ペストの原因、感染経路、致死率、種類、予防 日本の発生状況は?世界では?怖い理由も解説

  • 作成:2016/10/03

ペストの原因となるのは、そのままですが「ペスト菌」という菌です。未治療の場合、30%から60%が死亡するとされます。日本を含めた発生状況、感染経路を含めて、医師監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

ペストの致死率はどれくらい?

目次

ペストの原因はペスト菌?どんなもの?

ペストの原因となるのは「ペスト菌」です。「グラム陰性桿菌(いんせいかんきん)」に分類され、「エルシニア・ペスティス」ともいいます。本来は野生に住むネズミなどのげっ歯類がかかる病気ですが、ネズミに吸いつく「ノミ」を介して人にうつります。主に「ケオピス」や「セラトフィルス」「ノソフィルス」というノミが人につきやすく、これらが感染を媒介することとなります。

ペストの感染経路 ネズミが媒介?他の動物も?

感染源になるのは、主に森林原野のペスト菌が存在する地域に生息するネズミです。ペスト菌をもつ野生のネズミにノミが吸いつくと、血液と一緒にペスト菌をもらいます。そのノミが森林に入ったハンターや木こりについて感染することもあります。

また自然災害や環境の悪化で、森林の野ネズミが田畑や人の住む地域まで下りてきて、ノミを介して民家のネズミにペスト菌をうつすことがあります。そのような状況では、ペスト菌を保有するノミが人に接触する機会が多くなります。人が咬まれると、傷口からペスト菌が入り込んで感染します。

あまり多くありませんが、ペストの感染が広がった地域ではネコやイヌ、クマ、ラクダ、ブタ、ヒツジなどにペストが感染した例が報告されています。またペットや家畜から人への感染も報告されています。

またペスト菌が肺に侵入すると咳やくしゃみなどによって菌が飛び散り、人から人への感染が急激に拡大します。

ペストの致死率 ペストが恐れられたのはなぜ?

ペストは感染力が高く、また発症すると死亡する確率の高い病気です。末期症状では、全身に紫のまだらが出て死にいたることからかつては「黒死病」とも呼ばれました。11世紀から14世紀の中世のヨーロッパではペストの大流行により、総人口の4分の1が亡くなったと言われます。日本では明治時代や大正時代に何度か流行しました。政界保健機関によると、未治療のままでだと、致死率は30%から60%とされています。(http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/12011552.html)

日本におけるペストの状況 最後の患者はいつ?

日本にペストが入ったのは1899年のことで、明治末期、特に大阪や神戸などの関西で猛威をふるいました。今までにペスト患者2905人、死者2420 人が報告されています。ペスト菌の発見者である北里柴三郎や、当時の日本政府のペスト防御対策によりネズミの撲滅が進み、日本で最後にペスト患者が報告されたのは大正15年(1926年)のことです。それ以来、日本では一例も報告されていません。

世界におけるペストの状況 患者はどれくらいいる?まだ流行している国がある?

最近ではペストの大流行は起こっていませんが、世界からペストがなくなったわけではありません。WHOによれば、1995年のペスト患者は2861人でそのうち137人の死亡が確認されています。患者の90%はアフリカ地域の国ですが、中国やアメリカ、ベトナムやモンゴルなど世界中に患者が見つかります。

減少傾向にありましたが、世界的には1980年代から再び増加しています。1994年にはインドでペストが大流行しました。このときのペスト患者は876人で、54人が亡くなっています。最近ではアフリカのコンゴで流行して、2005年の時点で130人の発症者と57人の死亡者が確認されています。その後も2009年に中国、2010年にペルー、2014年にマダガスカルで発症者が確認されています。

ただし医療の発達や流行地での教育などにより、発症から死にいたる割合は以前より減ってきています。

ペストの予防接種(ワクチン)の効果と副作用 いつ受ける?

発症してしまうと急激に症状が悪化して死にいたることもあるため、ペストを避けるには予防が第一です。ペストが流行している地域へ渡航する場合には「ペストワクチン」を接種します。ただしワ、クチンをうったからといって、ペスト菌に感染しないわけではありません。一般にワクチン接種によって倦怠感が出るという報告がされています。

ペストワクチンは厚生労働省の依頼で、国立感染症研究所で製造しており、検疫所で入手することができます。

ワクチンの接種が推奨されるのは、ペスト患者に接する医療従事者やJICA やWHO の専門家など、またペスト感染の危険性のある地域へ派遣される海外協力隊員や自衛隊員、ジャーナリストや商社の方なども対象になります。

ペストは予防接種以外で予防できる?

ペスト菌の撲滅には、ペストに感染したネズミやノミの駆除、衛生面での改善やペストに関する教育が必要です。

ペスト流行地帯へ渡航する場合、またはペストの患者に接触した可能性のある人には、予防のために抗生物質を投与するようWHOが勧めています。抗菌薬(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ST合剤)を、感染、発症していない状態で、治療で用いる量の2分の1または同じ量だけ服用します。不安な方は医療機関などに問い合わせみるとよいでしょう。

ペストの原因や致死率などについてご紹介しました。なんらかの病気を疑って、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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