綿棒、砂糖水、薬を使った赤ちゃんの便秘解消法と注意点

  • 作成:2016/04/04

赤ちゃんの便秘解消法には、綿棒や砂糖水を使ったものがあります。効果がない場合や、急いで排便が必要な場合、薬を用いることがあります。それぞれどのような方法でやるのかや注意点を、医師監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

赤ちゃんが便秘になったら?

綿棒を使った赤ちゃんの便秘解消法

赤ちゃんの便秘の治療法には、これといって決まったものはありません。便秘の原因になる病気などがない場合には、なるべく自然に近い形で排便を促したほうが良いです。始めにお薬を使用しない2つの方法を説明します。

1つ目は直接肛門を刺激する「綿棒刺激」です。綿棒にワセリンやオリーブ油などすべりをよくするものを塗ってから、綿の部分を全体的に入れてあげて、肛門の壁に沿って軽く回したりします。決して、それより深く入れないようにしてください。また赤ちゃんが嫌がる場合には、肛門を傷つける恐れがあるので無理に行わないようにしましょう。肛門の粘膜は薄く傷つきやすいので行う際には注意が必要です。この方法は他の方法と併せて行うとよいでしょう。

2つ目は「「の」の字マッサージ」です。赤ちゃんのお腹をやさしく「の」の字を書くように腸の走行に合わせてマッサージをしてあげると便秘解消に効果があります。これらによって、腸の動きが活発になって便がでやすくなります。

砂糖水を使った赤ちゃんの便秘解消法

便秘の原因の一つに水分不足があります。汗をかく時期にはこまめな水分補給が大切です。離乳食の開始前には薄めのミルクを追加してあげて水分量を増やしましょう。離乳食が始まるようになったら麦茶を水分補給として使用するとよいでしょう。またもう少し大きくなってきたら、りんごやミカンなどの果汁を絞り、3倍くらいに薄めた果汁を10ミリリットルから20ミリリットルくらいを飲ませると良いでしょう。後で説明する果糖も入っており便が柔らかくなる効果もあります。

水分摂取でも効果がない場合は、糖分の入った水で改善することがあります。「オリゴ糖」と呼ばれる糖分を聞いたことがあるでしょうか。オリゴ糖は「単糖類」という、それ以上分けられない糖の単位が数個つながったもので、腸内細菌が増える助けをします。また糖分は便を柔らかくする働きもあるため、その結果硬い便が柔らかくなって出やすくなります。

「マルツエキス」はオリゴ糖の中でも麦芽糖からできたシロップで、明治時代から現在まで使われている水アメ状の飲みやすい薬です。効果が出るまでには1週間ほどかかります。またラクツロースも同様に、糖が腸の働きを促進してくれます。いずれも過剰に飲み過ぎると下痢をおこすことがあるので、医師に相談してから使ってください。

赤ちゃんの便秘に使う薬

綿棒による肛門の直接刺激や果汁、砂糖水を飲ませても改善しない場合は、下剤を用いることもあります。これらは医師による処方が必要です。ラキソベロンや酸化マグネシウムなどの比較的副作用の少ない下剤が処方されます。

ラキソベロンは妊婦さんや子供にも使うことができ、大腸のぜん動運動を促します。酸化マグネシウムは腸に水分が入るようにする効果があり、そのために便が柔らかくなります。また坐薬を処方されることもあります。

また便が腸に溜まり過ぎたために急いで排便を行う必要がある場合には、グリセリン浣腸によって排便を促すこともあります。いずれも医師の指示のもとで行います。

ヨーグルトが効くことも

離乳食を開始している赤ちゃんであれば、腸内細菌を整えるために毎日ヨーグルトを食べさせたり、食物繊維が豊富なサツマイモ、野菜などを離乳食に加えてあげると排便がスムーズになることがあります。

各種情報に注意を 迷ったら医師に相談を

インターネットなどでは様々な方法が紹介されていますが、必ずしもすべての赤ちゃんに適した方法とは限りません。決してご自身の判断だけで行わないようにしてください。迷った場合はかかりつけの小児科の医師に尋ねてみましょう。また赤ちゃんの便秘には、重大な病気が隠れていることもあります。少しでも気になることがある場合は、受診をお勧めします。

赤ちゃんの便秘解消法についてご紹介しました。赤ちゃんの便秘に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

病気・症状名から記事を探す

その他
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

協力医師紹介

アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。

記事・セミナーの協力医師

Q&Aの協力医師

内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。

Q&A協力医師一覧へ

今すぐ医師に相談できます

  • 最短5分で回答

  • 平均5人が回答

  • 50以上の診療科の医師