Q

介護保険制度について

家族が病気を悪化し、介護保険のお世話になることになり、痛切にこの新しい制度の有難さを実感している者です。ただ、この制度の先行きの不透明感と制度の未熟さに対し、不安をかなりもっています。
治療の最前線でご活躍されていらっしゃる先生方はどうお感じでしょうか。

僕が思う最大の問題点は、いつかはお世話になるかもしれぬ健康者に危機感が全く無く、無関心な方が多いことだと思っております。僕自身も介護の初心者ですし、これまで無関心でした。
制度が施行されてから5年で臨床の場面がどう変化したかとか、介護認定のありかたや、これまでのトラブルの具体例、先生方が感じる問題点など、いろんな角度の視線から問題点の提起をして頂ければ幸いです。

質問者:dream さん

hero2005 先生
全科

hero2005 先生

介護保険制度がはじまり、10年を経過しています。開始したときから、多くの問題点をかかえた制度ではありますが、差し迫った老人介護が医療保険では、どうにもできないという現実から、始まっています。

改定法案は、今年の7月に野党の大きな抵抗もなくすっと国会を通過しました。今回の大きな変更点は、ホテルコストと呼ばれる部分が自費になったということです。食費・住居費が保険でまかなえないので、今まで1割負担していたこれらの費用が10割の自己負担になります。食事は一日1500〜2000円のところが多いようなので、これだけで4万から5万のアップになってしまいます。部屋代は個室か多人数室かによりますが、この分がさらに上乗せです。この数字は、支払総額ではなく、あくまでも今回の負担の増額分です。

家族・本人の年間収入によって、減額はされる部分はありますし、それぞれが企業努力することによって増加分の圧縮がおこなわれています。提供されるサービスが低下させてはならないと感じております。

介護保険利用時は、医療保険が使えないということがあります。病気のかたではなく、介護が主であるというためです。本来の趣旨からみれば、正しいようですが、介護を必要とするご高齢のかたは多くの病気を持っていることも事実です。医療費は私費での全額支払いで、施設が負担(介護料金にコミで含まれている)することになっているので、これが介護施設入所をできなくしているケースもあります。

色々な問題はありますが、制度が利用者にとって有効に活用できるように実践してゆくことが大事でしょう。また、多くの他業種のかたが、医療や介護に参入されています。居酒屋チェーンみたいなところの是非はこれから、評価が定まってゆくでしょう。

dreamさん

このことについては、今度の改正は正しかったと考えています。基本的に支出を抑える必要がある(全体的なサービスの低下があってはいけないと思いますが)こと、不公平感をなくす必要がありますから。

在宅で家族の介護をしている人にとって、軽症なのに施設入所していて、なおかつ食費・住居費を保険で賄われている人がいることは不公平に感じると思います。
食費・住居費の負担軽減を目的として、本来自宅で生活できる人が施設に長期間入所していることがあってはならないと感じていました。

広島の開業医 先生
眼科

広島の開業医 先生

私も知り合いで介護保険にかなりお世話になっている方がおられますので、他人事ではないと感じています。

2つほど問題点を・・・・

ケア・マネージャーが忙しすぎる。
それにケア・マネージャーの報酬は介護老人のケア・プランをどれだけ精力的ににサポートしたかではなく、抱えている介護老人の人数と直接比例しているのみである。ただでも多忙な雑務に追われているケア・マネージャーは、頻回に介護老人の元を訪れて状況確認をしたり、助言をしたりしたくても、それを報酬という形で評価されないので、自然と足が遠のく。
最低1回/月の老人訪問が、事務上の形式的なものとなり、実際は訪問できていないこともある。

サービス担当者会議(介護者・ヘルパー・ケアマネージャー・主治医・看護婦などなど)の現場に医師が同席することは、事実上困難である。本来の業務である外来診療や病棟処置、緊急手術などを犠牲にしないと同席できない。主治医であるにも関わらず、実際のケア・プランを把握できていないことが多い。

hero2005 先生

少しでも、改善されてゆくのでしょう。

ひとりのケアマネが担当できる数の縮小、ケアマネ報酬の増額などもおこなわれます。制度の変更に対して、始まって10年の介護の現場は右往左往しているのが現状です。来年は医科の大幅改定が予定されています。

今回の介護の改訂での混乱が、また参考にされるのかもしれません。

いずれにせよ、改定、改正によって制度がよりよい形にかわって行くことが願いです。

dreamさん

御回答有難うございました
きのう、こんな記事みつけました。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20051004ik09.htm
新聞で公表される前に、貴重な情報を教えていただきびっくりしています。

広島の開業医 先生
眼科

広島の開業医 先生

昨日の記事の抜粋です。

『高齢者など長期入院患者の入院費用について、医療保険と介護保険を併用できるよう制度変更する方向で検討に入った。これに伴い、入院日数が180日を超える患者に対し、罰則的に自己負担を増額しているルールは廃止する方針。入院患者の負担軽減や医療費の削減が狙い。来年4月の診療報酬改定での実施を目指す。
通算入院日数が180日を超えると、入院料の15%が保険給付の対象外となる「180日ルール」は、退院が可能になっても入院を続ける「社会的入院」を減らすために導入された。しかし、現実には退院しても行き場所がないため、入院し続ける患者が多く、負担増に耐えられないとの批判があり、ルール廃止を含めた見直しが迫られていた。』

これにより、重症の高齢の方が救われますね。

hero2005 先生

見方はいろいろですが、高齢者の社会的な入院を医療保険でまかなえなくなったことが、介護保険の始まりのひとつの理由でもあります。

介護保険が7月に改正された直後に、また、医療保険のツケが介護保険にまわされることになり、介護保険の破綻が、さらに加速される可能性も出てきます。医療保険の矛盾を医療保険のなかでなく介護保険へ付けまわしするやりかたですと、今後、介護保険料の20歳からの徴収、大幅増額は避けられない現実となるでしょう。

とはいえ、現実にお困りの方たちをお助けするのも必要なことです。重症の疾患をもつご高齢のかたでの介護保険と医療保険の併用が、可能になれば、お助けできる方法に多くのオプションができるのでしょう。

来年は、医科の大幅改正が予定されています。自己負担のものは、ますます、増加してくると同時に、医療サービスのかなりの部分に、保険外の設定がなされることが予想されます。

介護も医療も、自分が満足するものを得るためには、保険外の自費でという時代が、混合診療も進められていくでしょう。すぐそこまで来ていることを実感しております。

hero2005 先生

病院入院中の方が、介護保険を使えるようになるのであって、介護施設で医療保険が使えるのではないと受け取っております。

介護施設の現状には、変更がないように思えます。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

現場での印象は、やはり患者さんにとって十分なサービスの提供は十分ではない、と思っています。また、ひとりの患者さんにかかわる医師をはじめとしたスタッフによって患者さんの介護度認定も多少の誤差が生じていると思います。複雑な主治医意見書と、介護認定調査委員会も人間が行っており、仕方ないのでしょうが、その誤差は大きな問題だと思います。今後、高齢化社会化がさらに加速する中で、現状ではいけないと思いつつ何もできずにいます。

広島の開業医 先生

介護に関わる手間は、その人の病気の状況や家庭環境、本人の性格も関係しますから、要支援から要介護5までの単純に6ランクに分類するのは、非常に難しい作業だと思います。

現在の区分判定方法ですが、まず、基本調査が行われ、その結果から、コンピューターによる一時判定がなされます。その1次判定結果と基本調査の項目と主治医意見書を材料として介護認定審査会が最終判定を下します。
最終的には、介護認定審査会によって判定されるわけですので、やっぱり審査員も人間ですから判定に多少のばらつきは出るでしょう。

ただし、現行の認定審査に大きな誤差はでないようになっていると思います。基本調査の項目は非常に細かく規定されていますし、コンピューターによる一時判定も初期より精度の向上が見られます。審査委員も1次判定に納得できない場合は根拠のある異議を唱えて審査をおこなっています。そして何より、現行の介護で状況変更が生じた場合、区分変更の申請が簡単に行えます。

問題は、判定の際に、客観化できない項目を勘案してはいけないとなっていることです。例えば、介護うける人間の意欲の有無や施設入所か在宅かの違い、住宅環境、家族介護者の有無など・・意外と本人の能力よりもこちらのほうが介護に影響することが多く、暗黙の了解で審査委員会がさじ加減を加えるほかないのじゃないかと思います。

dreamさん

御回答有難うございました。
まだ発展途上の制度だという認識があるお医者さんもおられるとわかり、心強いです。

dreamさん

御回答有難うございました
介護認定のやりかたについて具体的な内容をはじめて聞いた気がします。勉強になりました

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