手足口病で病院に行くタイミング、検査、診断基準 何科に行く?

  • 作成:2016/06/14

手足口病は軽症で済むことの多い病気ではありますが、重症化したり、感染を広げてしまう可能性のある病気です。どのような場合に病院に行くのか、何科に行けばよいのかなどを、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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手足口病で病院に行くタイミングは?

手足口病で病院にいくべきタイミングはどんなもの?

少し熱が出ているという程度だと普通の風邪と区別がしにくいですが、特徴的な手足と口内の発疹が出てくれば手足口病の診断がつけやすくなります。発疹が出てきた時点で病院に行って診断すると良いでしょう。ただ、特効薬などはありませんし、病院に行っても積極的に治療が行われないことが多く、「病院に行かない」という判断をする人もいるかもしれません。しかし、手足口病は、法律において、「第5類感染症の定点把握疾患」に定められており、観察が必要な感染症として一部の病院で感染者数の報告が義務付けられています。感染症が流行しているのかどうかを自治体が把握するためにも病院で診断を受けるのは大切ですし、他の病気の可能性を排除するためにも、手足などに覚えのない発疹が現れた時点で病院に行きましょう。

また、手足口病と診断された後に症状が悪化した場合にも、症状を抑えるための治療が必要になります。特に乳幼児は自分から辛さを言葉で表出することが難しい場合がありますので、症状に注意が必要です。高熱が出たり、発熱が2日以上続いたり、意識がない、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速く息が苦しそう、水分がとれない、尿がでない、ぐったりしている、嘔吐するなどの症状がある時は、すぐに医療機関を受診しましょう。

手足口病で病院にいくなら何科?皮膚科?小児科?耳鼻科?

いざ病院に行くとなっても、病院は沢山あるのでどこに行けば良いのか分かりません。複数の医科が入っている総合病院やクリニックで診断を受けるという手もありますが、手足と口に発疹が現れていて微熱があるようなら、お子様ななら小児科、大人なら内科にかかるのが良いでしょう。ただし、手足だけの発疹や体にも発疹が出ているようなら、別の皮膚の病気の可能性も無視できません。熱がほとんど無いようなら皮膚科で診てもらうのも一つの手です。口内炎がある場合は耳鼻科の受診でもよいでしょう。一般的な病気ですので、別の科に受診が必要ならば、アドバイスがもらえます。

手足口病で検査をすることがある?どんなもの?

手足口病が疑われる場合、基本的には問診や視診(症状をみること)が中心です。手足口病は症状から診断を判断することがおおく、どのような水疱か、どこにできているか、どの範囲に分布しているかで判断します。

しかし、周辺で手足口病が流行している場合や、他の病気が疑われるような場合には、ウイルスを詳しく検査します。ウイルスを採取する場合、口腔内や便から調べるだけではなく、水疱(水ぶくれ)内からもウイルスが採取できるのでウイルスの採取自体は容易です。あとは、それを培養してどのウイルスに感染しているかを確認します。インフルエンザのようにすぐに結果が出るものではありませんが、何のウイルスが流行しているのかを確認するのは重要です。 また、基本的には血液検査を行うことはありませんが、抗体数の変化を調べる「血清診断」という検査を行うこともあります。人間の体はウイルスなどに感染すると、体に入ったウイルスと戦う「抗体」を作りますが、何の抗体が増加しているかを調べることで、病気の原因を予測することができるのです。具体的には、血液検査は2度行います。1度目と2度目の血液検査は2週間あけて行い、手足口病の原因ウイルスの抗体がどのくらい増えているかを調べます。1度目より2度目のほうが増えていた場合は「手足口病」と判断します。まただ、これらの検査はあくまで診断補助、流行把握などが目的なので、行わないことの方が多いです。

手足口病の診断基準はどんなもの?

手足口病は、手足と口内に水ぶくれの発疹ができるのが特徴で、特に口の中では口内炎として現れ、強い痛みを感じます。また、食欲不振や発熱、喉の痛みなど風邪のような症状の確認も重要です。ただ、口内炎だけだったり、手足の発疹だけだったりすると診断が難しくなりますが、手足口病の診断は医師の裁量に任されます。より正確に判断するにはウイルスの分離・培養や血清検査などが必要になりますが、検査に時間がかかるため、ほとんどのケースで行いません。手足口病の検査キットなどは存在しないため、病名の診断は医師の裁量が大きいといえます。夏に保育園児の手足に発疹がでたり、口に多数の口内炎が出たりするとその時点で手足口病だと判断する事も多いです。時期、手足と口の状態、発熱、食欲の有無などを見て、どれほど手足口病の症状に合致するかが診断のポイントになるでしょう。


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