Q

シック デイ

2ヶ月前にSPIDDMの診断を受けた私の息子(10歳)のことでお伺いします。
まだ血糖値がそれほど乱れていないので、
現在ベイスンの内服のみで維持しています。

4−5日前からシックデイらしく微熱(37.0℃)が続き、
食後2時間の血糖値が400mg/dl近くまであがります。
尿糖は+++〜++++。
尿ケトンは-です。
本人は元気で、食欲もあります。

今日いつもの病院(小児科)へ行きインシュリンの治療を希望しました。
担当医は「尿ケトンが++以上、あるいは血糖値が500mg/dlを越えたら治療を始める」と言われました。

インシュリンを使用していれば量を加減するところでしょうが、
それもできません。
このまま膵臓の機能が落ちてしまうのではないかと
親としてただただ不安です。
このまま様子を見ていて本当に良いのでしょうか?
膵臓の機能をなるべく温存したいのです。

宜しくお願いします。

質問者:心配性 さん

秋山 森之進 先生
一般内科

秋山 森之進 先生

「2ヶ月前にSPIDDMの診断を受けた」そうですが,たった2ヶ月でかなり勉強されたようですね。

血糖上昇が続くと糖毒性からインスリンの効果が低下→インスリンを作る細胞が過労状態となり疲弊→過労状態になると自己免疫反応が活性化→もともとの疲弊に免疫性破壊が加わりインスリン分泌細胞がさらに減少,が最も考えられている流れです。適切なインスリン注射は,この悪循環を断ち切ることが期待されており,色々な実験で実際にその効果が確認されています。

「まだ血糖値がそれほど乱れていない」時期のSPIDDMですと,早くからインスリン治療を開始した方が,自前のインスリン分泌能力がよりよく保存できる,とされていますね。シックデイに限らず早く注射を導入した方が…と考える専門の医師が多いでしょう。

「尿ケトンが++…」というのは糖代謝が破綻してからインスリンを始める作戦のようです。ネズミの実験では,インスリン分泌細胞を8−9割破壊して初めて血糖が上がります。つまり血糖が上がり始めた時点ですでに少なくとも8割の細胞が機能不全に陥っているわけで,代謝が破綻した時には壊滅状態ということです。

基本的には超速効型インスリンを食直前3回注射するのですが,お母さんが毎日学校に行って注射はできませんから,10歳のお子さんに自己注射を練習させる必要があります。そして成長期に合わせてカロリーが不足しないよう栄養管理も(制限でなく管理)しっかりするのですが,10歳ですと内科の対応は難しいですね。小児科の内分泌代謝専門の医師は非常に少なく,都心部ならともかく地方では代わりの医師を見つけるのは厳しいかもしれません。

心配性さん

秋山 森之進先生、
お返事ありがとうございます。

現在の状態は食前100mg/dl前後になることも多くなってきました。
それでも食後は200mg/dl前後まで上昇します。
糖毒性は少しずつ解除されつつあるように感じています。

担当医の考えがそのようなのでなかなかインシュリンの導入ができません。
今後も意思を伝え続けていきます。
近くでは入院可能な小児科が少なく、転院もできずに困って
います。
いろいろ当たってみます。

超速効型インシュリンの場合、
夕食時のみの注射でもある程度効果がでるものなのでしょうか?
長男は学校以外なら注射しても良いと言っています。

秋山 森之進 先生

>超速効型インシュリンの場合,夕食時のみの注射でもある程度効果がでるものなのでしょうか?

理屈上は1日に1回も注射しないより,1回でもした方が良いような気もしますね。しかしこれに関してヨーロッパでの結果ですが,自己免疫型糖尿病患者の発症阻止を目指した臨床研究が数年前に行われています。1日に1回だけ速効型インスリンを少量注射し,糖尿病発症が阻止できるか調べたのですが,残念ながら効果は見られませんでした。注射が1日1回だけで,他の時間帯の食後高血糖を抑え切れていないこと,注射の期間が短かったことなどが失敗の原因と考えられています。やはり食後血糖は総て抑え切る,のが理想でしょう。

アメリカでは吸入型インスリンの発売が間近ですが,これですと注射はしないで済みます。ですが学童期の心理は,注射そのものを嫌うよりも,友達と違うことをしているのを見られたくない・知られたくない,と思うことが多いようです。本人に精神的負担を掛けずに説得・理解させるだけでなく,担当の先生・級友の理解と協力も必要になってくるでしょう。

心配性さん

とても貴重な情報ありがとうございます。
勉強になりました。
本人と話し合い、今後の動向を見て対応していきます。

長男は
「吸入型インスリンが出るまで頑張る」と言っています。
とにかく早く日本でも発売になって欲しいと願っています。

hero2005 先生

インスリンを打ちながら、フルマラソンやウルトラマラソンを走っています。結局のところ、糖尿病はコントロールする病気です。糖尿病と診断されるより、そしてインスリンを注射する前よりもフルマラソンの記録は短縮しています。

「走る糖尿病の医師」として助言できることは、「一病息災」、病気になったからこそ健康になれるをモットーに生きてゆきたいと思ってます。

心配性さん

hero2005先生、ありがとうございます。
勇気を頂きました。

もうしばらくは親がサポートするようですが、
その後は本人にバトンタッチします。
それまでの短い間、良く回りを見ながら
出来る限り適切な対応をしていきたいと考えています。

まずはプラスマイナスゼロを目標にやっていきます。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

嘔吐、下痢が止まらず食物を摂取できないときや、高熱が続いて尿ケトンが強陽性、血糖値が350以上の場合は早急な入院加療が必要です。十分な水分の補給で脱水を防ぐことが大切です。また、血糖を3〜4時間おきに測定し、血糖が200を超える場合はそのつど速効型または超速効型インスリン2〜4単位を使用するという治療を行なうこともあります。もう少し血糖を安定させたほうがいいと思います。もう一度相談してみてください。

心配性さん

いち内科医様、
お返事ありがとうございます。

過去にも何度かインスリンの治療を打診したのですが、
「こういう場合には使用しない」との返事でした。
正直言ってどこまで信用して良いのかわかりません。
幸い本人は元気なので、今晩血糖が下がるのに期待します。

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