糖尿病の多様な症状 眠気、頭痛、めまい、便秘?皮膚や目への影響は多様?

  • 作成:2016/10/15

糖尿病は、体に多様な症状がでます。三大合併症が良く知られていますが、それ以外も多くの症状があります。眠気、頭痛、めまい、便秘との関係や、皮膚や目への影響について、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

糖尿病と頭痛は関係がある?

糖尿病で眠気が起きる?

糖尿病では血管障害による糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、心血管疾患や脳卒中などの合併症が有名ですが、その他にも様々な症状が起きることがあります。

例えば、糖尿病患者さんは睡眠障害やうつ病を合併しやすいことが分かっています。夜に眠れないと、日中に眠気が出て仕事に支障を来す可能性もあります。また肥満を合併することの多い2型糖尿病(生活習慣によって引き起こされる糖尿病)では、「睡眠時無呼吸症候群」になっていることがあり。夜間に十分な睡眠を取れていないため日中の眠気や集中力低下、高血圧を起こすことがあります。

うつ病を合併していると憂うつな気分になるだけでなく、なかなか寝付けない、寝ても途中で起きてしまう、早朝に起きてしまうなどの症状が起きます。

めまいや頭痛も?

糖尿病の3大合併症の1つである糖尿病性神経障害は、比較的初期に起こるもので、血圧や内臓などを調整している自律神経にも影響が出ます。そのため糖尿病の人は急に立ち上がると血管の調整が追いつかず、めまいを引き起こすことがあります。

また、糖尿病の治療薬であるインスリンや経口血糖降下薬が過剰に効きすぎると、低血糖を起こし、その場合もめまいや頭痛を起こすことがあります。低血糖の時は、その他にも動悸やあくび、冷や汗、手の震えなどが出ることもあります。

糖尿病で頭痛を自覚した時には、血圧が異常に高くないか確認することも大切です。糖尿病には高血圧を合併しやすく、高血圧が持続すると脳出血やくも膜下出血を引き起こす可能性があり、自覚症状として頭痛が起きることがあるからです。

糖尿病で便秘になる?

糖尿病性神経障害により自律神経が障害されると、下痢や便秘を起こすことがあります。自律神経は、血管や内臓を調整している神経なので、障害されることによりめまいや消化管の機能低下を引き起こします。結果として下痢や便秘を交互に繰り返したり、どちらかが持続することがあります。

治療は血糖値のコントロールが重要ですが、症状に合わせて下剤や止痢剤を使用することがあります。

糖尿病の皮膚への影響

糖尿病では、血行障害や神経障害、免疫力の低下により、皮膚に潰瘍や感染症を起こしやすいと言われています。潰瘍ができた状態で放置していると、その部分に細菌が感染し壊疽(壊死の1種)を起こすことがあります。また、末梢血管などの細い血管が高血糖により障害を受けると、赤ら顔や手足の指や足の裏が赤くなる糖尿病性紅潮が見られます。

皮膚の症状は悪化すると壊疽になり、切断する可能性もあるため毎日観察するようにして、小さい傷や潰瘍などを見逃さないようにしましょう。

糖尿病では、皮膚の乾燥、神経障害による発汗異常や感覚神経障害により、かゆみを自覚する患者さんが多いと言われています。皮膚をかいた傷から感染してしまうこともあるので、こまめに汗をふきとり、皮膚の清潔を心がけることが大切です。

糖尿病の目への影響 白内障?

糖尿病の三大合併症である糖尿病性網膜症は、末期になると出血、視力低下、飛蚊症を起こし、最終的に失明に至る可能性があります。しかし、糖尿病では糖尿病性網膜症以外でも、白内障や角膜障害、黄斑症、緑内障、虹彩炎など様々な目の障害が出る可能性があります。

白内障では視界に、もやがかかったように白く濁って見えたり、昼間はまぶしくて物が見えづらいという症状が出ます。

角膜障害では、角膜の表面が障害されドライアイ(目が乾く病気)になります。

緑内障では、眼圧の上昇により眼痛、頭痛、吐き気などが起こり、放っておくと失明の原因になります。

虹彩炎では霧がかかったように見えたり、視力低下を自覚します。

このように糖尿病では目に様々な疾患を引き起こす可能性があるため、眼科受診も必須となります。

糖尿病の多様な症状についてご紹介しました。「糖尿病にまつわる症状では」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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