Q

心筋梗塞から7年経過

7年前に、急性心筋梗塞で入院し、ステントウを左冠状動脈前下降枝に一個入れ、40日で退院しました。以来、28日に一回病院に通い状態を見てもらっていますが、ずっと同じ薬を飲みつづけています。予後は非常に良く、検査状では異常は全くありません。このまま病院に通い続けなければいけないのか、又、ステントウが何か後遺症を起こす可能性があるのでしょうか?

質問者:春原 さん

血管心臓医 先生
循環器内科

血管心臓医 先生

まず病気の基本から。まず心筋梗塞は何も原因がない人には起こりにくい、ということを認識してください。

高血圧、コレステロール、糖尿病、尿酸、遺伝、肥満、喫煙、高齢などが再発の危険因子です。これらがコントロールされているかどうかが今後の治療を決めます。全く冠動脈危険因子のない人はゼロではなくても多くありません。たいてい何か生活習慣で悪い要素をお持ちです。ですから、これらが病院に頼らなくても良い状態になっている(例えば血圧やコレステロールの薬がいらない状態、タバコを止めたなど)が、病院に通い続ける必要があるかどうか、を決める一つのポイントです。

冠動脈の前下行枝以外に問題がなく、心筋梗塞(心筋の壊死に陥った程度)が軽く日常生活に全く問題がなければ、それに対する治療は不要です。春原さんはこれに相当するようですね。先程述べた危険因子がコントロールされており、冠動脈一本だけの問題で心筋梗塞になり、その後問題が起きていない方の予後(今後、命に関わる心臓病になる確率)は非常に良好です。(ちなみに、予後というのは今後の見込みを言います。春原さんの場合は予後が良く、ではなく正確に言うと、経過が良く、です)

ステントは、1ヶ月ほどするとその表面を内皮細胞といって血管の内張をする細胞が包み込み血管内にめり込む形になり、血液と接触しなくなるので無害になります。その後数ヶ月でその部位の反応は無くなります(やけどの跡が何時までも水ぶくれになったり痛んだりしないように)。このステントに対する反応が再狭窄の原因となります。従って、ステント留置後約半年で再狭窄がなければ、血管のその部分は正常血管とほぼ同じになります。それ以降の後遺症は現在知られている限り全くありません。抗血小板剤(アスピリン剤など)をステント留置後、半年以上服用し続けるのは、ステントとは無関係で、冠動脈に新たな動脈硬化による狭窄を生じることを多少なりとも予防する事を目的としています。医学の統計は、動脈硬化を起こしやすい人も危険因子を改善した人もひっくるめて平均化して話をするので、一般論としては一旦心筋梗塞を起こすと一生薬を飲みなさい、と指導することになるのです。ただ、これは個々の人に当てはまるわけではありません。

話が複雑になるので、この辺で私見をまとめましょう。
最初に述べた危険因子がコントロールされていて、心機能に大きな問題がなく、運動負荷試験で問題がなければ、もしかすると私なら薬をすべて中止し、半年に一回危険因子や心血管のチェックを血液検査などで受ける、1年に一回運動負荷試験(ベルトの上を早足で歩き、心電図・血圧・脈拍をチェックする検査)を受ける、だけにするかもしれません。これだけして防げない新たな心血管病は、ありきたりの薬剤を服用し続けても防げない可能性が高いから治療そのものの有効性が治療しない場合と同じになるからです。ただ、あなたがわずかでも(誤差範囲でも)心血管病になる可能性を低くしたいなら、担当医の勧めに従って服薬を続け1ヶ月ごとの診察を受けることをお勧めします。
また、あなたが冠動脈疾患の危険因子を一つでも持っておられて改善していないとしたら、どうせ病気になりますから覚悟して、病院に行くのを止める、そういった選択肢もありです(冗談です、生活習慣の改善を努力してください、そして担当医の指導に従ってください)。

春原さん

詳しい説明ありがとうございます。
危険因子が一つでもある以上、しっかりとした自己管理が必要なんですね。これからも、注意していきます。

へたれ循環器専門医 先生
循環器内科

へたれ循環器専門医 先生

左冠状動脈前下降枝の急性心筋梗塞で40日入院は長い。かなり広範囲に心筋が傷害され、心機能が低下していたか、合併症がなければ40日は長い。症状が無いことと、問題が無いのは別問題です。心筋梗塞は「必ず」心機能の低下を伴います。糖尿病や高脂血症などはお持ちでは有りませんか?書き込みを読むと、今の状態をきちんと把握されているかやや、不安です。主治医にもう一度確認を。私は、心筋梗塞への投薬は半年もたてば(薬剤溶出性ステント以外は)アスピリンだけです。ただし、これは一生続けます。従って、退院時と同じ薬が必要かはともかく、病院には通い続けなければいけません。あとは、定期的に負荷心電図をとりますかね。心カテはそれらに異常がなければやりません。

春原さん

ありがとうございます。ご指摘の通り、高脂血症と糖尿病からは目が離せません。気を許すと数値が上がります。二ヶ月に一回の血液検査で警告が出ると、次回には適正範囲に入っている状況で経過しています。心配しているのは、出血しやすい体のまま生活していると、別な後遺症が出てこないかと言う事です。因みに、退院後、ひどい歯周病に悩まされ、疲れると下肢に点状出血が出てきます。日光湿疹にも悩まされてます。いずれにしても、生活習慣病予備軍として、日々の生活には注意していきます。

へたれ循環器専門医 先生

高脂血症と糖尿病の管理が重点項目と思われます。確かにアスピリンは出血性疾患の頻度を増加させますが、おこるかどうかわからん脳出血の心配をするより、遥かに起る可能性の高い心筋梗塞の再発を防止する方が利益が大きい、という理由で継続投与します。歯周病はどっちかというと薬の所為では無く糖尿病のためではないでしょうか?主治医とよく相談してみて下さい。

春原さん

ありがとうございます。高脂血症の薬は飲んでます。数値的には、上限の境目にいます。食事と運動のコントロールをしている所ですが、善玉のコレステロールが20そこそこで増えてくれません。それで、動脈硬化指数は高くなってます。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

ステントは血管の補強をしている金属の網目の筒です。多くはバイアスピリンという抗凝固薬を永久に飲み続けます。これで、ステントの中に血栓がこびりつくのを防ぐようなイメージです。(アスピリンは血液を固まらせるはたらきのある血小板をブロックします)同じ薬がどういったものかにもよりますが、病院に通う必要はありますし、定期的に心臓カテーテル検査を行ってステントの流れ、しいては右冠動脈や左冠動脈回旋枝など他の枝の流れも注意していく必要があります。ステントの後遺症はほとんどないでしょう。また、新しいステントのほとんどがMRIにも対応し、MRI検査を受けられるようにつくられています。

春原さん

大変参考になりました。ありがとうございます。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

いい忘れましたが、ステントの部分が再度狭窄(せまくなる)ことはしばしばみられます。また、ステントの中に血栓がこびりつくこともあります。そういった場合には再度、バルーン治療などのカテーテル治療が行われることになります。こういったものも、広い意味でステントの後遺症と呼べるかもしれませんね。

今すぐ医師に
質問することができます!

Q回答している人は誰ですか?
5,700人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。

このQ&Aの登録カテゴリ

注目の検索ワード

無料で見られるQ&A

同類のキーワード

今すぐ医師に
質問できます

Q回答している人は誰ですか?
5,700人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。