上部胆管癌の進展度診断について(長文です)

上部胆管癌の進展度診断についてご質問申し上げます。

78歳の父が、糖尿病、高血圧にて内科通院中、胆道系酵素の異常が認められ、腹部超音波検査の結果、上部胆管癌と診断されました(腹痛・発熱あり、黄疸なし、貧血あり、ALP 1877IU/L、γ-GTP 1561IU/L、GOT 93IU/L、GPT 91IU/L)。

術前の画像診断は、腹部超音波検査(US)、腹部造影CT、腹部MRI、腹部血管造影で、内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)はやりませんでした。

主治医の話によりますと、「この段階で腫瘍が見つかるのは稀です。癌の位置は(胆管の)上から1.5cm、大きさは2cm弱。X線CT上転移はないと判断。病期はお腹を開けてみないとわからない。根治切除をねらいます」とのことでした。予定術式は「胆管切除+肝尾状葉切除+胆管空腸吻合」でした。

早速医学書などで調べましたところ、この術式は上部胆管付近に限局した癌腫が対象であることがわかり、私もほっとしておりました。

ところが、手術直後、家族説明室で切開された切除標本を見せていただいたところ、私が見たのは肝外胆管と胆嚢と結節浸潤型の癌であり、en bloc切除されるであろう尾状葉はありませんでした。私の勝手な推測ですが術式は「胆管切除術」ではないかと思われます。

主治医は「横隔膜下に腹水の貯留が認められた。リンパ節転移はない。場合によっては、術後に放射線療法、化学療法が必要かもしれない」とおっしゃっていました。

その後、病理の結果がわかり、「リンパ節転移が2群、神経周囲浸潤が高度、病期が3、早い時期に再発する(黄疸が出る)だろう」とのことでした。

術後、1回2Gy/日、23回の放射線療法を受け(合計46Gy)、化学療法はせず、現在外来にて経過観察中です。

【質問】
1) 術前に腫瘍の進展様式は浸潤型であるということはわからなかったのでしょうか?

2) USで肝内胆管の拡張以外に胆管壁の肥厚像は認められなかったのでしょうか?

3) 造影CTの動脈相で腫瘍と右肝動脈の位置関係は把握できていたのでしょうか? 濃染した胆管壁の肥厚像は認められなかったのでしょうか?

4) 腹部血管造影でencasementは認められなかったのでしょうか。動脈周囲神経叢への浸潤は疑わなかったのでしょうか?

5) リンパ節転移は術前のCTやUSでわからなかったのでしょうか?

6) リンパ節転移は術中の腹腔内検索でもわからなかったのでしょうか?

7) 横隔膜下の腹水の貯留は術前のUSやCTでわからなかったのでしょうか?

8) 「早い時期に再発する(黄疸が出る)だろう」ということは、手術成績は肝側胆管切除断端癌陽性、剥離面癌陽性、根治度Cの組織学的非治癒切除で、吻合部再発は必発だということなのでしょうか?

9) 術中迅速病理診断で肝側切除断端癌陽性ということはわかっていたのでしょうか?

以上、質問数が多く誠に恐縮に存じますが、どんなことでも結構ですので、ご意見を頂ければ幸いに存じます。

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