Q

『血液ガス分析検査』の検査値の解釈について

『血液ガス分析検査』というと、一般的には『動脈の血液ガス』のことを指すのだと思いますが、
『静脈血の血液ガス分析』の検査値の解釈について、教えて下さい。(特に、末梢静脈血液ガスについて)
あと、『経皮(耳朶血)の血液ガス分析』の検査値の解釈についても教えて頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

質問者:MINAMI@喘息患者 さん

和歌山の医師 一般内科 先生
腫瘍科

和歌山の医師 一般内科 先生

血液学分析は動脈採血のデータの意義が大きいのはいうまでもありあせんが、動脈血と静脈血との間の差がないのは酸塩基平衡です。

酸塩基平衡とpHについてですが、pHは血液の酸塩基平衡の指標、正確には水素イオン( [H+] )の量を示します。そして呼吸によって調節されるPaCO2(呼吸性因子)と腎臓で調節される[HCO3—](代謝性因子)によって規定されます。生体はpHを正常に維持 するためにどちらの異常に対しても他方が代償します。BEは代謝性異常によって付加された強塩基又は強酸の量のことであり、酸塩基平衡異常の代謝性変化を表す指標の1つと して用いられます。ポイントは酸塩基平衡は正常か異常か、異常であれば原因が呼吸性か代償性かその両方(混合性)か、また急性か慢性(代償状態)か判断しなくてはいけない ことになります。従って、BEの経過が見たい場合などには簡便に行える静脈採血で代用できます。

MINAMI@喘息患者さん

和歌山の医師さま、早々の御回答ありがとうございました。
簡潔丁寧な説明で、とても理解し易かったです。

私は、慢性呼吸不全の状態が続いてHOT導入しましたが、現在は準呼吸不全状態(PaO2:60torr前後〜60torr台)にあります。
末梢静脈血液ガスの酸素分圧(PvO2)は70〜80torr後半あります。(基準値は、20〜30torr と説明を受けています。)
でも、これは間違って動脈採血をした訳ではありません。
点滴の穿刺時に他の採血(末血・生化etc.)と同時に採血していますが、シリンジは手動で引かなければならない状態ですから。

動脈血の酸素分圧も高いのであれば、主治医の「組織で酸素を上手く使えない状態」という説明もなんとなく納得もいくのですが、動脈血と末梢静脈血で酸素分圧が逆転してしまっているのが、どうしてそうなるのか? 理解できません。

血液ガス分析の参考書を探してみたものの、ほとんどは動脈血液ガスに関するものばかりでした。 唯一、海外の翻訳本に“混合静脈血液ガス”の解説がありましたが、“末梢静脈血液ガス”に関する参考書は(現時点では)探すことが出来ずにおります。

もし、末梢静脈血液ガスについて解釈の仕方を御存知でしたら、また御教示下さいますようお願い致します。

血管心臓医 先生

(重複質問で回答まで削除されたようなので再返信です)

人間は、肺以外では血液に酸素を供給できないので、動脈血より静脈血で酸素分圧が高くなることはありません。健康な人の平均的な静脈血酸素分圧は 40 Torr 程度ですが、動脈血酸素分圧が低ければ、それに応じて静脈血酸素分圧は低くなります。SaO2 60で SvO2 80 ということはあり得ません。考えられる原因などは後述します。

末梢血静脈ガスは、体の場所により酸素消費量が異なり採血場所が異なれば結果が変わる可能性があります。つまり末梢の静脈で血液ガスを調べても、病気を評価する役に立たないので教科書にも解説がないのです。

静脈血酸素分圧は、低酸素血症の悪化、全身状態(特に腎不全、肝不全)、心不全やショックなどの循環不全の評価に役立ちます。これも「全身状態」の把握のため、採血場所による違いの影響をなくすため混合静脈血(肺動脈の血液ガス)をモニターします。集中治療室などで心臓手術後、移植手術後などがその代表です。いずれにしても末梢静脈の酸素分圧を参考にすることはありません。

ご質問の、静脈血酸素分圧が高くでる場合、採血と検査の手順が不正確な場合(空気が混ざる、すぐ氷に冷やして保存しない、ガス分析装置のキャリブレーションが狂っている、抗凝固剤は適切か、座位と臥位など異なった体位で採血していないか、書かれているように動脈からの採血を静脈と間違える)、などで起こりえます。まず正しく検査されているかどうかは、動脈と静脈から同時に採血してみることで確認できます。動脈の採血時には緊張して息をこらえているが、静脈の採血では楽にしている、などという場合もあります。もし手技などが全て正しく、なお静脈血の酸素分圧が高ければ、、、すみませんがわかりません。科学的にも興味ある状態なので、その道の大家にコンサルトしてみますから、結果を教えてください。

もし酸素吸入下で PaO2 (SpO2 ではありません)が80 以上、静脈で PvCO2 が70 あるなら、動静脈シャントが考えられます。これは生理的に温浴の後や、血管の奇形でみられます。場所や時間を変えて採血すると、やはり静脈血酸素分圧はそれなりに低くでるはずです。

経皮的ガス分析については、装置、年齢、など非常に多くの分析要素がありますから、この書き込みでお返事するのは無理です。ポイントを絞っていただけると良いでしょう。

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