Q

高齢者のペースメーカーの適応について

73才男性、施設入所中。2度の脳梗塞、脳出血のため現在、半身麻痺・失語・失認・失行・軽度痴呆あり。50才代より心房細動があった。
施設にて、健康チェックの際元気がないようなので、心電図をとり、異常が見られたとのことで、24hホルター装着。医師からペースメーカーの適応だと診断される。徐脈性の心房細動?か。娘として、延命治療のための装着であるのであれば、高齢でもあるので見合わせたいと考えています。やはり、つける必要があるのでしょうか。血栓予防のためなら、薬等で予防する道はないのでしょうか。1回目の脳梗塞(10年前)後はワーファリン服用。現在は服用せず。痴呆もあり自己判断は出来ない状態です。医師から勧められれば、しなくてはならないのか。悩みます。装着すれば、脳梗塞の再発を起こす可能性が激減するのでしょうか。アドバイスをお願いします

質問者:ももかり さん

血管心臓医 先生
循環器内科

血管心臓医 先生

前後のお話を伺う限り、群馬の先生同様、私ならペースメーカーを植え込みませんし、担当医に手術決定の権利はありません。確かに手術はほぼ安全で(高齢者の心房細動なので電極一本の単純な装置で術中の安静さえ守ることができれば局所麻酔で1時間程の手術)、心不全や意識消失の予防になります。しかし現在明らかな症状がなければ、検査結果から将来の不安解消のために手術をすることは原則的に認められません。
薬物(例えば降圧剤)などによる徐脈の悪化を除外すること、アロテック・プレタールなど心拍数を増やす薬剤の効果(数は少ないものの有効な症例があります)を確認することが、まず最初にすることでしょう。
もっとも重要なポイントは、施設の方、担当医、そして家族の方が、現状で本当に患者さん本人にあと何年でも生きていてほしいか、あるいは生きていることが幸せと確信しているかどうかです。
ペースメーカー治療は病院にとって非常に収益のあがる処置だから勧めるというような判断は言語道断です(残念ながら時に見られます)が、医者や施設の職員が、心不全や意識障害・突然死の責任逃れをしようとしているのではないか(残念ながら、逆にそれを追求されるご家族が少なくない現実はあります)、娘さんですら父親の寿命を受け入れようとされているのに延命しようとしている担当医の治療を行おうとする根拠は何なのか、が私には不明です。要は、家族は危険を理解した上で万一の際にはこの方の天命であり、医師・施設の責任ではない、と明言する勇気があるか、そして彼らと十分意志疎通をするかどうか、にかかっていると思います。
で、注意すべき症状は、(1) 体重増加・むくみ・食欲不振・息苦しさといった症状(これは心不全の症状ですが、循環器医がしっかりしておれば経験的には内服薬でほぼ治療可能です)、(2) 突然の短時間の意識消失(多くの場合、突然死につながることは少なく、むしろ転倒などの事故につながる)、この場合はその時点で改めてペースメーカー手術の是非を検討し治す必要があるでしょう。
長くなりますが、ペースメーカーを植え込んでも脳血栓症のリスクは変わりません。これ以上悪くしない(生きているのに病状が悪くなる)ためには、明らかにワーファリンを服用された方がまだ理にかなっています。内服を拒否されない限り、ですが。

ももかりさん

父の件、多くの先生方からのご意見本当にありがたく思います。家族の意向とすれば、今回は様子をみて、症状が現れたときに再度前向きに考えて生きたいと思っているところです。主治医の先生にもこの思いをお伝えするとともに、施設にも理解が得られれば・・と思っています。
何分お医者様から、専門的なことばかりおしゃられたので、理解できず、また、次回担当医に会っていただく時間も2〜3週間先になるとのことで、医療との距離感が増すばかりです。が、家族として、しっかりしなければ・・と先生方のアドバイスを基に対応していきたいと思います。また、施設にもわかっていただけるよう説明したいとはおもっているのですが、これもどうなることやら・・預かっていただいている身にすれば、施設の方針に従がうしかないところもあるなが現状です。今後も良きアドバイスをお願いします。私にとって、このサイトの先生方がホームドクターです。

糖尿病専門医にあらず 先生
循環器内科

糖尿病専門医にあらず 先生

徐脈性心房細動と心房細動に完全房室ブロックを合併したのかにより、適応は異なると思います。徐脈性心房細動であれば、失神、心不全などが無ければ適応とはなりませんが、完全房室ブロックであれば、ブロックの部位によっては突然死のリスクがあるため、適応です。いずれも、心電図のQRS幅、R-R間隔などから、ある程度診断は可能です。徐脈性心房細動は、甲状腺機能低下が原因の場合がありますので、そのチェックは必要です。私なら適応があっても、現状のADLと、家族が延命を望まないのであれば、植え込みは行いません。ペースメーカーの有無と、血栓予防は無関係です。脳梗塞の再発の予防はワーファリンの服用以外には有用な手段はありません。施設入所に関しては、同様のケースで、この疾患によりいかなる事故があってもいっさい異議は申し立てない旨を施設側に伝え、入所を認められたことがあります。主治医に伺って下さい

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

今回のペースメーカーについては,脳血栓予防とは直接関係はありません。

徐脈がひどいと心臓から送られる血液量が不足します。短時間でも失神等が起こり,転倒すれば状況によっては脳血栓に匹敵する被害が出ます。ワーファリンをお使いなので,打撲の場所にかなりの出血が出ます。それが頭ならどうなるでしょうか?

色々な病気をされているようで,「過剰な医療」は受けたくない様子ですが,この場合は過剰医療ではなく御本人の今の状態を保存するために有効な処置と考えられます。ペースメーカーと言っても実はそれほど大袈裟な物ではなく,手術も局所手術で危険性は低く,1度入れれば後は定期的なチェック+数年後の入れ替えだけです。

前向きに検討すべき処置であると,私は考えます。

ももかりさん

家族は、脳血栓の予ができるのであれば、ペースメーカー装着は意味がある!とおもうのですが・・現状は本人は無症状で以前と変わらず施設で生活しております。車いすのため転倒の危険性も低いかと思います。本人は1日がかりで病院に受診するだけでもストレスで、家族もおむつの心配等、入院・通院による負担。装着後の施設での生活(ADLの低下)を考えると二の足を踏んでしまっています。
本人は判断や理解できないので、家族はかえってどうしてやったらいいのか悩んでいます。

糖尿病専門医にあらず 先生

ある程度クリアーな方でないと、術中の不穏行動、特に穿刺中の体動などによる事故、や、術後の清潔維持など問題は多いと思います。当然免疫も決して良くないでしょうから、感染のリスクもありますし。麻酔科がついてくれれば別ですが、術中鎮静をかけると呼吸抑制の問題が出ますし。90歳台までの植え込み経験はありますが、術者の立場からはこのケースは「危険性は低く」はないと思います。

群馬循環器 先生
心臓血管外科

群馬循環器 先生

文面から推察すると、心房細動による高度徐脈と思われます。おそらくホルターの最低心拍数から適応と判断されたようですが、家族の方(及び本人)が何を希望されるかです。まず現在の内服を確認しましょう。ジギタリス製剤や抗不整脈はどうでしょう?このような薬の副作用による徐脈はないでしょうか?その次に症状です。元気が無いとのことですが、肝機能、腎機能は正常でしょうか?徐脈による低拍出による臓器障害がなく、また意識消失等なく、現在のADLであればペースメーカー適応はないと考えます。貧血等はどうでしょうか? ペースメーカー植込みで血栓予防にはなりません。薬の内服が可能であればワーファリンが勧められます。

ももかりさん

現在、服用している薬はないよう(しかし、夜眠れないとのコールが多いため睡眠導入剤を就寝前服用)です。失神発作等もなく、以前と変わらず施設において生活をしています。貧血もなく、食事も全量摂取しています。家族の者は、痴呆も進んでいるため、ペースメーカー装着しADLが低下する危惧の方が大きいのが現実です。現状のままこのまま様子を見ていきたいのですが、今後どのような症状に注意する必要があるのか。また、どのような症状になれば装着すればいいのか。教えて頂ければ幸いです。痴呆高齢者の生きるクオリティってどうしたらいいのか!家族として何が出来るのか?悩みの日々です

群馬循環器 先生

少々、ネットから離れておりました。いろんな先生方の仰せの通りです。感染、管理(ペースメーカーでは定期管理が必要です)のことからお手軽に勧められる治療ではございません。しかし、また過大侵襲かといえば(勿論適応であればですが)そうでもないのです。従いまして、ご家族の方と主治医の方とでしっかりと話をされることでしょう。日中意識レベルが低下(意識消失まではいかない)方で、リハビリ(この方は確か骨折手術後)の徐脈性心房細動に対してペースメーカーを植込み、意識状態が著明に改善、リハビリも進んだとの経験があります。ただ文面だけですが、ご相談の場合、日常生活を改善(それも家族と本人とが実感できる)することはできないでしょう。唯一将来における突然死、あるいは事故(これも今のADLからは可能性は低く、施設の免罪符的な処置かも?)の予防のためですが、ペースメーカーを入れて完全に突然死を予防できるわけではありませんし、全ての人は必ず死を迎えます。痴呆の状態にもよりますが、ペースメーカーで単に長生きすること(これも可能性のみ)と、ご家族そろって患者さんとの楽しい思い出を作るのと、どちらが(もしくはどちらも必要か)人生のクオリティが高いかを考えてみられることも良いでしょう。

hero2005 先生

体力的に余裕のない方であるからこそ、少しでも楽になれるようにという考え方もあります。

高齢者で認知症もあり、家族も長生きを望まれないだろうしで、本来受けられるはずの治療を受けられず苦しい思いをしつつ生きておられるご老人を多く見ております。

ペースメーカーを埋め込むにあたり、安全な麻酔管理と術後の管理が可能であるならという条件つきで手術もあるのではないでしょうか。現実にペースメーカー埋め込みで見違えるほどADLがよくなった方を多く見ております。施設から外出、外泊ができるようになり、一緒にお食事を楽しめるようになり、ペースメーカーをいれて楽しい思い出を増やされたかたもおられます。

管理、メインテナンスもたいしたことはありません。定期的にチェックするだけで半年か一年に一度、それに施設に入所されているなら、局所のチェックは入浴時にできますし、局所感染やよほどのトラブルが起こらない限り、ご本人も家族もいれたのを忘れるくらいの手間です。

ペースメーカーは施設の免罪符のためでもなく、単に生命を延ばすためのものでもなく「ご本人のADLの改善」に役立つか否かの視点で論じたいですね。

三次 先生
循環器科

三次 先生

徐脈による心不全や意識消失発作を予防、改善することです。ADLの改善が主な目的であり、延命治療ではありません。逆に現在心不全や意識消失発作がないのであれば、ADLを考慮すると少し様子を見てからでもいいかもしれません。ただ、施設に入所中とのことですので、施設のほうではペースメーカーを入れたほうが安心されるかもしれません。(意識消失による事故の心配がなくなりますので)

ちなみに年齢はペースメーカー植え込みの除外基準にはならず、100歳の方でもADL改善が見込めるならば植え込むことがあります。

ももかりさん

おっしゃるとおり、施設は危険予防のためペースメーカーの装着をするよう言われているようです。現在は老健。特養の順番待ちをしていることもあり、本人ためというよりは、施設に居させて頂くために装着しなければばならない
かとも・・思います。施設側から入所の条件として、ペースメーカーの装着を必要とされれば、家族は装着に踏み切るしかないと思っています。

大阪 認定内科医 先生
消化器科

大阪 認定内科医 先生

ペースメーカーを必要とする理由はいくつかあると思います。一つは血栓形成による虚血性疾患の予防。一つは除脈性心不全の予防。一つは除脈による意識障害、ひどい場合は心停止に近い状態になるおそれがあります。これらは薬では予防できません。

ももかりさん

現在、施設では以前と変わらず生活を送っています。心電図上での異常によりペースメーカーを装着を勧められた。という思いが家族は強く、このまま様子を見ていきたと思ってしまっています。痴呆も徐々に進んでおり、装着したことによるADLの低下の方が心配です。上記疾病で、無症状、脳梗塞・脳出血のため半身麻痺、失語、痴呆の患者に本当に装着が必要なのでしょうか。しかし、医師に言われると従わなければならないのかとも・・また、偏見ですが、担当医が平成14年卒とお若く、教科書のような説明で一方的に終わってしまい、家族の思いを伝えきれずに終わり途方に暮れているのが現状です。

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