Q

敗血症

以前父の胃ガンの術後(約1ヶ月前)について質問させて頂いたものです。その際は有り難うございました。
術後の合併症(縫合不全・無気肺・肺炎・膿胸)により、40度近い高熱が続き、苦しそうにこ呼吸しています。治療のため、体のあちこちに管をいれたり、点滴したりしていますが、今回は敗血症の疑いと言うことで検査をし、結果をまっているところです。
質問ですが、敗血症の検査の種類と定義、治療法・予後等の事を教えて頂きたいのです。宜しくお願いします。

質問者:ガンなんて嫌い! さん

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

菌血症とは血液中に細菌が存在する状態をいい、敗血症とは細菌による血液の感染症をいいます。敗血症とは感染の源がどこかにあって、全身の血流に菌が乗っている状態をいいます。

歯科治療や歯磨きの際に一時的な菌血症が起こることがあります。これは、歯ぐきに常在する細菌が血流に入ってしまうからです。細菌は腸からも血流に入ることがありますが、血液が肝臓を通過するときにすみやかに取り除かれます。こういった状態に関しては、通常は心配する必要はありません。

敗血症は菌血症より発生率は低く、肺、腹部、尿路、皮膚など体のどこかにすでに感染があるときに最もよく起こります。普通、細菌は感染した部位にとどまりますが、ときに血流に広がることがあります。感染部位や、腸のように普段から細菌がいる部位への手術を行った場合に、敗血症が起こることもあります。経静脈カテーテル、尿路カテーテル、ドレナージ管、人工関節、人工心臓弁などの人工物を使用している場合も敗血症が起こりやすく、長く留置するほどリスクが高くなります。消毒していない注射針を使う麻薬常習者や、化学療法を受けているなどの理由で免疫システムがうまく機能していない人もかかりやすくなります。まれに、非細菌性の感染でも敗血症が起こります。

循環血中の細菌は、すみやかに治療しないと体内のさまざまな部位に定着し、脳を包む膜の感染症(髄膜炎)、心臓を包む膜の感染症(心外膜炎)、心臓の内側の膜の感染症(心内膜炎)、骨の感染症(骨髄炎)、関節の感染症(感染性関節炎)などを起こします。ブドウ球菌など、感染した器官に膿(うみ)のかたまり(膿瘍[のうよう])をつくる菌もあります。

人体は少数の細菌であればすぐに排除することができるので、一時的な菌血症では症状が起こることはめったにありません。ふるえ、悪寒、発熱、脱力感、錯乱、吐き気、嘔吐、下痢などの症状があるときは、敗血症を疑います。あらかじめ局所の感染症がある場合、その部位やタイプによっては他の症状が現れることもあります。

以前から何らかの感染症にかかっている人が、突然高熱を出した場合には、医師は通常敗血症を疑います。血液中の細菌を直接検出することは一般に難しいので、診断にはいくつかの血液サンプルを採取して1ー3日間の培養検査に出します。患者が抗生物質を服用している場合など、菌をうまく培養できないこともあります。尿、脳脊髄液、傷口の組織、たんなど、他の体液や分泌物の培養も行い、菌の有無を調べます。体に留置しているカテーテルを抜去し、その先端を切り取って培養に回すこともあります。

通常、手術や歯科治療で起こる菌血症は、治療の必要はありません。尿路カテーテルによる菌血症も、すぐにカテーテルを抜けば治療の必要はありません。ただし、心臓弁膜症があったり免疫力が低下しているなど、重症感染症を起こすリスクが高い人には、菌血症や敗血症を予防する目的で、手術や歯の治療をする前に抗生物質を投与します。

敗血症は大変重い病気で、死亡するリスクも高いので、診断を確定する検査結果を待たずに抗生物質ですぐに治療を始める必要があります。抗生物質による治療の開始が遅れると、助かる可能性が大幅に低下します。治療ではまず、どの細菌による感染の可能性が高いかに基づいて抗生物質を選択します。これは、感染がどの部位から始まったかによります。感染巣が不明なときは、効果を確実にするために23種類の抗生物質を組み合わせて使い、検査結果が出た時点で、感染を引き起こしている特定の菌に最もよく効く抗生物質に切り替えます。感染巣を取り除くために手術が必要になることもあります。

活性型ドロトレコジン・アルファは、重い敗血症による死亡を防ぐ効果が期待されている薬です。これは人間の体内で炎症や血液凝固を防いでいるプロテインCというタンパク質の、遺伝子組み換え製剤です。

hero2005 先生
全科

hero2005 先生

今回の場合には、手術後の感染ということになります。身体のなかで増殖した細菌や細菌が産生する毒素(エンドトキシン・エキソトキシン)などの刺激によって生体の過剰な反応により、自己の組織破壊がをひきこされて、循環障害・臓器障害の原因とつながってゆきます。進行すれば、敗血症性ショック→多臓器不全(MOF)へと危険な状態になってゆく可能性があります。

検査は、末梢血検査、赤沈(血沈)、CRP 、エンドトキシン測定、血液培養(動脈あるいは静脈血)などの血液検査をおこないます。

治療は、原因と考えられる菌が同定されるまでは広範囲の菌に有効な抗生剤を、そして、菌が同定されればその菌に有効な薬剤にきりかえます。また、体内に感染巣(膿の貯留など)がある場合には、ドレナージという管をいれて膿や浸出液を体外に出す方法や有効と判断されれば、局所の洗浄をおこないその感染巣の除去を試みます。

同時に、エンドトキシンへの対策、また栄養状態の改善、ショック対策をおこないます。敗血症によって重要な臓器の障害が起こらないようにする対策、また敗血症が進行すれば貧血や血小板減少がおこったり、DICという血液の凝固と出血の持続をいう危険な状態がおこることもあります。これらに対する総合的な対策が必要になります。

予後については、原因に対する有効な対策が可能であったかによります。原因となっている菌に対する有効な薬剤がみつかるかということと、患者様ご本人の体力によって決まってきます。

ガンなんて嫌い!さん

お返事ありがとうございました。
先生方の説明を読めば読むほど、こんなこわい事は絶対にさけなければと思うようになりました。何もできませんが・・・。
先ほど病院へ行き、担当医より「腎昨日が悪くなっているので、抗生剤の種類をへらす(今までは3種類)」とお話がありました。
MRSA,緑膿菌、あと2種類の菌に感染していますが、抗生剤を減らさなければならず、グロブリンとうい薬を3日間投与することになりました。しばらくはこのまま様子をみるしかないそうです。一時は酸素飽和濃度85、今日のCRP15、白血球13,800、腎機能悪化だそうです。
これはどのようなじょうたいですか?
見た目はとてもつらそうです。
再質問ですいません。

いち内科医 先生

まず、腎機能が悪化して抗生物質を減らすことについてです。腎臓が抗生物質を体外に排出します。腎臓のはたらきが低下すれば、抗生物質が体内にプールする時間がのびます。そこで、薬の減量が必要になります。

グロブリンとは免疫の薬で重症感染症に用いる薬です。MRSA、緑膿菌はそれぞれ単独でも強力です。油断は禁物でしょう。

酸素飽和度とは簡単に、血液がどの程度酸素で満たされているか、つまり体内の酸素はどうかという値です。通常、ありとあらゆる手段を用いて95%〜100%を維持する必要があります。つまり、病気のない人では大気を吸えば95%以上はあります。それが、85%とは、人工呼吸器や酸素投与を行っている値にしては異常に低い値、ということになります。

白血球13800、CRP15はそれぞれ炎症反応、感染にかかわり上昇する数値です。それなりの感染があることを示しています。ステロイドなどを使う場合などの例外はありますが、CRPが1をきらないと感染が安定したとはいえないことが多いです。逆に健康な人ではCRPは1未満です。

現状は、かなり複雑です。主治医の先生には、口頭での説明だけでなく、説明用紙(病院にあります)にまとめてもらって、日々説明してもらい、細かく理解することも重要です。

ガンなんて嫌い!さん

酸素飽和濃度は、酸素なしの時です。筆足らずですいません。

現状はかなり厳しいところに有るようにうけました。でも、厳しい状況でも正しく受け入れなければ、家族も正面から立ち向かえないので、教えて頂き感謝しています。父を家族で励まし合いながら、何とか乗り切ってくれるよう父を応援したいと思います。
本当に有り難うございました。

ガンなんて嫌い!さん

何度もすいません。
活性型ドロトレコジン・アルファとは、どこの病院でも取り扱っているようなくすりですか?
主治医におねがいすれば、問題なく使って頂けるような薬でしょうか?
現在入院している病院で取り扱っていなかった場合は、どのような手段で入手できますか?また、金額はどのくらいするのでしょうか?
どうか、教えて下さい。宜しくお願いします。

和歌山の医師 一般内科 先生

イーライ・リリー製のFDAで認められいるザイグリスという薬剤でしょうか.日本では承認されていないと思います.

ただ,現実的に使用するとなると,個人輸入などの手続きを得ねばなりませんし,仮に主治医にお願いして輸入してもらって使用するとなると,混合診療などの問題が生じてくる かも知れません.

和歌山の医師 一般内科 先生
腫瘍科

和歌山の医師 一般内科 先生

縫合不全・無気肺・肺炎・膿胸など生命に影響するような状況が術後に生じていますので,縫合不全,肺炎,膿胸のいずれの原因でも敗血症は生じます.

敗血症とは,細菌感染症の全身に波及したもので非常に重篤な状態であり、無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る状態です.もともとの体力低下を背景としていることが多く、治療成績は決して良好ではなく極めて重篤な状況です.

検査ですが,血液検査で判明します.血液培養で血中の細菌(真菌)の有無の検査,菌(細菌,真菌)から血中にでる毒素(サイトカイン)などにより判定します.

敗血症であっても定義上、血液中から菌が検出される必要はなく、あくまでSIRSつまり高サイトカイン血症の状態にあれば敗血症ということになります.

治療法ですが,感染に対して有効な抗生物質を投与する.DICを合併している場合には、感染に対する治療と並行して血小板輸血、ヘパリン投与などの対症療法も行います.腎不全・呼吸不全・心不全などを合併する恐れがあり、集中的な管理を必要とします.

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