Q

カロリー制限について

現在ネット等で勉強中ですが、カロリー制限について
医師の皆様のお考えを知りたく、質問します。
「1型には厳密なカロリー制限は必要なのか?」
と言うことです。1型と2型は発症原因も異なり、
厳密なカロリー制限を必要とするのは2型であり、
1型ではインスリン治療が第一であり、そこまで厳しい
カロリー制限(食事制限)は必要ではない?
と言う文献や情報を目にすることが多いです。
もちろん、標準体重を守ると言う条件ですが。
実際のところはどうなのでしょうか??

質問者:ys_june さん

Daylight 先生
糖尿病科

Daylight 先生

今までの糖尿病の治療は、医者の唱える理想論と、そんなことはできないという患者さん側の現実論とが開離し、双方にとっての不幸な事態の連続でした。
最近ではやっと、DAFNE(監修注:Dose Adjustment For None Eating・食べ物の炭水化物の含有量(グラム単位)にインスリンの単位を合わせる、普通の食べ物にインスリン注射量を合わせる)という臨床研究(詳しくはWeb検索して下さい)などによって、お互いの溝を埋めるための方法が研究されつつあります。
沢山の1型糖尿病の患者さんを長期に診てきた先生ならば、
SMBGの虚偽報告、摂食障害を合併、インスリン自己中断による体重コントロール、
などを行う患者さんを経験されたことがあると思います。
過去の診療では、医者の理想論から外れる人間は、すなわち治療の対象外となってしまいがちで、脱落する人や治療中断後に急激な合併症の増悪などの不幸が満ちていました。
過去には、治療からの脱落は、本人が悪いので医療機関には全く責任がない、という姿勢の医療機関が一般的でした。
しかし最近では、病院側の指導にも問題があるのではないかという反省も行われつつあります。健康的な食事を行うことは、もちろん望ましいです。
しかしながら、栄養学的に100点満点の食事をしているひとは、一体日本国民の何パーセントいるのでしょうか?糖尿病だからしかたない、という論理で栄養ばかりを強調し
自分たちが出来もしないようなことを押しつけている医療者が、あまりにも多いのではないでしょうか?できないことを押しつけて、出来ないことは患者側が100パーセント悪い、合併症が出ても医療機関にはまったく責任はない、という論理のどこが治療でしょうか?
このような反省から、患者様側の現実をじっくり調査し、現実に即した治療法を工夫するようになってきています。理想は理想です。それが実現できれば良いに決まっています。しかし、現実には人々は様々な社会様式を営んでおり夜勤や3交代勤務や長時間の運転などは当たり前の社会にもかかわらず、過去には、これを完全に無視した食事指導などが当たり前の様に行われていました。出来ない事に対しては、できない、と
はっきりノーと言うことが患者さん側には求められます。医療者側には、現実という制限された中で、最良の治療を行うための技術が問われます。
ADA(アメリカ糖尿病協会)のMNT(Medical Nutrition Therapy、食事による治療法)というガイドラインでおもしろい表現を見つけました。
a. 1型でフレキシブル・インスリン(flexible insulin)食事ごとに対応する4回注射の人は、食事の炭水化物を計算する(Carbhydrate Counting 法(監修注:炭水化物管理法)によるインスリン量の調節)。
b. 1型で固定インスリン(fixed insulin)定番の2回注射の人は、食事の時刻と決められた炭水化物を守る。
と表現されており、自己判断でインスリンを調節する人とそうでない人とを区別し、Carb Counting 法が利用できれば自分で調節、食事の量と時間が一定ならばインスリンを一定とする ということが勧められているようです。
つまり、炭水化物管理法という方法を覚えることにより、血糖コントロールを乱すことがなく、様々な食事様式がとれるということです。
実際には、そこまで万能な方法かは疑問ですが、こういう方法や考え方があるということは確かです。
すべての糖尿病の患者様にお伝えしたいことがあります。
医者がやれと言うからやる、のではなくて、なぜそれが必要なのかを納得し、自分のために、あるいは自分が大切と思う人のために、悔いのない治療を行って下さい。
医療の進歩は早いので、3年もたつと今まで正しかったことと誤ったことが逆転することもあります。
どんなにベテランになっても奢ることなく他人を見下すことなく、その時点でのベストを常に求め、
医療者に対する甘え、つまり責任転嫁を行わず、自分の責任において後で納得できるような後悔しないような治療を行って下さい。
そのためにこそ、病院やネットワークを上手に利用して下さい。
知識をつけ手技や方法を学べば学ぶほど、血糖コントロールを乱すことなく、制限から自由になることができるでしょう。
その時にきっと、今回のご質問に対する御自分なりの解答が得られることと思います。

ラスカル医師 先生
糖尿病科

ラスカル医師 先生

病気に対する食事を語る前に、今日の晩御飯のカロリーを知っていますか?よく患者さんに「何を食べたらいいの?」とか「そんなに食べてないよ」といわれることがあります。でも医師はカロリーについてまともに知っている人はほんの一握りと僕は考えます。実際に患者さんに聞かれても僕自身の認識が甘いので「栄養士さんと相談してください。」と言います。1型でも2型でもなく、日本人全体の体にあった食事をしらなければならないのでは。体重が1kgふえたら7000kcal蓄えたことになります。これは成人が4〜5日生活できる量ですよ。ピーナッツの袋3つで一日のエネルギーは十分なんです。ひとりひとりが自分にあった食事をよく検討し楽しく食べていくことが大事です。「制限」ではなく「適度」な生活を目指しませんか?ほら、そうしてくると1型も2型も関係ないでしょ?人は生まれて必ず死にます。いかによい人生を過ごすかが大切ではないでしょうか?貴方の人生は血糖値ではありません。これが僕の外来信念です。

hero2005 先生
全科

hero2005 先生

標準体重を維持するために必要なことは、適正なカロリーとそれ見合ったインスリン量になります。血糖を指標とすれば、たくさん食べたらインスリン量を増やせばいいのですが、それでは体重が増加します。体重(脂肪量)が増えてインスリン抵抗性が増せば、さらにインスリン量を増やしてと。。。悪循環に陥ります。 「厳密な」という言葉の解釈にもよりますが、やはり、カロリーのコントロールは重要でしょう。食事量が増えたら、それに見合った無理のない形での(たとえばウォーキングなど)運動も効果的でしょうが、食べた分を消費するのは大変です。糖尿病は長期戦です。 「過剰な厳密さ」を追求すると挫折してしまいがち、毎食では1〜2割の誤差があっても、2〜3日の平均でで帳尻があえばいいわけですから、体重の変化や血糖のコントロールの状態も参考にして、ハメをはずさない程度のおおらかさも長続きするには重要です。カロリーコントロールがストレスにならないような工夫も大事です。

膵臓を守る会会長 先生
糖尿病科

膵臓を守る会会長 先生

糖尿病食の指導を長年やっていますとカロリー制限だけでは対応できない問題が多々出てきます.食品交換表は確かに優れた教材だと思いますが,かゆいところに手が届きません.大まかに言うと,カロリー制限は肥満を予防するための手段です.決して血糖改善を目指した食事療法ではありません.血糖値に直接影響を与えるのは食事中に含まれる炭水化物の量です.1型糖尿病ではカロリー主体の食事指導ではなかなか改善せず,むしろ食事中の炭水化物の量を厳密にカウントして,それを元にインスリン投与量を決定する方法の方がうまくいくことが多いです.個人的には太らないためのカロリー計算,血糖改善のための炭水化物調整と考えています.もっと高度になると炭水化物の中でも血糖のあがりやすい物とそうでない物があり,グライセミック(監修注:あるいはグリセミック)インデックスとも呼ばれています.

hero2005 先生

食事療法でのカロリー制限は、単にそのカロリーを言うだけでなく、たんぱく質、炭水化物(以前は糖質という紛らわしい言い方)、脂質の割合が重要です。栄養のバランスが重要なのは当然です。 この割合を計算するとき食品交換表のどの分類にあてはまるかということで、計算を簡略化することが可能です。一般のヒトには、表1.2.に分類されるもので、カウントをするというのがわかりやすいとおもいます。つまり、炭水化物に分類されるものが何かということを知るには食品交換表は有益です。

糖尿病を診療している医師でも、食品の分類、カロリー計算の出来ない方をときどきみかけます。こういう医師には食事指導なんてどだい無理です。もちろん、多くの専門医の方は、お弁当をひとめ見ただけで、栄養素の比率やカロリー計算はたちどころに出来ると信じたいのですが。。。食品交換表の本を買っただけでは、実際には使いこなせません。やはり、丁寧に説明してくれる栄養士の指導が大事です。

最近では、カロリーブックという便利な本もあります。惣菜やお弁当、おやつなどのカロリーや栄養素の比率が書かれています。1単位の目安の量で記載された本、あるいはうどんやカレーはと、代表的なコンビニ弁当について記載されたものもあります。

急激に血糖をあげやすいもの、じわじわ上がってくるものなどに食品を分類したGI(グリセミックインデックス)なるものもあります。 GIで要注意なのはGIが低ければいくら食べてもいいなんて、誤った情報を流しているものがあることです。本来、炭水化物に適応すべきものを、オイルや香辛料までととんでもないものまで。 GIについては正しく理解できれば有効な方法のひとつです。 GIを考えるときにももちろん、栄養のバランス、総カロリーは重要です。 ブームに乗ろうとして意図的に誤解を招きやすい表現をした本もありますので、間違った方向にいかないよう注意しましょう。

hmaeda 先生

血糖の上がりやすい炭水化物がグライセミックインデックス
が高いのでしょうか?
出来ましたら、少し例をお教えください。

消化器病学会専門医

わかりやすく説明する医師 先生
一般内科

わかりやすく説明する医師 先生

カロリーを多く取ってもインスリンを多く投与すると血糖値は、よくなりますが、太りだします。脂肪がインスリンの効果を弱め、以前より増してインスリンを多く打つ事になります。その結果高インスリン血症になります。高インスリン血症は血圧を上げるなどの体に害をあたえます。体にとってインスリンがなくて高血糖も困りますが、インスリンがあり過ぎるのも困ります。糖尿病の人以外にも当てはまる事ですが、カロリー制限をして少ないインスリン状態が体にとってはいいのです。高血糖、高インスリンに注意してください。

いち内科医 先生
消化器内科

いち内科医 先生

Ⅰ型であっても肥満を予防しインスリン抵抗性を高めないためにカロリー制限は必要です。
25〜35kcal/kg x 標準体重 kg で必要エネルギーを計算してください。(標準体重=身長m x 身長m x 22 kg)
また、現在では糖尿病は複数の危険因子から生じるといわれておりその観点からもカロリー制限を行って内蔵脂肪を予防するとともにそのほかの体内状態もコントロールしていく必要があります。

いち内科医 先生
消化器内科

いち内科医 先生

食事療法のポイントは?
1 腹七分目にする
2 食品の種類はできるだけ多く
3 脂肪は控えめに
4 食物繊維を多く含む野菜、海草、きのこをとる
5 朝、昼、夕食を規則正しく
6 ゆっくりよくかんで食べる

おまけとしては、禁煙、禁酒に加えて、高血圧、腎障害があれば食塩制限、腎機能低下に応じて蛋白制限が加わります。

大阪 認定内科医 先生
消化器科

大阪 認定内科医 先生

おっしゃるとおり2型に比べるとカロリー制限の必要性は低いですが、規則正しい食生活を目指すという意味では食事制限は必要と思います。そうでないと血糖は不安定になり、一定したインスリンを維持できません。

ys_juneさん

ありがとうございました。
勉強になりました。

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