市販薬でも熱中症対策ができる!?市販の漢方薬や栄養ドリンクの成分を解説!

  • 作成:2022/07/31

暑い季節になってくると熱中症の方が増えてきます。 熱中症は外ではなく室内でもなる危険があるため、夏には油断できない症状です。 そんな熱中症対策ができる漢方薬や栄養ドリンクが、市販であるのをご存じでしょうか。 今回は熱中症対策をしたいと考えている方におすすめの、市販の漢方や栄養ドリンクの成分を紹介します。

この記事の目安時間は6分です

市販薬でも熱中症対策ができる!?市販の漢方薬や栄養ドリンクの成分を解説!

1. 熱中症の症状と原因

まずは熱中症の症状と原因にはどのようなものがあるのか、それぞれ解説していきます。

1-1.熱中症の症状

熱中症の症状はいくつかあります。6つに分けて紹介します。

・体のほてりや熱感、めまいや立ち眩み
熱中症の初期症状として、めまいや立ち眩み、体のほてりなどがあります。体がほてり、触ると肌が熱かったり赤く乾燥していたり、体温が高い方もみられます。
これらの症状は初期症状であるため、出現した時点で涼しいところへ移動したり、水分摂取や休養をとったりなどの対応をとりましょう。(注1)

・筋肉痛や手足のしびれ
症状は筋肉にも現れます。筋肉痛や筋肉のけいれんが出現します。人によって症状は異なりますが、こむら返りを起こしたりすることもあり、一概に同じ症状がでるわけではありません。また、脱水の症状から手足のしびれが出現することもあります。(注1)

・倦怠感や吐き気、嘔吐
身体のだるさや吐き気が出現し、場合によっては嘔吐する方もいます。熱中症が進行すると、倦怠感が強くなり力が入らず、歩けなくなる場合もあります。(注1)

・汗が止まらない、またはまったく汗がでない
汗を拭いても止まらず出てくる、反対に暑いはずなのに汗が全くでないのも熱中症の症状です。普段と比較して汗のかき方がおかしい方は熱中症の可能性があるでしょう。(注1)

・水分摂取が不可能、意識障害がある
呼びかけに反応しなかったり、意識障害があり自分でうまく水分摂取ができなかったりする場合は、熱中症の中でも重度の症状が出現している状態です。すぐに医療機関を受診する必要があります。(注1)

1-2.熱中症の原因

続いて熱中症の原因です。熱中症は暑い外にいるからなるものというわけではありません。室内でも熱中症になります。
熱中症になる要因は大きく分けて下記の3つです。

  • 環境
  • 身体
  • 運動

環境としては高い気温や熱い日差し、高い湿度も熱中症の原因に含まれます。
身体というのは、高齢者や乳幼児などの体温調節が上手くできない状態や、体力不足なども当てはまります。
運動は暑い中で運動したり長距離歩いたりして熱を産生することです。これらの3つの要素が重なり起きるのが熱中症です。(注2)

2. 熱中症対策できる市販の漢方薬の成分は?

熱中症対策できる市販の漢方薬の成分を紹介していきます。成分を参考に商品を選んでみて下さいね。

3-1.市販の漢方薬の成分

熱中症対策できる市販の漢方薬の成分は、主に下記の3つです。

・五苓散
めまい、吐き気、嘔気、腹痛、頭痛などの症状にも効果がある五苓散は、熱中症の諸症状にも効果があります。熱中症の口渇や頭痛、吐き気などの症状が出てきたときに飲むと、体内の水分バランスを整えてくれるでしょう。
また夏バテしており食欲がないため、熱中症になるのが心配という方にも、食欲を回復させてくれる効果がある五苓散はおすすめです。(注3)(注4)

・六君子湯
体力に自信がなかったり、疲労を感じやすかったりする方におすすめなのが六君子湯です。
「気」の流れが滞っている胃腸に「気」を補う作用があるとされており、胃もたれや食欲不振などの胃の不調を改善する効果もあるため、夏バテにも最適です。(注5)

・半夏瀉心湯
半夏瀉心湯は胃腸の働きを良くする漢方です。飲食物を上から下へ運ぶ流れを助けてくれる働きをする漢方で、急な下痢や吐き気や嘔吐にも効果があります。胃腸の働きに総合的に作用する漢方であることから、食欲不振にも効果があるため、夏バテ対策もできます。(注3)

3. 熱中症対策できる栄養ドリンクの成分は?

次に市販薬には熱中症対策ができる成分が含まれた栄養ドリンクが販売されています。含まれる成分とその効果を紹介していきます。

3-1.市販の栄養ドリンクの成分

市販の栄養ドリンクに含まれている、熱中症対策ができる成分は下記になります。

・リバオール(ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン)
リバオールは体内の酵素系に働く成分です。ビタミン様物質として知られる成分です。肝臓でタンパク質の合成を高めてくれる効果があるとされており、肝臓の働きを改善してくれます。代謝を促進してくれるため、滋養強壮の効果が期待できます。疲労改善の効果も期待できるため、市販の栄養ドリンクに含まれているものが多いです。(注6)

・グルクロノラクトン
グルクロノラクトンは肝臓の血流を増量させてくれるため、疲労予防や疲労回復を助ける効果があります。また体内の不要な物質を排出する手助けをしてくれる成分です。市販の栄養ドリンクに含まれており、栄養補給や全身の倦怠感の改善などの効果が期待できます。(注7)

・タウリン(アミノエチルスルホン酸)
タウリンは体中に存在している成分でもあります。胆汁の酸と結びついてコレステロールを減少させたり、インスリンの分泌の促進、高血圧の予防などのさまざまな効果をもたらしてくれる成分です。
心臓や肝臓の機能を高める効果も期待できることから、市販の栄養ドリンクに含まれており、栄養ドリンクを飲むことで疲労回復や栄養補給の効果が期待できます。(注6)(注9)

・アスパラギン酸
アスパラギン酸は非必須アミノ酸の1つで、カリウムやマグネシウムを細胞内に運んでくれる成分です。利尿作用があり、体の外へ有害なアンモニアを輩出して中枢神経系を守る働きもあります。
また、細胞内へカリウムやマグネシウムを運び、疲労物質の乳酸をエネルギーに変えるサポートをしてくれるため、疲労回復の効果があります。(注8)

・ニコチン酸アミド
ビタミンB群の一種で、皮膚や粘膜を正常に保つ効果や、血流を良くする効果があり、肌荒れやニキビのケアを目的とする市販薬にも含まれている成分です。
また、栄養補給や疲れている身体の滋養強壮の効果もあるとされており、市販薬にはこれらの目的で含まれています。(注6)

熱中症は漢方や栄養ドリンクを摂取して症状が出現する前に予防を

熱中症対策できるものとして市販の漢方や栄養ドリンクを紹介しました。
熱中症は症状が出現してもなかなか気づかず、気づいたときには症状が進行している場合が多いです。
そのため熱中症にならないために、漢方や栄養ドリンクを摂取して体力をつけたり体調を整えておいたりすると良いでしょう。

【参考文献】
(注1)一般財団法人 日本気象協会.“熱中症とは”.2022年6月29日時点
(注2)環境省 熱中症予防サイト.“熱中症の基礎知識”.2022年6月29日時点
(注3)漢方セラピー.“漢方薬名解説”.2022年6月29日時点
(注4)オペラシティクリニックHP.“「熱中症対策を漢方で」というチョイス”.2022年6月29日時点
(注5)医療法人社団 冬城産婦人科病院.“軽い熱中症には漢方を”.2022年6月29日時点
(注6)エスエス製薬.“薬の成分ディクショナリー”.2022年6月29日時点
(注7)医薬品 登録販売者DX.“滋養強壮保健薬”.2022年6月29日時点
(注8)協和酵素バイオの健康成分研究所.“主要アミノ酸一覧”.2022年6月29日時点
(注9)厚生労働省 e-ヘルスネット”タウリン”.2022年7月7日時点

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