Q

PTHの極小化

私は副甲状腺機能亢進症でPTHが、1000位あり副甲状腺削除手術を受けました。そのとき、副甲状腺を腕に移植したのですが経過不良で、現在、8〜15位しか出ません。
病院側は 移植した副甲状腺の定着率は 全国的にも5割程度と言っているのですが実際こんなものなのでしょうか

質問者:TY さん

赤ひげ 先生
一般内科

赤ひげ 先生

副甲状腺機能亢進症で全摘し、前腕移植を行ったということは、副甲状腺が全腺腫大していたと思われますので病態は副甲状腺の腺腫でなく過形成と判断します。
透析患者さんに良く見られるタイプですが、TYさんは現在透析中ですか?

PTH(副甲状腺ホルモン)の値は測定法により基準値が違いますが、数値から見るとおそらくはintact-PTHと思われます。この測定法の基準値は10〜60pg/mlですので現在の8〜15pg/mlという値はそれほど心配する値ではないと思います。

もし、透析されている方であれば、カルシウムやリンのコントロールが不十分であるとまたPTHの値が再燃して上昇してくる場合があります。

手術後どれくらいたっていますか?現時点ではそれほど心配する必要ないと思われますが?

TYさん

赤ひげ先生どうもありがとうございました。
腎不全から 透析を2年ぐらいやっております。

赤ひげ 先生

腎不全から透析2年目の副甲状腺の手術というのは早いですね。カルシウム、」リンのコントロールを是非今後適切に行ってください。

TYさん

赤ひげ先生 ありがとうございます。
タイプミスで4年目での手術です。

hesuku internal medicine 先生
腎臓内科

hesuku internal medicine 先生

透析患者さんでintact-PTHが1000pg/ml位の二次性副甲状腺機能亢進症ならば副甲状腺摘出は適応になるので、手術の判断は正しいと思います。ただ、術後のintact-PTHが8〜15 pg/ml位というのは気になります。と言うのは、腎不全患者さんは副甲状腺の感受性が低下していて正常人よりもintact-PTHが高値でないと(200pg/ml位)、骨の代謝速度が悪くなるからです。現時点では、骨の状態やカルシウム・リンの値に注意しながら経過を追っていくしかないと思います。今後、踵や股関節の痛みが出て来るようなら、腎不全の合併症である腎性骨異栄養症が悪化している証拠なので、主治医に教えてあげて下さい。

TYさん

どうもありがとうございます。

僕の今回の手術に至った経緯というのは、まず透析開始して約4年で、手術ということになりますが、私の場合
透析開始前にすでに、PTH値が1000以上あり、透析前から機能亢進症を引き起こしていたと思われます。
病院では、何も説明を受けてなかったので、透析開始時に指摘を受けてびっくりしたんです。

副甲状腺の腕への移植定着率実際どれくらいなのでしょうか

赤ひげ 先生

今回は少し詳しく述べさせていただきます。

副甲状腺の手術はある程度透析年数がたってからの人が一般的には多いのですが、時に透析に入って早期に手術になる方もいます。
副甲状腺の問題はすでに透析以前の慢性腎不全の状態の時から起こっていますのでTYさんのようなケースの経験も時にあります。
intact-PTHにつきましては血中の値が腎機能の影響を受けませんので、昔よく計っていたc−PTHや比較的最近でも測定されているHS-PTHなどのように、腎機能異常により血中の値が著しく高くなるような測定法に比し、比較的正確に副甲状腺機能を反映します。
ただし、腎不全患者さんでは骨のPTHに対する感受性が低下しますので、骨代謝をある程度維持しようとすれば副甲状腺ホルモンの値は基準値よりも少し高い値である方が一般には良いといわれています。
ただし、そのような適応過程で副甲状腺機能が亢進してきますので、そのような点を考慮すると、維持できるものであれば、intact-PTHの値は基準値(健常人の)の上限をを少し超えたぐらいの値で維持できると一番良いような印象を持っています。
もう一点、intact-PTHはCa,Pの値の影響を受けますので、同時に測定したCaが低い値の時のPTHの値とCaが高い時のPTHの値は同列には解釈できません。たとえば、Caが7.8mg/dlと少し低カルシウム血症のときにPTHが正常下限の値であれば、その副甲状腺は低下しており、Caが11.5mg/dlだったときのPTHが正常下限の値であれば、Caがちょうど良い時のPTHの値はもう少し高くなりますので、機能低下気味とは必ずしもいえないこととなります。
手術してしばらくはPTHはこの程度ののことは良くあります、むしろ手術直後に200前後の値があれば、かなりの確立でまた再発してゆく可能性が高くなります。
いずれにしましても透析患者さんの場合は、血圧の問題、肺水腫の問題、高カリウム血症の問題など日常管理をきちんとしてゆかなければならない問題が今後たくさんあります。
骨・カルシウム代謝、副甲状腺の問題については現在いい薬がたくさんありますので、食事でのリンの管理などをきちんとし、薬でカルシウムの値を適切に保っておれば、今後そう心配するようなことはないと思います。

TYさん

赤ひげ先生、Hesuku 先生 丁寧なご回答まことにありがとうございます。

実は私の場合、手術後、もう約5ヶ月経過します。それでも、この数値は、問題ないんでしょうか?
赤ひげ先生のコメントには、「術後しばらくは」とありますが、もう5ヶ月です。5ヶ月でこの数値は厳しいのでは、とちょっと心配しております。

よろしければ、以下の点に関しても、先生方のご見解をいただければ幸いです。

1.5ヶ月でこの数値で今後数値が上がる可能性があ
るのか、ないのか。
2.今後、この数値で推移していった場合、問題はないの
か、あるのか?
3.移植定着率はどの平均的な病院でどの程度のものなの
か?

以上よろしくお願いいたします。

赤ひげ 先生

1.今後副甲状腺のホルモン地があがってくる可能性はあります。あくまでも可能性としてですが。
2.今後この値で推移した場合どうなるか?
骨に対する刺激が低めですので、骨の代謝的には必ずしも好ましいとはいえませんが、透析でない副甲状腺機能低下症の患者さんの場合はどのようにしているかというと、活性型ビタミンD3とカルシウム製剤で治療しています。おそらく、TYさんはビタミンD3製剤とカルシウム製剤は使用しているでしょうから、基本的にあまり大きな問題はでないと思います。副甲状腺機能低下症では、ひとつは低カルシウム血症でこれがいろんな問題起こしますので、薬の投与でカルシウム、リンをきちんとコントロールしておけば、副甲状腺機能亢進症に比べ骨のレベルでもあまり問題があるようには思いません。
むしろ骨で問題が今後出てくるのはアミロイドの沈着によるアミロイド関節症、アミロイド骨症などの方がはるかに影響が大きいと思います。
3.定着率についてですが、移植片の定着率を云々するのはあまり意味がないと思っています。
なぜかというと、同じ術者が手術しても差があるということですので、ひとつは移植片の活発度の問題、というのは低下の問題のみでなく移植早期から再燃してくるケースも少ないながらあるのです。
また、血流の悪い人は移植片の定着は悪いようです。
さらに、前のメールでも書きましたように、透析患者の問題点の中で副甲状腺機能低下症というのは、臨床的には(実際の現場では)あまり患者さんに苦痛を与えるような問題は起こしていないように思っています。
むしろ、肺水腫、高カリウム血症、高血圧症などの方がはるかに生命予後の面で注意が必要です。
今は、現在の副甲状腺のことはあまり気にしないで、もっともっと気にすべき点に気をつけて頑張ってください。

どうしても定着率のことが気になるようでしたら、私の勤務していた病院での印象は20%程度(十分生着しなかったケース)のようです。

TYさん

いつものことながら、わかりやすく詳しい説明に感謝申し上げます。ありがとうございました。
ただ、今回投稿してお話を伺いたいと思ったのは、手術をして以下のような症状があり不安になったからです。

1. 手術時、反回神経を切断したようで5ヶ月たった今も声が枯れた状態が続いています。
これについては、手術前の説明では、一時的に声が枯れることはあっても、2〜3ヶ月で元に戻る、というものでした。

2. 手術後、絶えず手術部付近に圧迫感があり、嚥下不全のような感じで喉の通りが悪く、水も勢いよく飲めなく
なりました(水が器官に入ってむせかえる)。これも現在一向に回復されていません。
この点についても、手術前こんな状態になることもあるという説明は、一切ありませんでした。

3. そして、右腕への移植ですが、これも現在定着しているとは言えない状況です。術後にある人に伺ったのですが、
PTHの値は、高くても低すぎても問題がある、と聞き手術したメリットがあまり感じられなかったのです。

以上の点から、少し確認したくなり、投稿させて頂いた次第です。
しかし、先生の説明では、高すぎることの方が、生命予後の面で問題が大きいとのことですので、この点は納得できました。
ありがとうございました。
また、アミロイド関節症、アミロイド骨症について、どういう面に注意が必要か、どうなるとその危険性が増すのかなどご教授
いただければ幸いです。
他に何か、追加すべきご助言などあればお願い致します。

赤ひげ 先生

透析患者さんのアミロイド沈着については、血中のβ2マイクログロブリンの値と相関するといわれていますので、その値に応じてダイアライザーを選択してもらうと良いと思います。
声のかすれについては副甲状腺のそばを反回神経が通っていますので、術後ある程度の出現はやも得ない面があります。ただし、切断したということはないと思います。
私の病院での経験では一年ぐらい声のかすれが続いたあと改善したケースもあります。
その方は補助的にしばらくアリナミンなどを投与しました。そういうケースもありますので気長に対応してください。
これから先の長い透析生活、前のメールにも書きましたように、いい加減な管理であると、高カリウム血症など命にかかわるような問題などもおきます。
病院のスタッフの人と良好なコンタクトを取りできるだけ快適な透析生活になりますようお祈りいたします。

TYさん

赤ひげ先生、
hesuke internal clinic 様

色々ご教授頂き、まことに ありがとうございました。
心より感謝いたします。

また、関連情報あれば、ご助言ください。

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