Q

モルヒネについて・・・

父が胃癌で全摘手術をしました。癌が見つかった時は すでにリンパ節に転移していて、術後の抗がん剤治療も甲斐なく・・肺転移、リンパ節転移と悪化するばかり・・大動脈周辺のリンパ節がいくつも腫れており、食欲もおち痛みが強くなってきています。現在、入院して抗がん剤治療と鎮痛剤を服用していますが、鎮痛剤も除々に効かなくなっており 明日からはモルヒネを使うそうです。素人知識で「モルヒネは最終手段」という思いがあるのですが、父の苦痛を少しでも無くしてあげる為には、それも仕方ないのでしょうか?父がモルヒネを使うことにより、家族は、何か心得ておかなければならない事はあるのでしょうか?

質問者:ゆずきち さん

hero2005 先生
全科

hero2005 先生

モルヒネについては、誤った認識を持っているのは、一般の方だけでなく、治療を担当する多くの医療関係者の中にも存在します。

痛みという苦痛を除去することにより、むしろ、残された人生の時間を有意義にすごすこともできる可能性がありますし、苦痛を軽減することにより、延命効果につながる可能性もあります。

有効な治療法がないときに、最低限、勤めるべきことは「苦痛の除去」です。モルヒネには、確かに、副作用もありますが、うまく使えば、有効な治療法です。

注意すべきは、やはり、一割弱のかたは、体質的に会わない方がおられること。便秘気味になる方がおられるので、緩下剤の使用が必要であること。飲めない方には、注射や座薬という方法があること。注射は持続点滴で血管内に注入する方法や小さなポンプを使用して連続皮下注射する方法があります。ひとつの投与法ができなくなっても、多くの選択肢があります。

モルヒネは、使い慣れた医者が、上手に使うと非常に有効な方法となります。モルヒネ使用に際して家族の心得るべきことは、使用が始まったから終わりだと思わずに、これから新しい病気への取り組みが始まるのだという決意と信念をもつことでしょう。

生命予後は、もともとの病気・病態が決定します。癌という病気が根治できないと死の予期や覚悟は必要です。初回投与を皮下や血管内への単回投与すると呼吸抑制のための呼吸停止が起こる危険性があるため、使用したら命を縮めるという誤解がおこっっているものとおもわれますが、このことは開始時には注意しておくべきことでしょう。

ゆずきちさん

的確なアドバイス、ありがとうございました。そうですね。父の残された時間を大切に使う為にも、できる限りの苦痛除去はしてあげたいと思っています。そのために必要な薬であれば、怖がらず前向きに考えたいと思います。今日、父に会ってきました。朝 痛み止めとして錠剤と座薬を使用したようです。本人はモルヒネだとは知りません。その他、吐き気止め・下剤として「ノバミン」「センノサイド錠」「マグラックス」などが処方されていました。これから いろいろな副作用がでてくると思いますが、父と一緒に頑張りたいです!!もうひとつ お聞きしたいのですが・・モルヒネを使用した患者の最期は どうなるのでしょうか?意識障害などがでたりするのですか?身内の顔は理解できるのでしょうか?教えてほしいです。

hero2005 先生

モルヒネは過量投与しないかぎり、そのことによっての意識障害などはおこりません。テレビや映画で麻薬中毒の異常状態の表現と錯覚されてのことと思いますが、痛みを抑えるために必要・充分な量を使用している限り、中毒症状心配することはありません。

麻薬中毒になって、自我を失い、異常行動に走ることなどありません。

「意識障害などがでたり、身内の顔は理解できなくなる」ことがあるとすれば、それは、本来の病気の進行のためであって、モルヒネでは過量投与しないかぎり、そのようなことはおこりません。

癌性疼痛に苦しみながら苦痛に歪んだ顔ではなく、最後の時間まで、ご家族との会話ができる状態にするのが、本来のモルヒネ使用の意味です。

ゆずきちさん

早速のお返事ありがとうございます。先生の力強いお言葉で、不安が少し解消されました。母は・・主治医にモルヒネを投与すると伝えられただけで、半パニック状態でした。私もモルヒネについて いろいろな情報を集めている中、癌の痛みは 凄まじい事を知りました。これから その痛みと戦っていく父を せめて最期は安らかに逝かせてあげたい。その為にはモルヒネが必要なんですね。過剰投与しなければ問題がなく有効な薬だという事、母に伝えたいです。ありがとうございました。

いち内科医 先生
一般内科

いち内科医 先生

状態的には苦痛を緩和する時期ですね。今は、勇気を持ってモルヒネを使用する時期でしょう。確かに、モルヒネでは呼吸抑制や便秘などの副作用はあります。しかし、それを上回る鎮痛、苦痛の緩和作用があると思います。今、お父様に必要なのは薬剤治療ではなく、苦痛をとることでしょう。勇気を持ったモルヒネ使用をおすすめします。

ゆずきちさん

ありがとうございます。父の苦痛を和らげる為にも、勇気をもってモルヒネという薬を使いたいと思います。現在・・痛みの緩和と抗がん剤治療を行っています。TS−1ですが、抗がん剤治療は続けるべきなのでしょうか?効果がなく、治る見込みもないのであれば これ以上ツライ思いをさせたくないのですが・・・余命6ヶ月と宣告されています。抗がん剤を止める事で寿命は短くなるのでしょうか?近々、主治医との話しがあるので知っておきたいです。ずうずうしく もうひとつ お聞きしたいのですが、モルヒネを使用した患者の最期は・・親族の顔が解らなくなるような意識障害は覚悟しておかなければいけないですか?教えて下さい。お願いします!!

いち内科医 先生

余命6ヶ月の状態での抗がん剤の使用はあまりおすすめしません。苦痛をとることに専念すべきです。とはいっても、主治医と相談のうえでしょう。主治医に気を使わず、やめる勇気も必要です。また、モルヒネを使用して呼吸がやわらぐほうが、モルヒネなしで苦痛な表情をされるよりはずっといいでしょう。モルヒネの適量の使用が患者さんを楽にすることは明らかです。自分への罪悪感を恐れてモルヒネを使わず、苦痛の中で患者さんが最期を迎えてしまうことだけは避けましょう。

ゆずきちさん

早速のお返事ありがとうございます。昨日 父に会ってきました。朝から飲み薬と座薬でモルヒネの投与が始まっていました。本人は投与されている薬がモルヒネだとは知りません。通常、モルヒネの使用は本人には伝えられないのでしょうか?モルヒネの投与も、余命の宣告も、こちらから主治医に伺おうとしていた矢先に、病院の廊下で偶然会った母に立ち話しで伝えられ、次の日からモルヒネ投与が始まったので、私としては少し戸惑っています。いち内科医先生の言うとうり、現状での抗がん剤の使用には少し疑問を抱いているので、きちんと主治医と話し合いたいとおもいます。ありがとうございました。

和歌山の医師 一般内科 先生

腫瘍科医は,余命が6ヶ月を望める場合にはむしろ抗癌剤治療を行うことが大いにあります.もちろん,痛みが強い場合はモルヒネ(経口,座薬など)と平行しつつ,抗癌剤投与を行います.時には,抗癌剤により腫瘍を縮小できなくとも,大きくなるのをくい止めるだけで,痛みが和らいだり,体調が回復したりする場合もあります.もちろん,他の先生方が心配されているように副作用により体調が悪化する場合もあります.

痛みよりは,痛み以外の全身状態(体力や肝機能,腎機能,骨髄機能など)の状態により,抗癌剤投与の継続の有無を決定すべきではないでしょうか.モルヒネを使うことと,抗癌剤を投与すること,同時に行うことはよくあります.効果のない抗癌剤を続ける意味は少ないかも知れませんが,進行しつつも多少でも進行速度を抑える効果があると担当医が判断するなら,抗癌剤を中止するか,継続するかはよく考えて判断する必要があります.モルヒネの使用が余命に影響することは少ないと思いますが,抗癌剤の中止は余命を一気に縮めてしまう場合もあります.

ゆずきちさん

貴重なご意見ありがとうございます。確かに・・リンパ節の腫瘍は大きくなっているものの、肺に転移しているものは大きさをとどめていたりするので、一概に効果が無いとも言えませんね。お腹の痛み等はありますが 今のところ肝機能、腎機能は大丈夫みたいです。いつ黄疸がでても不思議じゃないらしいですが・・それも抗がん剤が効いてくれているのかもしれないです。「抗がん剤を続行するのか?」は主治医と相談して、慎重に考えたいとおもいます。父にとってより良い選択を・・今は、痛みなく・・1日でも長く・・と願うばかりです。違った角度からのご意見ありがとうございました。

hero2005 先生

抗がん剤による副作用の程度も考慮する必要があります。人生の終わりを迎えるにあたって、一日でも長くの意味を、「痛みもなく、苦しむこともない日が一日でも長く」と考えてみませんか。

抗がん剤が、重篤な副作用による生命の危険や苦痛として感じる自覚症状としての副作用がなければ、あまり効果が無くても、使用継続については大きな異論はありません。しかし、大きな自覚症状としての吐き気や気分不良などがおこるようなら、あまりおすすめはしません。

抗がん剤の使用により、せっかくモルヒネで痛みという苦痛を取り除いたにもかかわらず、別な苦痛を与えることになるからです。

考え方の参考にしていただければ、幸いです。

和歌山の医師 一般内科 先生

抗癌剤の副作用のみ誇張されるのはどうかとも思います.副作用が許容範囲であれば,抗癌剤を中止することが,残りの時間を有意義にする選択肢とは限りません.

生命予後にも影響しかねない重大な問題です.苦痛を取り除くのは最低限の到達目標ですが,その次の大切な目標は延命です.

癌の治療医の立場として,「痛みもなく、苦しむこともない日が一日でも長く」ではなく,「痛みもなく、苦しむこともなく,しかも一日でも長く生きてもらえるように努力する」,それが無理になったときは,「痛みもなく、苦しむこともない日が一日でも長く」というように常に考えています.

患者さんご自身,ご家族がどのような選択をなさるか,積極的治療と緩和医療の両面から十分に説明し話し合い,治療法を決定していきます.なぜなら,多くの抗癌剤で延命効果のエビデンスが認められ,抗癌剤治療は日々進歩していますので.

hero2005 先生

余命が短く、その効果があまり期待できないのなら、副作用があまりにも強いならやめましょう。副作用が少ないなら続けましょうということです。

同じことを言っているのですが、違って感じられるのは不思議です。選択肢がひとつでないことをお考えくださいということです。

効果があって、治癒が期待できるときには、かなり強い副作用でもがんばるように薦めています。

選択肢として、抗がん剤を続けるか、やめるかは、あくまでもケースバイケースで、その利点と欠点を総合的にご説明して治療法を選択すべきでしょう。結局は、和歌山の医師 一般内科先生と同じことを言っているつもりですが。。。

和歌山の医師 一般内科 先生

基本的スタンスは,余命6ヶ月以上期待できる場合は抗癌剤治療を行うことを最優先に考えます.それは腫瘍医の基本方針です.もちろん,ケース・バイ・ケースです.

抗癌剤→強い副作用とすぐに直結してお考えになられる,そのお考えが大きく違う点です.肝門部のリンパ節の腫張を少しでもくい止めることができるのは抗癌剤です.抗癌剤は苦しみを与えるばかりのものではなく,今後起こりうる苦しい自体を根本的にくい止める唯一の手段なのです.

hero2005 先生

抗がん剤には多くの種類があり、その副作用もいろいろです。また、副作用対策も上手にやれば、かなり乗り切ることもできます。また、副作用も個人差が大きいです。余命6ヶ月というのは、有効な抗がん剤を使用してもという意味と、とらえています。

おっしゃるとうり、がんが進行すれば苦しいことは進行します。「苦しい自体を根本的にくい止める唯一の手段」である抗がん剤が無効なときには使用をやめることを考えましょうということです。有効なら、そして過度な苦痛がなければ、続けるべきです。

使用をやめる条件は、効果が無くて、副作用が強いものといっております。無効であり、副作用が強くて患者様を苦しめるだけの抗がん剤も実行されるというのなら、異なる意見ということになりますが、そのような使い方はされていないと信じております。

抗がん剤をやめるとか否かはあくまでも総合的な判断です。抗がん剤が必ず効果があるとの妄信をもつ医者もいますが、抗がん剤が癌の進行に必ずしも有効でないこともあります。

がん治療が集学的な治療が必要です。思い込みによる、一方的な見方ではなく、多面的に冷静な判断が、がん治療には必要です。、同じことをいうのに、どちら側から見るかということです。

同じことを違う面から述べているだけです。

ゆずきちさん

何かの本で・・「100人の癌患者がいれば、100通りの癌治療がある」と読みました。それほど 個人の病気の進行度、痛み、薬なども様々で ケース・バイ・ケースなのだと・・おふたりの先生の おっしゃってる事、どちらも患者最優先で考えて下さり ありがとうございます。詳しい状況が解らない中、おふたりの意見は最終的には同じだと思いました。私事で、これほど熱く意見をくださって感謝しております。今日、これから、主治医に会って詳しい話を聞く予定です。おふたりの意見も参考にさせて頂き、家族として冷静な判断思います。また、ご報告します。ありがとうございました。

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