Q

甲状腺がんについて

主人が健康診断にて「甲状腺エコーにて異常あり」との指摘を受け、先日耳鼻科にて精密検査を受けてきました。
そちらでも再度エコー検査を行い、しこりのようなものが確認された為、血液検査を行ったそうです。
この場合、甲状腺がんの中でも、髄様せい癌(?)の可能性が高いのでしょうか?

質問者:悩める妻 さん

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

乳頭癌は最も多く、全甲状腺癌の60〜70%を占めます。乳頭癌は女性で男性の約2〜3倍多くみられます。この癌は若年者により多く発症しますが、高齢者では急速に増殖し広がります。乳児期や幼児期に良性の疾患に対して頸部の放射線療法を受けた人、成人して別の癌のために頸部に放射線療法を受けた人は、乳頭癌のリスクがより大きくなります。
乳頭癌は甲状腺内で増殖しますが、ときには近くのリンパ節に広がります(転移)。治療しなければ、乳頭癌はさらに遠くに転移します。
乳頭癌はほとんどが治ります。結節が2センチメートル未満なら周囲の甲状腺組織とともにただちに取り除きますが、この大きさでも甲状腺を全摘出することを勧める専門医もいます。大きな結節の場合は甲状腺の大部分あるいは全部を切除します。残りの甲状腺組織や癌を破壊するために放射性ヨードが投与されます。また残りの甲状腺組織の増殖を抑えるために、大量の甲状腺ホルモンが投与されます。
ろ胞状癌は甲状腺癌全体の約15%で、高齢者に多くみられます。ろ胞状癌も男性より女性に多く発症します。
ろ胞状癌は乳頭癌より侵襲的(悪性度が高い)で、血流に乗って全身の各所に広がる(転移する)傾向があります。ろ胞状癌の治療は外科的に甲状腺を可能な限り切除し、転移があればそれも含めて残存する甲状腺組織を放射性ヨードで破壊します。ろ胞状癌は治ることもありますが、乳頭癌よりも治癒率は低くなります。
未分化癌は甲状腺癌全体の5%以下で、高齢の女性に多くみられます。この癌は非常に増殖が速く、首に大きなこぶができます。また、全身に転移する傾向があります。
未分化癌の人の約80%は、治療しても1年以内に死亡します。しかし、手術の前後に化学療法と放射線療法を行うことで治る人もいます。放射性ヨードはこのタイプの癌には有効ではありません。
髄様癌は甲状腺で発生しますが、甲状腺ホルモンを産生するタイプの癌とは異なります。この癌の起源は、甲状腺の至るところに分布し、カルシトニンというホルモンを分泌するC細胞です。この癌はカルシトニンを過剰に産生し、さらに他のホルモンも産生するため、異常な症状を引き起こします。
この癌はリンパ管を通りリンパ節へ、血液を介して肝臓、肺、骨に広がる(転移)傾向があります。髄様癌は多発性内分泌腫瘍症候群と呼ばれる他のタイプの内分泌癌を併発することがあります。
治療は外科的に甲状腺を切除します。リンパ節への転移を判断するために、追加手術が必要なこともあります。甲状腺髄様癌が多発性内分泌腫瘍症候群の一部である場合、3分の2以上が治ります。甲状腺髄様癌が単独で起きた場合、生存の可能性はそれほど高くありません

悩める妻さん

詳しく説明していただいて、ありがとうございました。
一口に甲状腺癌といっても、いろんなタイプがあることがよく分かりました。検査の結果がでるのは、この金曜日なので、またご報告させていただきます。

和歌山の医師 一般内科 先生
腫瘍科

和歌山の医師 一般内科 先生

髄様がんの場合血液中のカルシトニンやCEAなどの腫瘍マーカーが上昇するためがんの診断が可能になります。カルシトニンは甲状腺から分泌されるペプチドホルモンで(基準値15〜86pg/ml以下 )、血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。とこどで、髄様がんは甲状腺がんの1〜2%程度の稀ながんで半数近くが遺伝的体質によるもの(MEN)ですので、一般に予後の良い甲状腺がん(90%は乳頭がんなので)のなかでは怖いタイプの組織型には違いないですが、頻度は極めて低いので過剰に心配なされずともよろしいのではないでしょうか。

悩める妻さん

ご回答、ありがとうございました。
よろしければ、再度質問させていただきたいのですが、
「血液検査」は髄様癌に特化して行われるものではなく、一般的な検査ということでしょうか?

悩める妻さん

再度質問させてください。
今回血液検査のみを行ったのですが、
もし、結果が異常なしだったとして、
細胞診の必要はないのでしょうか?
ちなみにしこりの大きさは2〜3mmとのことです。

和歌山の医師 一般内科 先生

血液検査で異常なければ、2〜3mmの大きさであれば、エコー所見にて石灰化像や腫瘍血流(腫瘍に向かう血管の有無)などを参考に明らかな異常所見が指摘されなければ針生検などは行わずに経過観察(3ヶ月ー6ヶ月)を行うのではないでしょうか。また、念のため血液検査の項目(血液検査の際に甲状腺機能検査やカルシトニンなどの検査を行ったのかどうか)も念のため確かめておく必要はあると思います。

悩める妻さん

お忙しい中、再度お答えを寄せていただき、
ありがとうございました。
今は結果を待つしかないので、
あまり深く考え込まないようにしようと思います。

関連サイト

乳癌の症状や治療の不安を解決する
乳がん専門サイト

今すぐ医師に
質問することができます!

Q回答している人は誰ですか?
5,700人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。

このQ&Aの登録カテゴリ

注目の検索ワード

無料で見られるQ&A

同類のキーワード

今すぐ医師に
質問できます

Q回答している人は誰ですか?
5,700人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。