Q

PCOへのメトフォルミン療法について

私は多のう胞性卵巣(PCO)で、産婦人科で不妊治療を受けています。
糖代謝異常はありませんが、排卵誘発剤が効きにくいので、卵胞を育てる目的でメトフォルミンをかけあわせて飲むことを検討しています。その場合内科での血糖値の管理が必要になると言われています。

このような例をご経験されている糖尿病ご専門の先生がいらっしゃいましたら、治療の実際(服用量、時期、期間、産婦人科との連携)、また保険の適応の有無についての考え方などを教えていただけませんでしょうか。
「不妊」の項目の「フェマーラによる排卵誘発について」のスレッドにhero2005先生のご回答がありますので、それに続けて頂く形でお答え頂いてもうれしいです。よろしくお願いします。

質問者:瞳 さん

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

私が直接このような治療をしたことはありませんが,婦人科から依頼を数回受けたことはあります。

卵巣内アンドロゲン濃度の上昇が,卵胞の成熟障害を起こすのですが,メトホルミンは直接作用でこのアンドロゲンを減らす→卵胞の成熟を促進し得る,というものです。使用方法は750mgを1−2ヶ月で糖尿病の治療と同量でした。その後で卵胞刺激治療をしていたようです。

副作用などは消化器症状(吐き気,食欲不振,下痢など)が中心で,単独では低血糖は出ないでしょう。血糖を下げる薬に分類されてはいますが,膵外作用と言ってインスリンと無関係の効果が中心なので,他の血糖降下剤の併用がなければ低血糖はまず起きません。実際に海外では,境界型(本格的な糖尿病の前段階)の人にメトホルミンを飲ませて糖尿病発症を防ぐ治療が行われますが,低血糖は問題になっていません。

保険適応は,お役所的にはありません=自費です。これを糖尿病あり,として保険を通すかどうかは病院によって違います。ただし,糖尿病と言う保険病名がカルテについてしまうと,医療保険に入る時に制限が出てくる場合があります(それはウソ病名ですと言ったら,保険サギを認めることになりますので)。

瞳さん

唐津の医師先生、ryre先生、そして秋山森之進先生、本当にありがとうございました。
特に秋山先生、副作用の情報や作用機序、血糖への影響に関する情報をありがとうございました。産婦人科ではなかなか得られないものばかりでとてもためになりました。

保険に関して「問題なし」とおっしゃる先生と「問題あり」とされる先生とご意見の分かれる所のようなのですが、
秋山先生のおっしゃるように確かにカルテに「糖尿病」と病名のつ
くことに関して将来的に問題がないかどうか、事前によく考えてみる必要があると思いました。

服用中の血糖の管理は必要ないでしょうか? 最後にもうひとつだけお願いします。

tora 先生

「血糖の管理の必要は?」と聞かれると、「ない」になるかもしれません。ただ、経過をみておくにこした事はないと思います。どのお薬でも頻度の差はあれ、副作用には注意が必要です。
私もメトフォルミンは多用していますし、血糖値が正常な一部の肝疾患の方にも内服していただいておりますが、経験的には低血糖をはじめ、重篤な副作用の経験はありません。ただ、添付文書には遷延性低血糖の記載があったと思いますので、モニターしておくに越した事はないですし、低血糖の症状について、知識を得ておかれる方がよろしいかと思います。
保険の件ですが、メトフォルミン自体は高価なものではないので、自費でもいいかもしれません。ただ、そこにはまた、混合診療などの問題も入ってくるので、主治医の先生のマネージメントしだいでしょうか。

秋山 森之進 先生

>服用中の血糖の管理は必要ないでしょうか?

99%不要ですが,残り1%の人に何かが起こらないとは言い切れません。理由を説明しても不安が残る方には測定します。服用はたった1−2ヶ月ですから,空腹時血糖と運動後の血糖を1−2回確認すれば,一番下がり得る所は押さえられます。もともと糖代謝は正常なのだから,低血糖気味になれば前駆症状が出て測らなくても分かりますし,砂糖を10gも舐めればそれでおしまいです。御心配ならばスティックシュガーを1,2本ポケットに入れて持ち歩いたらいかがでしょうか?

ただ私が患者自身だったら,症状がない限り測らないと思います。針を刺されると痛いので(笑)。

瞳さん

tora先生、秋山先生、ご回答をありがとうございます。

現在不妊治療を行っているのは大病院の産婦人科ですが、その病院の内科の先生は糖尿病でないとメトフォルミンの使用を嫌がるとのことで、私の場合はメトフォルミンの処方の部分だけを院外の小医院で分けて行う案が出ています。
現在候補にあがっているのは婦人科の小クリニックですが、血糖の管理の問題がそれほど大きくなければ、内科でなくても大丈夫かもしれませんね(たまにモニターするか、飴を持ち歩いて対処します)。

さらにtora先生のおっしゃるように、小医院でのメトフォルミンの薬代のみを自費とすれば、事実上混合診療が可能となり、秋山先生のご指摘の医療保険加入の問題も回避されると思いました。
お陰様でいろいろ分かってきました。ありがとうございました。

ラスカル医師 先生

今回はメトフォルミン容認の先生方の回答が多いように感じられました。糖尿病専門とする立場として、私は疑問が残ります。以前の経験ですが「不妊症にはすばらしい薬だ。」とおっしゃる産科の先生に副作用の「乳酸アシドーシス」の件をお聞きしましたら「それはなんのこと?」と逆に質問されました。日本国内においては常用量でのアシドーシスは報告されてないと思いますが、患者さんにまったく説明されていない、または担当医が知識を持っていないのは問題ではないでしょうか??メーカーに産婦人科の先生に対する薬物情報をもっと積極的に行うように伝えていますが、いまいち歯切れが悪い。やはり、糖尿病の学会と産科の学会がよく話し合い、結論を出す時期に来ていると考えます。

hero2005 先生

妊娠までの経過のみをみる不妊症治療に限定して、治療により合併症や副作用が発生した場合には、保険診療をする公的病院を受診することを前提として、無床の外来のみのビル開業がふえています。そのような場では、メトフォルミンによる問題が生じても実際は関係ないというスタンスになります。

現時点では、使用のメリットもデメリットも覚悟の上で、自己責任という形でしか使用できないのが現状でしょう。

瞳さん

ラスカル医師先生、hero2005先生、ありがとうございます。

乳酸アシドーシスとは具体的にはどのような副作用なのでしょうか?
婦人科では確かにそのような説明はまったくありませんので、
自己責任で飲むならなおさらこのような場で自分で勉強するしかない気がしますが・・・

さまざまな可能性まで含めて考えると、小医院に依頼するとしても婦人科というよりは、内科の先生にお願いしたほうが賢明ということになるでしょうか?

瞳さん

というのがメトフォルミンのことなのでしょうか。
「メルビン」や「メデット」の添付書類を見てみた所、乳酸アシドーシスについて少し理解しました。

たびたびすみません。

ラスカル医師 先生

説明不足ですみません。乳酸アシドーシスとは、体内に乳酸が多量に蓄積され、からだが酸性に徐々に傾き生命を脅かす病態です。原因としてはビグアナイド製剤の特徴として、体内でエネルギーを作り出すシステムである解糖系に働きかけて糖の消費を進行させ、血糖値を下げるところにあります。そのときに多量の乳酸が産生され、体内の代謝が衰えている人や高齢者に対し影響を与えます。もし発症した場合、生存率50%とも言われており、非常に恐ろしい合併症です。ただし、メトホルミンに関しては常用量ではここ数年発生していないと思いますが、企業に問い合わせないとはっきりしません。基本的に、比較的若い婦人科の患者さまに使用しても問題はないと考えますが、知っているのかいないのかではまったく話が変わります。また、一般的に糖尿病専門外来の先生方でなければあまり知られていないのも現状でしょう。

唐津の医師 循環器、糖尿病 先生
循環器科

唐津の医師 循環器、糖尿病 先生

メトフォルミンを服用されても特に糖代謝に異常は来しません。
糖尿病と記載すれば通常量であれば500〜750mg/日であれば保険は問題ありません

ryre 先生
一般内科

ryre 先生

前述のように500-750mgでは問題ないと考えられます。

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