Q

前立腺癌の内分泌療法での副作用について

標記タイトルの件で出来る限り多くの副作用について知りたいので教えてください。

質問者:木村鉄也 さん

C.U.泌尿器科 先生
泌尿器科

C.U.泌尿器科 先生

実はかなり広い範疇の治療方法です。
大まかに分類すると外科的内分泌療法と内科的内分泌療法に分れます。
内分泌療法は1940年代に英国の外科医が交通事故で両側の精巣を
失った前立腺癌患者さんが、その後急速に改善した事を報告して
その後の検討により開発されました。
従って当初は外科的に両側精巣を摘出する「去勢術」が主流でした。
当然副作用としては手術そのもの及びそれに伴う麻酔に関する
合併症が中心になります。
その後、精巣そのものを摘出しなくても、脳下垂体から精巣に
男性ホルモンを分泌させる指令を出すホルモンを抑制すれば
去勢術と同じ効果があるものと云う発想から、LH-RHアナログ製剤を
月に1回皮下注射する方法が考案され主流に成りました。
この場合はホルモンバランスが変わる事により生じる症状が、
先ずは副作用として有り得ます。具体的には軽度の火照り感や
頭痛、気分不調など、一般的に女性が経験する更年期障害に近い
症状がこれに当ります。また、ホルモンバランスの変動に伴い
便秘や、肝機能障害などが発生する場合もあります。他に特に
重要な物には癌細胞そのものの崩壊に伴い、骨転移がある場合には
転移巣の疼痛が発生する場合があります。これは経験の豊富な
泌尿器科医が施行する場合には充分に注意して開始すれば殆どが
予防出来ますので、現在の臨床現場では減少しました。
そして、内科的内分泌療法の最後に登場するのは、精巣由来の
男性ホルモンだけでなく、副腎由来の男性ホルモン類似物質迄
抑制する薬剤で、通常これは内服薬として処方されます。これは
副作用として重篤な肝機能障害を発症する場合があり、発売当初
何人かの患者さんが実際に亡くなっています。しかし、現在では
こうした副作用の出現時期などがある程度判っており、注意深く
肝機能その他を確認しながら処方し、必要に応じて対応すれば
それ程重篤にはならなくなりました。
以上が一般的な前立腺癌内分泌療法の「副作用(一部合併症)」
ですが、我々泌尿器科医にとっては多くは既に経験済みの内容ですので
充分に注意して、主治医と確認を取りながら治療すれば殆どは
問題になりません。むしろ困ってしまうのは、こうした副作用を
おこさずに治療をしていた前立腺癌がある時から内分泌療法に
反応しなく成る(ホルモン不応性)事です。そうなった前立腺癌に
対する治療方法は一定の方向性は示されていますが、完全に確立された
ものではありません。やはり定期的に経験豊富な泌尿器科医の診察・
検査を受けながら治療を継続して頂くのが一番かと思います。
長文失礼致しました

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