生活環境について,あなたは心当たりはありますか?
仕事をしていますので、動く日があっても、急に変わった内容は
ありません。前は、どちらかと言うと、インスリンが効いていない
感じでしたので、どんどん量が増えてきました。
でも、低血糖は起こらなかったです。(食生活は、今と同じ)
寝る前よりも、朝方の方が血糖が高く、困惑していましたが
「血糖が高いから増やしてきたけど、夜中に低血糖を起こしてるかも」
と言われて、ランタスの量を減らしたところ・・・
就寝前より朝が低くなりました。これが、3月12日からのことです。
ノボラピットの量に変更はありませんでした。低血糖もなしです。
低血糖が続く直前の変化としては、注射部位を太ももの内側から
外側に変えました。注射部位に関しては、発症当時から特別な指導が
なかったので、やわらかい場所に打ってましたが、製薬会社の
サイトに注射部位に関しての記述があり、場所の変更をしてみました。
これが5月5日からのことです。
8日から低血糖が一日中、続くような感じになりました。
注射部位を変えたことも主治医には伝えましたが、それに関しては
特別、何も言われませんでした。
部位の変更と言っても、10cmくらいの移動?ですが、関係あるのでしょうか?
製薬会社から送られてくる小冊子には、インスリンの効きが鈍くなるとの
記述がありましたので、早急に変えた次第です。
この2点しか思いつくことはないのですが・・・。

MIKAさん

インスリンが効いていないと思ったのには、
理由があります。

食事の前の血糖値が高く、通常通りインスリンを
して、食事を抜くようなことがあったのですが、
血糖値の変動があまりなかったからです。
それを主治医に説明して「単位が足りないのかな?」
という判断になったのですが・・・。

で、現在は・・・食事をきちんと摂っても、上がりすぎる
ことなく、適度にバランスがとれています。

という体験から、以前はインスリンの効きが悪かったのかな?
と思っています。

大阪 認定内科医 先生

あくまで目安ですが月に1%程度の低下で充分です。ですので年内に正常値にしても大丈夫ですよ。

秋山 森之進 先生

注射部位の変更は重要です。同じ所ばかりに注射を繰り返していると,皮膚が変化して吸収が悪くなります。これを確認するには,注射部位を変えた場合の血中インスリン濃度を比較して見ればすぐ分かります。ほんの数cmでも差が大きく出ることがあり,そのため注射する所は毎回2-3cmは移動させ,できれば腹部のように面積が広い所の方が良い,と言われています。特定の皮膚ばかりをいじめないよう気をつけましょう。
お話からすると,以前は何らかの原因(皮膚からの吸収の問題だけとは限らないので)で糖毒性が起き,血糖が悪化していたようです。糖毒性と言うのは,高い血糖そのものがインスリンの効果を弱めてしまう現象です。インスリンの合計(自己分泌+注射)や食事・運動量が同じでも,例えばインスリンの効果が半分になればインスリン量が半分になったかのように血糖が悪化するわけです。
注射部位を変えて吸収が良くなった→インスリンの血中濃度が上がって血糖が少し低下→糖毒性が弱まりインスリン効果が少し回復→血糖が更に下がって糖毒性も更に改善…という流れで数日のうちに血糖が急に改善したのでしょう。自己分泌の回復にしては残念ながら話が合わないようです。
しかしインスリンの使用量がほぼ半減したそうで,あなたが50kgくらいの方であれば,長年の1型としては十分満足できる状態だと思います。HbA1cの改善が楽しみですね。

MIKAさん

「目標」は、常に高く!
まずは、すぐにでも「8」にしたいと思っているので、
頑張ります!!

血糖の自己測定のセンサー類は、病院によって
いただける量が決まっているのでしょうか?
測定していると、食事等の目処がつきやすく、
血糖値が安定するので、たくさんいただきたいと
思うのですが・・・。
今は、月に3箱(1箱25枚入)もらってますが、
これを7箱というのは、可能でしょうか?

MIKAさん

とても、丁寧に解説していただいて嬉しいです。
忘れないようにしようと、コピーさせていただきました。
ここのサイトを利用するようになってから、自分の中で
「もや〜」とした疑問が、形になってきて嬉しいです。
ありがとうございました!

大阪 認定内科医 先生

可能ですよ。事情を話したらもらえますよ。血糖コントロールガンバって下さい。

MIKAさん

今まで「1日一回でイイよ」と言われていました。
「たまに7回測ってみて」と言われるくらいでしたので。

ただ、測る時は・・・そんなに高くないのです。
低血糖もありましたし。
でも、A1cは、とても高いので・・・1日に数回測ってみようと、
看護師さんに言って、3箱もらってました。
測ってみると、血糖値にばらつきがあり、高い時は500も
ありました!A1cの数値の高さが納得できる結果でした。

1日に数回測るようになってからは(特に食前ですが)
食後は高くても200前半に収まるようになりました。

主治医の先生に話をして、7箱もらえるようにしたいと思います。
ありがとうございました。

秋山 森之進 先生

残念ながら保険で上限があります。2型では最高で1日3回まで,1型では最高で1日4回までが保険適応と決められています。これを超える分は保険適応外→院外で自費で買うよう言われる可能性があります。

センサーはおおまかに1日1回測定=1箱とされており(たまに測らない日があるということか?),すると質問者は1型なので最高でも1月で4箱まで,となります。これを超える数が支給されるのは,病院の好意扱いで「タダ」になってしまいます。すると貧乏な病院や,そうでなくともケチな病院(ほとんどの病院がこのどちらかです…)では月に4箱以上はもらえません。

そこで各食前3回を測ったら,次の日は食後3回を測り(これで月3箱消費),残りの1箱で気になるポイントを臨時測定したり,日にちを選んで日内変動を見る,などのようにするしかないでしょう。

センサーが不要になればこんな面倒なことは起きませんよね。昨年,完全に無侵襲の血糖測定器が発表されました。これは接触温度計・輻射温度計・多波長の反射散乱光度計などから総合的に血糖値を推定する物で,全く針を刺さず精度もなかなかです。発売になれば,初期費用を除いて電池代だけで好きなだけ!!!連続測定ができますね。関係者の話では,残念ながら年内の発売はなさそうです。

MIKAさん

センサーの件は、先生によってお話が違うようですので、
病院によって違いがあるのでしょうね。
次の検診は、月初めの予定ですので「何箱まで、もらえますか?」
と聞いてみて、理由を説明したいと思います。
出してもらえる数量によって、測り方を考えなければいけませんが
参考にさせていただきます。ありがとうございました。

新しい測定器の話ですが、お話を聞くまでは
「針がないだけなら、今のままでも測るのは苦痛じゃないし、
このままでもイイや」と、思っていました。
でも、
>初期費用を除いて電池代だけで好きなだけ!!!
は、かなり魅力的です!年内発売はなさそうですが、
詳しいことを聞ける日がくるのが楽しみになりました。

いち内科医 先生
消化器内科

いち内科医 先生

発症して20年たっているのですね。膵臓のベータ細胞がかなりダメージを受けていると考えられますので、再びインスリン分泌が起こる可能性は低いと思われます。

MIKAさん

早速のお返事ありがとうございます。
Ⅱ型からⅠ型になるのは聞いたことがあるのですが、
その逆は?という素朴な疑問からの質問でした。ありがとうございました。

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