自閉症の特徴は3歳ごろから 難しい診断
- 作成:2015/09/28
脳の機能障害である自閉症は、赤ちゃんのころからいくつか特徴的な症状がみられます。ただ、赤ちゃんの発育状況は個人差があり、自閉症と診断されるのは3歳ごろからとされています。それ以前は診断が難しい側面があります。
この記事の目安時間は3分です

生まれつきの発達障害について
うまれつき生じる発達障害には、いくつかの種類があります。
まず、重い障害として知られる「自閉症」。自閉症は軽度なものから重症なものまでその程度は様々ですが、自閉症の症状は「対人関係の障害やそれに伴うコミュニケーションの障害」「パターン化された興味や活動」という2つの障害です。
「ADHD」という発達障害は日本語で「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれます。こちらは、名前の通り注意力を保てない、落ち着きがなくじっとしていられないといった特徴があります。小学校などの集団生活でネガティブな見方をされてしまいがちで、適切な対人関係を形成するのが苦手なことが多いため不登校などに繋がることがあります。しかし、適切な治療を受ければ症状を軽くすることは可能であり、また成長するにつれて改善していきます。ただ、必ずしもそうではなく、大人になってからも残るケースは多々あります。
他に、「学習障害」があります。こちらは基本的には、知的発達全般に遅れがあるわけではありません。聞く、話す、読む、書く、計算する、推測する能力のうち、特定のものの学習・使用が難しいという特徴があります。
自閉症の特徴
自閉症患者に共通した特徴は、先程紹介した「対人関係の障害やそれに伴うコミュニケーションの障害」「パターン化された興味や活動」の2つの障害です。
「対人関係の障害」の例としては、他者への興味を示さないということがあります。具体的にはあやしても反応が乏しい、遊びを一緒に楽しむことがなかなかできない、目線を合わせないといった特徴を示します。友達を作る歳になっても、接し方が極端に一方的であったり、他人に関心を示さないことも症状です。
「コミュニケーションの障害」は、赤ちゃんの言葉の習得が遅いことに代表されます。言葉を覚えても、独り言ばかりで人に向かって言わないことや、聞いた言葉をオウム返しばかりすることも多くあります。これらは、大きくなってからも変わらないケースも多いようです。
「パターン化された興味や活動」は、いつも同じ道順を通りだがる、常に同じ癖を続け、それに固執する、といった行動・こだわりを指します。遊びにも特徴が見られ、物をひたすら一列に並べるなど単純作業に没頭します。また、手足をヒラヒラ、バタバタ動かす、貧乏ゆすりをやめないなどの「常同運動」が見られることもあります。
いつから自閉症と診断される?
自閉症であることが分かるのは、おおよそ3歳頃からです。それまでにも自閉症の特徴の行動や兆候が見られることはありますが、ある程度成長してからでないと自閉症だと断定することは難しいとされています。自閉症と診断されるのは、「生涯に渡って自閉症の症状がみられる」と確定できたタイミングになります。
また、自閉症であっても症状の出かたによっては他の知的障害と区別がつきにくいことがあります。自閉症の場合、先程挙げた2つの主な障害以外に、多動(落ち着きがないこと)の特徴が現れることがありますが、これが原因でADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されるケースもあります。
自閉症と診断されたら
自閉症をはじめとする障害は、あくまで先天的な脳の機能障害です。決して親の育て方や環境によって起こるものではありません。
障害の原因は脳の機能自体にあるため、残念ながら完治させる方法は今のところありません。しかし、障害を持っていても、それぞれ独自の学習方法を見つけられます。成長や発達のスピードは遅いかもしれませんが、個々のペースに合わせて療育していくことで社会生活を送れるようになる可能性は十分にあります。また、教育によって治し難い、多動やこだわり・かんしゃくなどの症状は、薬を用いることで軽減できることが多いようです。
かかりつけの医師や専門家に指導を仰ぎ、自閉症の子どもそれぞれに合ったサポートをしてあげることが何より大切です。
今回は、赤ちゃんのころからみられる自閉症の特徴的な症状を解説しました。ただ、赤ちゃんの発育状況は個人差が大きく、判断が難しいものです。この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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