敗血症の症状、検査、診断 血液検査の弱点とは?子供の症状に特徴?

  • 作成:2016/09/26

敗血症の症状は、初期では発熱や心拍数の増加があります。血液検査をして原因となる菌を特定しますが、血液検査には弱点もあります。子供の症状の特徴も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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敗血症の検査と診断を知ろう

敗血症の症状はどんなもの?

敗血症の症状は様々ですが、発症した初期の段階では発熱、呼吸数や心拍数の増加、悪寒戦慄(おかんせんりつ:寒気がしてガタガタ身体が震えること)などがみられます。次第に症状が進行すると、血圧が低下したり、尿量が減少することがあります。更に悪化すると脳の機能に異常をきたし、意識がもうろうとしたり、意識を失ってしまうこともあります。

また意外に知られていないこととして、「重症の感染症や敗血症の場合は熱が出ないケースがある」という点があります。特に、高齢者の患者さんによく見られ、「熱は出ていないが、なんとなくぐったりしている」「返答がぼんやりしている」「食事がとれない」程度の症状でも、検査をしてみると、肺炎や敗血症を起こしている事もけして珍しくはありません。お年寄りがご家庭にいらっしゃる方は、熱がない場合でも普段と様子が違ったり、元気がない、食事の量が急に少なくなった場合などは、念のため病院で検査を受けるようにしたほうが安全と言えます。

赤ちゃんの敗血症の症状は特別なものがある?

赤ちゃんの敗血症でまず見られるのは発熱です。赤ちゃんはもともと平均体温が大人よりも高いため37度くらいの体温は発熱ではない事も多いのですが、敗血症では39度、40度というような高熱が続くことが特徴的です。熱のために機嫌が悪くなることは当然ですが、逆にぐったりしてあまり泣かない、反応がにぶいなどの場合は、機嫌が悪いケースよりも更に症状が重い危険な状態であると考えます。敗血症や意識障害、脱水状態となっている可能性があるためすぐに小児科を受診しなければなりません。

また、一見元気に見えても、ミルクや水分が飲めない場合は脱水の危険が高く、また肺炎や尿路感染症、敗血症をはじめとした重症の感染症になっている可能性があるため、すぐに小児科を受診して検査や治療を受けるようにしましょう。

敗血症の検査と診断 血液検査?

敗血症は、血に問題が起きる病気のため、検査は血液検査により行われます。敗血症は、身体に存在する感染症の部分から血液の流れに乗って、細菌や炎症に関連する物質が全身に放出されて影響を及ぼしている状態ですので、「血液の中に細菌が存在するかどうか」と「全身に起こっている炎症の程度」を最初に調べることとなります。

血液の中に細菌が存在するかどうかは「血液培養(けつえきばいよう)」という方法で検査します。培養とは、温度などの環境を整えて、細菌を育てて増やすことを指します。敗血症では細菌が血液中に存在することが多いのですが、そのままでは、細菌の数が少なすぎるため血液を顕微鏡で見ても発見することができません。そのため培養を行って血液中に存在する細菌の数を増やし、顕微鏡で観察して細菌の種類や性質を特定する必要があるのです。

敗血症の治療では細菌を殺す作用がある抗生物質(抗生剤)という薬が使用されます。抗生物質には多くの種類があるのですが、細菌のタイプによって効きやすい薬とあまり効かない薬があるため細菌の種類を特定することで、その患者さんに特によく効く抗生物質を選ぶことができるようになります。また同じ種類の細菌でも、抗生剤の効き方(抗生剤に対する「感受性」と言います)が異なるため、細菌の種類と一緒に各種抗生剤への感受性を調べることで、該当の細菌にピンポイントで良く効く抗生剤を投与できるようになるのです。

血液培養の弱点とは?

このように敗血症には非常に有用な血液培養ですが、下記のようないくつかの弱点もあります。

(1)陰性でも敗血症でないとは限らない
(2)偽陽性がありえる
(3)血液培養を行う前に抗生物質を使用していると検査結果が正確でない場合がある
(4)検査結果がでるのに時間がかかる

(1)について、敗血症では血液培養が陽性になる(血液中から細菌が検出される)ことが多いのですが100%わかるわけではなく、「陰性(血液中に細菌が検出されない)」の場合もあります。そのため血液培養が陰性でも、敗血症を否定することはできません。

(2)について、本当は血液培養「陰性(血液中に細菌が存在しない)」にも関わらず、血液を採取する際に皮膚などの細菌が誤って血液に混入し、陽性となる場合があります。そのため血液培養を行う際、身体の異なった2か所から血液を採取し、2つとも陽性だった際にはじめて血液培養陽性と判断するよう定められています。

(3)血液培養を行う前に、点滴や飲み薬で抗生物質を使用してしまうと、身体から細菌が排除されてしまうため、血液培養の結果が出にくくなることがあります。そのため血液培養を行う場合はできるだけ抗生物質の使用を開始する前に血液を採取することが望ましいとされています。

(4)血液培養の結果が出るまで3日から5日程度かかるのが普通です。そのため、病院での治療の際は敗血症が疑われた場合には、まず様々な細菌に広く効果がある抗生物質の点滴を開始し、血液培養の結果が出たら原因となっている細菌に特によく効く抗生剤に変更するという方法が推奨されています。

重症度もわかる血液検査

全身にどの程度の炎症が起こっているか、つまり敗血症の重症度も血液検査である程度測定することができます。一般的な血液検査で白血球の数やCRPという炎症反応についての項目を見ることができるのですが、炎症が強いほど白血球の数と炎症反応(CRP)の値が上昇します。ただし高齢者や非常に重症の敗血症では白血球の数が増えなかったり、かえって減少することもあるため注意が必要とされています。血液検査の以外にも、病院では胸部X線検査や尿検査、敗血症の原因となった感染症に応じて様々な検査が行われ、治療の方針が決まります。



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敗血症について症状や検査などをご紹介しました。体調の急激な悪化に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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