脂漏性皮膚炎(湿疹)の原因 乾燥で悪化?感染する?

  • 作成:2016/01/04

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌量の多い場所に起きる皮膚の疾患で、カビの一種のマラセチアも関与しているとされていますが、発症や悪化原因は様々です。乾燥で悪化する可能性や「感染しない」と言われている理由を含めて、脂漏性皮膚炎の原因を、医師の監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

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カビの一種が原因

脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹とも言います)は、皮脂の分泌量が多い身体の限定された場所、主に頭皮、顔、胴体で発症する慢性炎症性皮膚疾患です。皮膚表面のかさつき、あるいはべたつき、紅斑(赤くなる)、かゆみ、皮膚の剥がれ(白色の乾いたフケあるいは黄色の脂っぽいフケ)などが特徴的です。

「感染しない」のわけ

脂漏性皮膚炎の発症には、増殖に皮脂を必要とするマラセチア属のカビの一種が関係しています。マラセチアはすべての人の皮膚に生息している常在菌であり、皮膚に菌がいても脂漏性皮膚炎を発症しない方もいるため、マラセチアだけが、脂漏性皮膚炎の発症原因とはいえません。したがって、脂漏性皮膚炎は感染する病気ではありません。一般の方で脂漏性皮膚炎を発症する確率は3%程度といわれています。

脂漏性皮膚炎の発症のメカニズムとして、マラセチアのリパーゼと呼ばれる「酵素群」が、皮脂腺から分泌される皮脂成分である「トリグリセライド」を分解し、刺激性の遊離脂肪酸をつくるため、皮膚の炎症を引き起こしているといわれています。皮脂の他にも、遺伝的要因、ホルモン分泌、ストレス、免疫力低下、皮膚に付着している製品(石鹸、シャンプー、整髪剤)の刺激、環境的要因といった様々な要因が加わることで発症すると考えられています。

免疫も関係している?

「米国家庭医学会」(AAFP)の研究では、後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の約85%において脂漏性皮膚炎を発症しているという興味深い調査結果を発表しています。AIDSは、HIV(ヒト免疫不全ウィルス)感染者の終末期の症状です。AIDSでは、細胞の免疫機能が荒廃し、日和見感染症(健康な体では起きないような感染症)が起こります。正確なメカニズムはまだ解明されていませんが、AIDS患者で脂漏性皮膚炎発症率が高く、重症例も多いことから、免疫系やリンパ系なども脂漏性皮膚炎に大きく関係しているのではないかと考えられています。なお中枢神経系疾患を発症している患者(パーキンソン病、脳神経麻痺、神経麻痺など)も脂漏性皮膚炎を発症する傾向が高くなっています。

乾燥で悪化するか?

また、脂漏性皮膚炎は季節によって症状が大きく変わる病気ではありませんが、AAFPでは、脂漏性皮膚炎は寒冷で乾燥する気候の地域で悪化しやすいと報告しています。

炎症が軽い段階で医療機関へ

炎症が軽い初期段階で病院を受診することが勧められています。適切な治療を早期で実施することで、症状の悪化を防ぎ、その後の継続的な自己管理も可能になります。頭皮や特定の皮膚の箇所(汗を多くかく、毛が多い)に紅斑やかゆみが出てきた、毎日お手入れをしているのに皮膚がはがれ落ちてくる(フケも含めて)場合は、病院を受診するタイミングです。

慢性化する可能性も

脂漏性皮膚炎は、人によって慢性化することがあります。慢性化しやすいのは、適切な対処をとっていない(適切な治療薬、シャンプー、洗顔料などを使用していない)場合、そして個人が置かれている環境の悪化によるストレス、免疫力低下、健康状態悪化といった要因が頻繁に加わる場合です。

脂漏性皮膚炎の発症原因の加算的要因として遺伝的要因もあります。しかし、脂漏性皮膚炎は必ずしも遺伝するものではありません。多くの慢性的な皮膚疾患は、個人の置かれている環境そして免疫力などで発症するかしないかが大きく左右されるためです。

脂漏性皮膚炎の原因についてご紹介しました。もしかして脂漏性皮膚炎かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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