敗血症の原因、予後、死亡率、後遺症、予防方法 子供の原因に特徴?

  • 作成:2016/09/26

敗血症の原因は細菌感染です。敗血症は細菌感染がひどくなり、全身に症状が広がった状態で、死亡したり、後遺症が残る可能性もあります。子供の敗血症の原因の特徴や予防方法を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

敗血症の死亡率はどれくらい?

敗血症の原因は何?菌への感染?多様?肺炎でもなる?

敗血症の原因は細菌感染です。当初は身体の一部だけの感染症であったものが悪化し、全身の反応を起こして敗血症になると考えられます。そのため身体に起こる細菌感染は、全て悪化すると敗血症の原因となる可能性があり、敗血症の原因は実に多様です。

米国のある報告では、敗血症の原因となった感染部位のトップ3は肺炎、腹部の感染症、尿路感染症でした。次いで、皮膚や皮下組織の感染症、カテーテルなどの医療行為による感染、外傷、髄膜炎などが挙げられています。各感染部位によって原因となりやすい菌の種類は異なり、菌の種類によっても死亡率に違いがあるという報告もみられます。

赤ちゃんの敗血症の原因は特別なものがある?

小児の敗血症は3歳以下に多く、約80%が「肺炎球菌」、残りの約20%が「インフルエンザ菌b型(Hib:ヒブ)」という菌が原因で起こります。どちらも喉に住んでいる普通の細菌ですが、これらの菌が肺炎や尿路感染症などをきっかけにして血液中に入り込み、敗血症となる場合があるのです。これらの菌は「髄膜炎(ずいまくえん)」という重い病気の原因にもなる可能性もあるため、予防の目的でワクチンの接種が推奨されています。

また、生後90日以内に発症した敗血症をとくに「新生児敗血症」と呼んで、区別しています。新生児敗血症は一般的な幼児、大人の敗血症と異なり、分娩時の感染に関連することが多く、原因となる細菌や治療も異なるため区別されているのです。

新生児敗血症は「早発型(生後7日目までに発症)」と「晩発型(生後7日目以降に発症)」に分けられます。「早発型」は生まれてから1週間以内に発症するもので、その大部分は誕生後数時間以内に発症します。新生児敗血症の75%から90%が早発型と言われています。早発型の新生児敗血症ではほかに肺炎、髄膜炎、呼吸不全などがみられます。

出生後1週間から数カ月の赤ちゃんでも、敗血症を発症する場合があり、「晩発型」と呼ばれています。晩発型では、肺炎や呼吸不全などの呼吸器感染症は少なく、髄膜炎などが多くなっています。その他には中耳炎、関節炎、骨髄炎、結膜炎、副鼻腔炎、蜂窩織炎(皮膚に症状が出る炎症の1つ)など、全身の各部位に感染症が起こる可能性があります。

晩発型の新生児敗血症の半分は、分娩時に感染したのではなく、感染の経路が不明であると言われています。これは周囲の人に、菌の保菌者がいたり、手や口に触れるものが、細菌で汚染されていて感染する可能性があるためです。新生児に触れる場合は、よく手を洗い、赤ちゃんの身の回りのものや哺乳瓶は常に清潔に保つよう心がけましょう。

敗血症は完治する?

敗血症は細菌による感染症ですので、抗生剤を適切に使用し治療を行うことで完治する可能性がある病気です。しかし、敗血症は一度発症すると数時間から1日単位で急激に進行する場合があり、重症敗血症の死亡率は25%から40%とも言われています。初期治療が遅れると命にかかわる病気であることは間違いありません。

また敗血症に伴って、腎臓や肝臓の機能障害や脳にダメージを受けた場合などは、回復するまでに何カ月もかかったり、後遺症が残るケースも珍しくはありません。

敗血症の予後 後遺症はどんなものがある?致死率はどれくらい?

敗血症の予後(治療後の見通し)を決定する要因は、「治療開始までの時間」と「適切な抗生剤の選択」であると言われています。治療開始が遅くなると、明らかに予後が悪くなると言われており、大人の敗血症では診断されてから6時間以内に治療を開始することが重要とされています。また、敗血症の原因となっている細菌の種類に合った適切な抗生剤をすみやかに投与することが非常に重要ですが、近年抗生剤の使いすぎによって増えている耐性菌(たいせいきん:抗生剤が効きにくく変化した細菌のこと)の影響もあり治療が難しいケースも増えています。

敗血症では、全身の炎症反応や血圧の低下が起こるほか、「播種性血管内凝固症候群(DIC)」などを合併することで、肝臓や腎臓、脳などの重要な臓器に重いダメージを与え後遺症が残ることがあります。そのため後遺症としては腎機能障害や肝機能障害、意識障害などがあります。また長期の療養生活全般によって起こる後遺症として、認知機能の低下や筋力低下、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などもみられることがあります。

また敗血症は死亡率が非常に高いことが知られています。国や施設によって違いもありますが重症敗血症の場合の死亡率は25%から40%にのぼるという報告もあります。

敗血症は予防できる?方法は?

敗血症は、簡単に言うと感染症が極度に悪化した状態です。敗血症の予防は(1)感染症になりにくく、悪化しにくい身体づくり(2)感染症の早期発見、早期治療です。

(1)については予防接種が重要です。お子さんは決められた予防接種をきちんと受けるようにしましょう。また高齢者の肺炎球菌ワクチン接種も有効であると考えられます。日常生活では疲労やストレスの蓄積で体力が落ちてしまうと感染症にかかりやすく、また感染症が悪化しやすい状態になるため、規則正しい生活をおくりストレスや睡眠不足、過労などを避けるように心がけることが、敗血症の予防につながります。

(2)ではいったん感染症にかかったとしても、早期に発見・治療を開始することで、敗血症になることが避けられる可能性が高くなります。体調に異常を感じた場合は早めに病院を受診したり、日頃から人間ドックなどを受けて健康チェックを行うことが効果的です。



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敗血症について原因、予後、死亡率などをご紹介しました。体調の急激な悪化に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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