胃潰瘍の症状とセルフチェック項目 腹痛や血便が特徴?

  • 作成:2015/12/25

胃潰瘍は多様な原因でなりますが、自分で確認できる項目として、腹痛や「タール便」(血の混じった便)などがあります。「胃潰瘍は良く聞く病気」と思うかもしれませんが、大量に出血すると死にいたる可能性のあるものです。具体的にどのような症状に注意すればよいのかをふくめて、医師の監修記事でわかりやすく解説します。

斉藤 道也 監修
みちや内科胃腸科  理事長
斉藤 道也 先生

この記事の目安時間は3分です

女性

胃潰瘍はストレスやピロリ菌が原因

胃の中には、胃から出る胃酸や消化酵素といった「攻撃因子」と、胃の粘膜を保護する「防御因子」があり、2つの因子のバランスは症状のないきれいな胃の場合、保たれています。しかし、何らかの原因で、バランスが大きく崩れてしまうと、胃潰瘍になることがあります。主な原因として考えられているのは、ストレス、ピロリ菌、「NSAIDs」などの痛み止め、喫煙などです。

ストレスについては、過度の不安や緊張、過労などでストレスを感じると、交感神経が緊張しすぎることから、防御因子が低下し胃潰瘍を生じやすくなることが知られています。したがって、ストレスのかかる環境からできるだけ離れることで、胃潰瘍のリスクを減らすことができると言われています。

ピロリ菌は胃潰瘍の原因の約7割を占めています。ピロリ菌は乳幼児期に感染し、慢性胃炎を引き起こすため、胃の防御因子を弱め、さらに攻撃因子による「活性酸素」と呼ばれるものが発生するためバランスが崩れ胃潰瘍を引き起こします。ただし、ピロリ菌の除菌を行えば、胃潰瘍を治した上で、胃潰瘍の再発を防ぎ、さらには胃がんのリスクを減らすことができることもわかってきました。

NSAIDsの正式名称は「非ステロイド性抗炎症薬」で、炎症を抑えたり、鎮痛・解熱に使われる薬のうち、ステロイドを用いないものの総称です。NSAIDsは腰痛、関節痛などの痛み止めとしてだけでなく、解熱剤として風邪の薬にも使われるため、NSAIDsを飲んでいる時に胃潰瘍の症状が出た場合には、内服を中止する必要があります。

様々な原因、状況によって胃潰瘍は発症しますので受診、相談の際には、現在の自分の症状、状況、環境、わかればピロリ菌の有無、現在飲んでいる薬などを詳細に医師に伝えることが重要になってきます。

9割に腹痛の自覚症状

胃潰瘍は痛みを生じやすいため、90%近くが自覚症状として腹痛を感じ、その領域の多くがみぞおち辺りです。また、胃潰瘍の腹痛は食後のことが多く、空腹時に痛むことの多い「十二指腸潰瘍」と見分けるのに役立つことがあります。他には、胃の蠕動運動(内容物を移動させる動き)の低下から吐き気や嘔吐、食欲不振から長期化した場合、体重減少などもみられます。

タール便と吐血には注意

胃潰瘍によって、粘膜内を走る血管が切れることがあり、出血すると、黒い血を吐いたり(吐血)、血の混じった黒い便が出たりする(下血)ことがあります。特に、血の混じった黒っぽい便のことを「タール便」といいますが、タール便が出たら、胃、十二指腸などからの出血を疑います。また、出血すると、血圧が低下し、冷や汗をかいたり、脈が乱れたりすることがあり、大量の出血によって、最悪の場合、命にかかわることがありますので、吐血や下血した場合にはすぐに医療機関に受診、相談することをお勧めします。

セルフチェックポイントは腹痛やタール便

放っておくと、命を落とす危険がある胃潰瘍ですから、状態が悪化する前に、自分で胃潰瘍を疑うことが重要です。食事の後にみぞおち辺りが痛くなったり、便の色がいつもよりも黒くなっているなどの場合は注意が必要です。さらに「最近、熱が出たからNSAIDsを飲んでいた」「最近、職場が変わって、残業を毎日10時近くまでやり、まともに睡眠を取れていない」といった状況、ストレスが重なればその症状は胃潰瘍かもしれません。もし胃潰瘍を疑ったなら、早期に医療機関に相談しましょう。

病気は症状や原因を知れば、対応が早くなり、結果的に辛い症状に苦しむ期間も短くて済みます。医療機関にかかることを決して面倒くさがらず、早期発見・早期治療を心掛けましょう。

胃潰瘍について症状やセルフチェック項目をご紹介しました。もしかして胃潰瘍かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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