子宮頸がん検診って痛いの?

  • 作成:2015/10/26

2年に1回の検診が推奨されている子宮頸がん検診。検診を受ける前に分からないことが多く、不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、検査の流れについてご紹介します。

近藤 恒正 監修
落合病院 副院長
近藤 恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

女性

子宮頸がん検診の目的

子宮頸がんとは、子宮の入り口である頸部(けいぶ)にできるがんです。このがんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに長期間感染することで発症すると考えられています。子宮頸がん検診は、がんになる前の早い段階で発見し治療することが目的で、現在では2年に1回の検診が推奨されています。多くの自治体や健康保険組合では検診を受診する際の補助が出ていますので、少ない自己負担で検診を受けることができます。

検診の流れについて

一般的な子宮頸がん検診では、問診(もんしん)、内診(ないしん)、細胞診(さいぼうしん)の順番で行われます。

まず問診では、生理の周期・最近の生理の様子・生理痛の有無・出血量など、月経に関することや妊娠歴などについて問診票に記入しします。その時点で何か症状があるときには、それも伝えておきます。診察室に入った後は、医師からさらに問診を受けることもあります。

次に内診台(ないしんだい)に移動し、内診にうつります。内診台にはカーテンがかかっており顔が見えないようになっていますけれど、時には顔が見えない方が不安だという方もいらっしゃいますので、そのような場合にはお申し出いただくとよろしいでしょう。内診には、視診(ししん)と触診(しょくしん)があります。視診では腟鏡(ちつきょう)という腟内を拡げて視る器具を使い、子宮の出口、つまり子宮腟部を観察します。腟鏡はクスコとも呼ばれます。視診を行った後に、腟鏡を挿入した状態で、ブラシやヘラ、または綿棒のようなもので子宮頸部をやさしくこすり、細胞をとります。通常は、これで検査終了となりますけれど、経腟超音波検査が併用されることがあります。

検診時の痛みは?

検診を受けるにあたって痛みを心配される方もいらっしゃいますが、内診も細胞診もほとんど痛みはありません。 ただ、内診の際、腟鏡(クスコ)を腟内に挿入するときに軽い痛みを感じる方もいらっしゃいます。これは、挿入する腟鏡のサイズが合っていなかったことが考えられます。腟鏡にはサイズがいくつかありますので、以前痛みを感じたという方は、あらかじめ小さめのものを使ってもらうよう頼んでおいたり、検診中でも痛ければ我慢せず伝えるようにしましょう。また、体に力が入っていると器具を挿入しづらくなるため、息を吐いたりすることで力を抜いてリラックスした状態で検診を受けるのがよろしいでしょう。 病院にもよりますが、問診を除きおよそ2~5分程度で終わる検査です。追加で超音波の検査などを行うこともありますが、こちらも痛みはなく短時間で終わります。

検診が終わったら

検診終了後は着替えて帰宅します。検診結果は数日間~数週間で送られてきます。結果が出るまでの日数は、検診を受けた医療機関によって異なります。

検診の結果は、大きく分けて3つに分けられます。 陰性(-)は、今回の検診では異常がなかった方です。異常がなかったからといって安心せず、また2年以内に検診を受けましょう。 陽性(+)は、前がん状態やがんに進行している状態の可能性がある方で、改めて精密検査を受ける必要があります。

ほかに、今回の検診では明確な判断ができない場合があります。この場合は6カ月以内に再検査するか、HPV検査という検査を行って高リスク型のHPVが原因かどうか調べるという選択肢がありますので、医師に相談しましょう。

今回は子宮頸がん検診についてご紹介しました。子宮頸がんは早期発見が有効です。この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に相談してみませんか?

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