Q

上が高い、下が高い

患者さんに「血圧は上は良いが、下が高いのは何故?」と質問を受け、うまく答えられないことがありました。『上だけが高くなる』『下だけが高い』ということが起こる仕組みについて教えていただけないでしょうか?

質問者:いち薬剤師 さん

血管心臓医 先生
循環器内科

血管心臓医 先生

血液を送り出す心臓は雨降りで、血液の流れが川の流れ、血圧は水位に相当します。心臓が一回血液を送り出すのが、雨が一回降る様子と想像してください。
血圧の上の数字とは、雨が降った直後の水位です。下の数字とは、雨がやんで次に降る直前に水位が下がりきったときの状態、に相当するわけです。
夏の夕立の後のように降る様子が、心臓が勢いよく血液を送り出す時(例えば運動している最中)です。夕立直後の水位は高い、しばらくすると下がってきますね。脈が速いのは、雨がやんでまた降るまでが短い、毎日夕立、みたいなものですね。このような状態では水位は急に上がり、下がりきる前にまた次の雨が降る。つまり上の血圧が顕著に上がり下の血圧も上がるわけです。健常人でも運動時に200/100となるのは、こういうわけです。
梅雨のように、雨の量が全体に多いとどうなりますか?これが水分・塩分過剰の状態です。いつも川には水が満ちるわけ、つまり上の血圧も下の血圧もあがります。塩分制限が必要なわけがわかりますね。
同じ雨の量でも、川幅が大きければ(血管が広がっている)水位は上がりにくいけれども、細い川幅では(動脈硬化を起こしていたり、ストレスなどで緊張が続き血管が収縮している)洪水になるかもしれません。これが脳出血ですね。
川床が広くて柔軟に幅の変わる川では、川の広さが変わっても深さははあまり変わりません。つまり軟らかい血管では血圧の上昇下降が目立たない、けれども川床が狭いと雨が降った直後は深くなるけれども、雨が降らないと干上がります。若い人の高血圧では上も下も高いけれども、高齢者で血管が細く硬くなると上の血圧は上がるけれど、下の血圧は低い、という現象が説明できます。緑の少ない裸山のように雨を蓄える柔軟性がなくなった状態ともいえますね。
結論です。血圧は、心臓の強さ(一回に降る雨の量)、血液量(総量としての雨の量)、血管の柔軟性、血管の太さ、さらには大動脈と末梢動脈の流れ、交感神経やアドレナリンの様子、などにより複雑に調節されています。循環器医は、問診、診察、検査でこれら全ての要素を判断し、最適な薬剤を決めてるのです。例えば、風呂に入った、不整脈の時、お酒を飲むとどうなるか、などで頭の体操をしてみて下さい。

いち薬剤師さん

患者さんに病気について、また薬について説明をするときにいろんなたとえ話をします。自分で考えても限界があるため、本を読んだり、インターネットで検索したりと思案することがよくあります。このサイトで専門の先生や一般の方の意見を聞けて、大変参考になっています。今後ともよろしくお願いいたします。

ひげシェフさん

先生の「雨と川の流れ」のお話の中に「梅雨のように、雨の量が全体に多いとどうなりますか?これが水分・塩分過剰の状態です。」というくだりがありますが、実際の血圧にも水分の摂取量で変化があるのでしょうか。私は血圧が高いとよく言われます。(上が150くらいで下が100くらいです)年齢は41歳・男性・お酒は毎日ワイン1本・煙草は20本・睡眠時間は4〜5時間です。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

いわゆる下の血圧は、心臓が拡張して戻ってきた血液をため込んでいるときに血管壁にかかる圧力(血圧)のことです。一方、上の血圧とは心臓がギュッと収縮して血液が動脈に押し出されたときに血管壁にかかる圧力(血圧)のことだと説明してみてください。患者さんにも納得していただけると思います。

いち薬剤師さん

ご返事ありがとうございます。それぞれの血圧が何を表しているのかはわかるのですが、最高血圧を高くする要因や最低血圧を高くする要因といううのはあるのでしょうか?下が高いのは○○だからです。と説明することは難しいのでしょうか?(人によって要因はさまざまだと思いますが・・・)

秋山 森之進 先生

直接圧力を生み出しているのは心臓です。収縮期と拡張期それぞれの圧力が,血液を波動として伝わり,それを血管壁が受け取ったものを測定しています。心臓レベルでは心臓の容積・充填される血液量・心筋の収縮or拡張能や弁膜症の有無など,血液を伝わる時にも血液量・血液粘調度等のレオロジーや途中の血管閉塞の有無が,血管壁のレベルでも血管の収縮・拡張度や支持組織が関わり,それぞれについて機能的なものと器質的なものを考えなくてはなりません。

試みとしては良いと思いますが,考えるべき項目が極めて多岐に渡り,血圧値を見ただけでこの原因は…と簡便に説明するのは無理でしょう。血圧は上記の因子を一まとめにしてしまっているのであり,俗に言えば「クソ・ミソ一緒」の指標なのです。確率が高い原因はこれこれで…と言っても患者が正確に理解するかは難しく(より専門の教育を受けた質問者でさえ悩んでいるのです),誤解の元になりかねません。

どうしても解析したいのなら,医師と連携して上記をそれぞれの患者で調べます。一通り調べた個々の例でなら,この因子の影響が大きい,と言うことは不可能ではないでしょう。そういう検査をしないで考える場合,漢方医学的な考え方になると思います。

いち薬剤師さん

ご返事ありがとうございます。やはり説明するのはむずかしいのですね。何か患者さんが納得できるような説明があればと思っていたのですが・・・。

通行人さん

上の血圧:血管が硬くなっているため(動脈硬化)、下の血圧:血の量が多くなっているため(腎臓が疲れている)と答えてはどうでしょうか?

FUPさん

肥満傾向の方は最大血圧は正常で、最小血圧が高く、減量が大切、と聞いたことがあります。下の血圧は下がりにくいっていうのもどこかで聞きました。動脈硬化の起こっている場所とかは関係ありませんか?

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