Q

甲状腺ホルモン増加の薬 − 妊娠中

オーストラリアに在住です。 出産後に甲状腺ホルモンの異常をきたし、一度低下になったのですが、今は増加です。 甲状腺のスキャンを取ったところ、”グレープディジース”と言われ、薬を飲んでいます。 初めに試した薬は体に合わなかったので、次に処方されたものは”Neo-Mercazole" というものです。 甲状腺の専門医はこれは妊娠していても大丈夫だといいますが、説明書きを読むと、妊娠中は服用しないようにと書いてあります。 二人目の子供を計画中です。今年42歳になり、直ぐにでも妊娠希望です。 このネオーメルカゾールを言う薬は、妊娠中、または妊娠を希望している私にとって良くないでしょうか? ちなみに前の薬は体が痒くなったので使いたくないです。 ご連絡お待ちしております。

質問者:エドワーズ アキコ さん

赤ひげ 先生
一般内科

赤ひげ 先生

いろんな先生から意見がでていますが、少しアキコさんの病態を整理してみたいと思います。
(1)Graves’diseaseか?
以前産後に一過性の機能低下起こしていますね。このような場合はベースに慢性甲状腺炎(Hashimoto's disease)
を持っていることが多いようです。今回の機能亢進状態はGraves'diseaseというよりも慢性甲状腺炎で機能亢進状況になっているように感じられました。甲状腺のスキャンで甲状腺への放射性ヨードの取り込みが亢進していたので、 Grave's diseaseと診断されたのかもしれません。 Hashimoto病でToxicosis(ホルモン過剰症)おこすことも頻度は少ないけどあります。どなたかの先生が書いていましたが、甲状腺の刺激抗体(TSHレセプター抗体)が陽性であればGrave's disease の可能性高いと思いますが。
Hashimoto病でホルモン過剰症状起こしているのであれば、Graves' disease の時に比し抗甲状腺剤でホルモンのレベルが低下しやすいと思います。ただしこの両疾患は中々明確に区別しがたい場合があります。
検査で炎症の所見があったとのコメントがあったと思いますが、このあたりは慢性甲状腺炎がベースにあるような感じを受けました。
長くなりますので次のポイントは別に記載させていただきます。

赤ひげ 先生
一般内科

赤ひげ 先生

(3)妊娠中の抗甲状腺剤の服用について
基本的な考え方はコメントその(2)に記載させていただきましたが、ネオーメルカゾールと体内では同じ物質になるメルカゾールでは、日本国内の薬の添付文書では以下のようになっています。
主なところだけを抜粋します。「妊婦、産婦、授乳婦への投与」(a)妊娠中の投与に関する安全性は確立していないが、胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こす可能性がある。(b)妊婦または妊娠している可能性のある婦人にやむをえず投与する場合には、定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持するよう投与量を調節する。
以上、やはり定期的な検査で甲状腺機能を適切なレベルに保ち、投与量も少量(メルカゾールデあれば5〜10mg/日)ぐらいになってからの妊娠ということであれば一般の妊娠と安全性はあまりかわらないというところでしょうか?
ただし、薬が少量で甲状腺機能が安定していても、妊娠することで甲状腺機能が変化してくることがありますし、高齢出産ですので、母体への負担も少し強くなります。くれぐれも内科・産婦人科医で甲状腺疾患の治療の経験豊富な病院での治療をお勧めします。
長くなりましたので3つのメールに分けて記載させていただきました。
アキコさんの希望がかなって、うまくいきますようお祈りいたしております。私の娘もアキコ(亜希子)です。

エドワーズ アキコさん

いろんな情報があり、どんどん悲観的になるのをやめようと努力していた時に、適切なアドバイスをくださり、感謝します。実は、出産3ヶ月後低下したのでオロキシン50mgを朝1錠半年以上飲んでいました。風邪で受けた血液検査で、今度は増加していることがわかり、でもごくわずかの増加だったので、専門医は、”蓄積された熱を放っているから一時増加するのかもしれない”といわれしばらく様子を見ていました。薬もまったくのまずにいてもどんどんと数値が普通に近くなっていきました。そのころ妊娠しましたが、8週目で流産。袋はありましたが、胎児がまったく見えてませんでした。 −つづくー

エドワーズ アキコさん

通常妊娠すると甲状腺も一気に増加する傾向にあるのに、私の場合は普通の数値になりかけたので、専門医もこれはほっておくと自然にもとにもどるかも知れないと言っていました。ですが、流産したので放射線のスキャンをとることになり、検査した結果、甲状腺から熱が見えるとのことでした。それで初めの薬プロピルチウラシル50mgを朝と夜1錠づつ服用したのですが、2週間目くらいに体が痒くなり、今のネオメルカゾール5mgになりました。朝3錠です。2週間まえ(薬を変えるとき)血液検査をしたのですが、まだすこしだけ増加しているとのことです。抗体は低いそうです。はっきりした数値は専門医が持っているのでわかりません。

エドワーズ アキコさん

専門医も、この経過をみて理解に苦しむといっていました。 私の家族に甲状腺に異常のある人はいません。産後になった一過性のものだと思っていたのですが。違いました。 息子に弟か妹を作ってあげたくて、この歳でも妊娠しようと思いました。今すぐほしいと思いましたが、あと2.3ヶ月待って落ち着いてから再度トライしたほうがいいかも知れません。2種類の薬はどちらもそんなに違いがないようにお聞きしました。薬を一日1または2錠になるまで待ちます。 なんか、先がすこし明るくなったような気もします。長い文章になってしまい、すみません。本当にありがとうございました。

hero2005 先生
全科

hero2005 先生

甲状腺機能亢進症のかたでは、うまくコントロールされていないと、自然流産の確率がたかくなります。また、甲状腺クリーゼという危険な状態になることがあります。ですから、妊娠前に、そして妊娠中も、甲状腺機能を正常にしておくことが肝心です。

メルカゾールは胎盤を通過して、胎児に甲状腺腫をおこすことがあるため、妊娠中は必要最低用量の使用にとどめることが推奨されています。薬剤使用者での先天奇形の出生の報告がありますが、頭皮欠損症との関連については、因果関係が全くないとはいえないが、あったとしても関連性は低いとされています。

一方、グレーヴス病(甲状腺機能亢進症)が悪化した妊婦への薬剤投与により、胎児性甲状腺中毒症に起因する胎児性頻拍症が軽快したとの報告もあります。甲状腺機能亢進症の状態であること自体が、胎児にとっては有害な状態であり、治療はやはり必要です。

このようなことより、妊娠しているかたへの治療は、胎盤通過性がメルカゾールより低いプロピルチオウラシル(propylthiouracil)が第一選択薬とされています。「初めに試した薬は体に合わなかった」のがこれだったのでしょうか?もう一度、ご確認ください。

メルカゾール使用にあたっては、必要最低限の使用にするように、甲状腺ホルモンや薬剤の血中濃度を測定して必要最低限にするべきとの報告がなされています。

エドワーズ アキコさん

ご回答ありがとうございます。

必要最低限とはどれくらいでしょう?血中濃度を調べる必要があるのでしょうか?

先生のご意見で、こういう状態で妊娠はできたら諦めたほうがいいと思われますか? 健康な赤ちゃんを持つのは、なんだか無理のような気がします。

hero2005 先生

甲状腺機能が、正常範囲内「euthyroid」といいますが、正常範囲内にないと亢進状態でも低下状態でも、妊娠には不利です。必要充分な最低量の薬剤投与にするには、血中濃度を測定したほうが、薬の量は決定しやすいといえるでしょう。

薬による先天的障害・奇形については、可能性はあるが、そう大きくない。また、新生児の甲状腺機能の異常や腫大は致命的なものではなく、回復・対応可能なものであるともいえます。これらの結果をどう考えるかいうことです。おかかりの先生が「大丈夫」といわれたのは、このことかもしれません。

最終的には、現在の健康状態、各種検査データの解析と判断、治療法の見直し、そして、どこまでのリスクを覚悟するかです。自然発生的な先天異常(外表の異常)は100人に1〜3人があり、また、生命維持に問題を生じるような重度なものは1000人に妊娠には2〜3人とされています。。

先天奇形の確率がゼロとは、すべての妊婦さんでいえないことです。健康なかたでも、多少のリスクはつきものです。そのリスクがどれだけ増加するか、それを冷静に判断することも重要です。無理と思い出すと世の中のすべての女性が妊娠できなくなります。

エドワーズ アキコさん

ご意見ありがとうございます。すこし前向きに考えることができる気がします。専門医には5週間に一度会います。そのときの血液検査をもとに相談してみます。考えてみれば、私の年齢はもうすでに染色体異常の赤ちゃんが生まれてくる可能性が大きいですね。おっしゃるようにリスクはもうあります。生まれた赤ちゃんが治療しだいで回復するものであれば、そう悲観的に考えなくてもいい気がします。主治医、夫ともに相談し、決断をします。本当にありがとうございます。

tora 先生
一般内科

tora 先生

分娩後甲状腺機能異常症候群としては、低下後増加は少し一般的な経過とは異なった印象を受けますが、出産後甲状腺炎の場合と出産後Graves'病との鑑別がまずしっかりなされたかという点も大事だとは思います。TSHレセプター抗体はどうでしたか?

かゆくなったというお薬はプロピオチオウラシル(PTU)という薬品でしょうか?一般的には、これは現在のお薬・・・おそらくメチマゾール(MMI)より、胎盤への移行が少なく、それらの方から使用されたのでしょうね。ただ、妊娠に関しては胎児の甲状腺機能抑制作用には大差がない事が報告されていると思います。催奇形性についてはやはり心配があるので、手術療法も選択肢として出てくるかもしれません。もちろん手術には合併症もありますので、主治医とよく相談されて選択されるべきと思います。
あと、母乳への移行は圧倒的にPTUの方が少ないため、授乳中はPTUを使用する事が一般的で、MMIの際には授乳を止める事も考えねばなりません。

エドワーズ アキコさん

専門医もどうして低下してから増加したのか、しかもGraves'病になったのか理解できないそうです。でも、放射線スキャンをした結果、甲状腺に炎症がみえたということです。TSHはかなり低いです。
前に服用していた薬はプロピオチウラシルです。残念ながら、夜になると皮膚の柔らかいところがかゆくなるのでやめました。
一番心配のないのは、手術をしてきってしまうことかもしれませんね。低下したときに服用していたオロキシンという薬は妊娠にまったく無害だと聞きます。でも、できれば手術はやはり避けたいです。難しい選択です。主治医や夫と相談します。 ご意見本当にありがとうございます

RB26さん

日本の薬剤師です。
各先生が基本的なことをおっしゃっていますので、薬の話だけです。

お飲みになっているネオメルカゾールは、服用後代謝され、ほぼ全てが日本で使われているメルカゾールになります。2者は厳密には違う成分ですが、体に入ってから同じ成分になるということになります。

メルカゾールの妊娠・授乳に対するコメントはすでに書かれている通りなので、ネオメルカゾールについても普通はそれに準じた解釈をするはずです。
にもかかわらず担当の先生が「大丈夫」というには、単純に誤っているだけではなく、例えばあなたの代謝酵素の性能の程度(どのくらい体内でネオメルカゾール→メルカゾールとなるか?)ということも加味した解釈の可能性もゼロではありません。他の要因もあるかも知れません。

今一度ご確認することをお勧めいたします。

エドワーズ アキコさん

妊娠したら、服用は止めたほうが良いかもしれません。
専門医に相談します。

hero2005 先生

妊娠したとき総合的にみて、甲状腺機能亢進症が本当にあるならば、薬をやめるのは危険な行為です。

甲状腺機能亢進症があるならば、薬を飲む危険性と飲まない危険性を比較すると、母体の生命にとっても胎児の生命にとっても飲んだほうが危険は少ないです。

ただし、服用すれば、胎児の外表奇形と甲状腺機能の異常の可能性は増す可能性があります。

エドワーズ アキコさん

ネオメルカゾールが体内でメルカゾールになるのですか、知りませんでした。 私はメルカゾールもネオメルカゾールも同じだと思っていました。この薬の説明書きにはやはり妊娠中には服用はやめることと書いてあります。どうして’大丈夫’なのか、専門医に確認します。
ご回答ありがとうございました。

赤ひげ 先生
一般内科

赤ひげ 先生

(2)妊娠中の抗甲状腺剤の服用について
基本的には甲状腺機能亢進症の患者さんの妊娠は一般的には、計画妊娠で普通は甲状腺機能が安定してからの妊娠が薦められます。
ただしアキコさんのように年齢を考えて治療中にもかかわらず妊娠を希望するような場合は、甲状腺機能が正常範囲に入り、薬が少量になった頃であれば、基本的には一般の妊娠と奇形の発生率や流早産の頻度は変わらないと言われています。
薬の副作用を怖がって、必要であるのに薬を中止した際は、機能亢進状態の悪化とともに奇形や流早産の頻度がかなり高くなりますし、機能亢進状態が強いと妊娠そのものも成立しにくくなります。
甲状腺機能亢進状態で薬を内服中に妊娠をどうしても希望する場合は、非妊娠時よりも頻回の診察、検査が必要になります。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

日本ではメルカゾールという薬があり、それにあたると思います。この薬は妊娠中に使うと胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こす可能性があります。妊娠中に使用することもありますが、その場合定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持する必要があります。また、新生児に出生後しばらくは甲状腺機能抑制が、その後は甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので観察が必要とされています。さらに妊娠中の投与で新生児に頭皮皮膚欠損がおこったとの報告もあり使用には注意が必要でしょう。もちろん授乳中も使用を避けることがいいとされています。ただ、妊娠中毒症や甲状腺クリーゼの予防のために必要な場合には使用しますので主治医の先生とよく相談して使用してください。

いち内科医 先生

重複しましたが、二番目を参照ください。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

日本ではメルカゾールという薬があり、それにあたると思います。この薬は妊娠中に使うと胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こす可能性があります。妊娠中に使用することもありますが、その場合定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持する必要があります。また、新生児に出生後しばらくは甲状腺機能抑制が、その後は甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので観察が必要とされています。さらに妊娠中の投与で新生児に頭皮皮膚欠損がおこったとの報告もあり使用には注意が必要でしょう。もちろん授乳中も使用を避けることがいいとされています。

今すぐ医師に
質問することができます!

Q回答している人は誰ですか?
5,800人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。

このQ&Aの登録カテゴリ

注目の検索ワード

無料で見られるQ&A

同類のキーワード

今すぐ医師に
質問できます

Q回答している人は誰ですか?
5,800人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。