蜂窩織炎の治療、診療科、検査、入院 薬の種類や副作用は?手術、血液検査、治療期間、血液検査の意義なども解説

  • 作成:2016/09/16

蜂窩織炎(ほうかしきえん)の診療科は、治療は、基本的に薬を飲むことになりますので、内科でも皮膚科でもよいと考えられます。ただ、悪化してくると膿を出す処置が必要になりますので、その際は皮膚科のほうがよいかもしれません。治療薬の種類や副作用などを含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は6分です

蜂窩織炎の治療を知ろう

目次

蜂窩織炎の診療科は何科?

蜂窩織炎は、皮膚から皮下組織の細菌感染症ですが、高い熱が出ていることが病院を受診するきっかけになる場合、初めに内科、小児の場合は小児科を受診する方も多いようです。蜂窩織炎の診断は比較的容易で、治療は抗生物質の投与ですから、そのまま内科や小児科で治療することもあります。

しかし、ある程度進行した蜂窩織炎では、化膿した部位を切開してガーゼ交換をする必要が出てきます。そのような場合は外科系の診療科(手術をするような診療科)で対応することになって、一般外科や整形外科などでの加療となることもあります。

また、皮膚の発赤(赤くなること)に気がついて医療機関を受診した時には、ほとんどの場合、皮膚科を受診することになります。皮膚科では、内科的な治療も外科的な治療も行いますから、蜂窩織炎の治療には最適で、蜂窩織炎に似た「結節性紅斑」という病気や、虫さされなどの疾患を区別することにも慣れています。蜂窩織炎を疑う時は、皮膚科の開業医や、病院の皮膚科を受診するのが最も良いでしょう。

重症の蜂窩織炎では入院加療が必要となることがありますが、地域によっては病院に「皮膚科」という診療科がないことがあります。皮膚科がない場合は、整形外科や一般外科、内科が担当して、入院による治療となることもあります。

蜂窩織炎の検査と診断の概要 血液検査をする?

蜂窩織炎では、血液検査を行い、白血球数、「CRP(炎症の強さの度合いを示す項目)」を調べることが一般的です。検査結果、発熱の程度、皮膚の発赤の程度、および合併症の有無を考えて、抗生物質の内服(飲み薬を飲むこと)で良いのか、抗生物質の点滴が必要なのかを判断します。

局所が腫れて膿がたまっている場合は、切開を行い、膿から細菌培養検査を行って、適切な抗生物質を選択することになります。非常に高い熱が出ている場合などで敗血症(血液中に細菌が入っている病気)を疑う場合には、血液を取って細菌培養を行います。

骨にまで、細菌感染が広がっている可能性があれば、X線写真を撮って確認します。重症の場合、はCTやMRI検査を行って、「ガス壊疽(えそ)」や「壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)」という細胞が死ぬ病気になっていないかを検討することもあります。

まれではありますが、蜂窩織炎かどうか疑わしい時には、皮膚科では皮膚を切り取って顕微鏡で調べて見るという「病理組織検査」という検査を行うことがあります。

蜂窩織炎の治療薬 抗生剤?クラビット?使う薬はどう選ぶ?

蜂窩織炎は細菌が増殖して起こった疾患で、細菌の増殖を抑えていくことが治療となります。蜂窩織炎を引き起こす主な細菌は、「黄色ブドウ球菌」「溶血性連鎖球菌」ですが、小児では「インフルエンザ菌」「肺炎球菌」なども原因菌となります。原因となっている菌によって、薬の選択は変わってきます。

「溶血性連鎖球菌」にはペニシリン系の抗生物質が最もよく効きます。溶血性連鎖球菌の感染症では、治療期間が短すぎると後日、腎炎を起こすことが知られていますから、10日間程度は連続して抗生物質を投与します。ペニシリンに、アレルギーがある場合、「セフェム系」や「マクロライド系」などという他の薬を使用することになります。

「黄色ブドウ球菌」と「インフルエンザ菌」には通常の抗生物質の効かない耐性菌があることが問題になります。セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、クラビットなどのニューキノロン系統の薬剤などが全て無効であれば、内服薬(飲み薬)による治療が難しいこともあります。

通常は、蜂窩織炎の治療開始時点では、原因菌が確定していません。そのため、多くの場合ではペニシリン系やセフェム系の抗生物質を使って治療を開始することになります。重症例では抗生物質による治療を開始する前に、患部を切開して膿を出し、細菌培養を行って、有効な抗生物質が何であるかを調べます。最初に使った薬で数日間経過をみて効いていないと判断すれば、検査結果を元に薬剤を変更して治療を継続することになります。

なお、発熱を抑えたり痛みを和らげる目的で、「非ステロイド系消炎鎮痛剤(ステロイドでないもの)」が合わせて処方されることがあります。非ステロイド系の薬は、本来症状に合わせた治療であり、疾患の治療に必須なものではありません。非ステロイド系消炎鎮痛剤は連用すると胃を痛めたり、腎臓を痛めたりすることがありますから注意が必要です。

蜂窩織炎の治療薬 子供の場合何か特徴がある?

子供の治療では、テトラサイクリン系の薬剤は、「歯と骨に問題が生じる可能性があること」「ニューキノロン系の薬剤は動物実験で関節異常が認められていること」「マクロライド系薬剤では苦い味のため内服しにくいこと」などを考慮する必要があります。結果的に、子供の場合、大人の場合より治療薬剤の選択肢が減ることになります。

蜂窩織炎の治療薬の副作用 アレルギーが起きる?

抗生物質と非ステロイド系消炎鎮痛剤の副作用としては、まずアレルギーを考える必要があります。初めのうちは特にアレルギー症状を起こさなかった薬でも、しばらく使っているうちにアレルギーとなってしまい、薬疹、急速な呼吸困難と血圧低下を伴うアナフィラキシー、肝機能障害、白血球減少などさまざまなトラブルを起こすことがあります。肝機能障害は全く症状がないこともありますが、疲労感があって採血検査をしてみると、重症の肝機能障害が発見されるということもあります。薬疹は皮膚にできますから、発見は容易ですが、急速に全身に広がった時には、他の症状も出ていることがあるため採血検査を行うことが必要となります。アレルギー症状を起こした薬剤を継続すると、重篤な症状となることがあります。

一方で、慢性的な蕁麻疹などが、感染症が起こった時に悪化することがありますが、蕁麻疹は薬剤のアレルギーとは無関係です。

治療中に何らかの症状が出た時には、「薬剤のアレルギーであるか」「使用中の薬剤による治療を継続して良いか」を適切に判断することが必要になります。治療中に何か気がついたことがあれば、早めに受診してください。なお一度アレルギー症状を起こした薬剤は、後日使うと再びアレルギー症状を起こしますので、アレルギーを起こした場合には、その薬剤名を確認して記録しておくようにしてください。

蜂窩織炎の治療薬の副作用 アレルギー以外は?

長く抗生物質を続けると、抗生物質の効果がないカンジダなどのカビが増殖してトラブルを起こすことがあります。口の中、食道、外陰部、脇の下などにカンジダ症ができることがあります。治療が終了すると改善してくることもありますが、外用剤(ぬり薬)などで対抗できることもあります。

その他、セフェム系や、ニューキノロン系の薬剤では腎機能に問題のある人では、薬剤の排出が遅れるため、血の中の薬の成分の濃度が上がりすぎてトラブルを起こすことがあります。

薬物治療全体に言えることですが、抗生物質でも薬剤相互作用による副作用が生じる可能性もあります。他の病気で治療中の方は、担当医に知らせるようにしてください。特にマクロライド系の薬剤には相性が悪い薬剤が多いので、注意が必要です。

蜂窩織炎の治療期間はどれくらい?

蜂窩織炎は改善したからといって、抗生物質による治療を途中で打ち切ってしまうと、体内に残っていた細菌が再び増殖して再発してしまうことがあります。また一般的に不十分な治療は、抗生物質の効かない耐性菌を作り出す元とされています。したがって4日から5日で改善した場合でも通常は1週間から2週間は抗生物質の投与を続けます。なお「アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)」は3日間内服すると1週間有効な薬剤で、薬剤の内服は3日間で終了というような特殊な例もありますから、薬の内服や中止については自己判断せずに、治療終了のタイミングは担当医の指示に従ってください。

蜂窩織炎の薬以外の治療 手術をする?傷跡は?

蜂窩織炎が進行すると、皮下組織での化膿が進行して膿が貯まってきます。膿がたまると、患部が赤く腫れて熱を持って柔らかくなり、触ったり動かしたりすると痛みが増します。このような状態になると、抗生物質を点滴してもなかなか改善せずに、39度以上の発熱を起こしたり、膿がもっと深い部分に回り込んで「壊死性筋膜炎」というより重症な病気に進展してしまうことがあります。したがって、膿が貯まっていると推定される場合には、患部を切開して、中に貯まった膿を出すことが治療上必要となってきます。

切開して、膿を出す時に通常は少し患部を圧迫しますから痛みを伴いますが、膿を出す処置を行うと症状は急速に楽になってくることが多いので、担当医から切開を勧められた時には、積極的に切開を受けた方が良いでしょう。切開を行うと膿を材料にして、細菌の培養検査を行うことができるのも有益です。

切開というと「傷跡が残るかも」と心配する人もいるかもしれませんが、切開せずに様子を見て悪化してしまうと、自宅で化膿した部分が破裂して、うまく処置ができずにかえってひどい傷跡が残ってしまうことがあります。医療機関で適切な切開を行った方が、傷跡の点でも有利です。

蜂窩織炎だと入院する?入院期間はどれくらい?

蜂窩織炎から血液中に細菌が入って「敗血症」という状態になってm全身に重い症状が出てしまうこと、加えて、細菌がもっと深い部分に侵入して「壊死性筋膜炎」というより重い病気になってしまうことが、蜂窩織炎の悪い経過です。壊死性筋膜炎や敗血症では治療が遅れると取り返しのつかない事態となります。

蜂窩織炎で熱が高くなることは、病気の勢いが強いサインです。熱が高くなった時には、入院して抗生物質を点滴すると、血液中に直接抗生物質を届けることができますから、より確実により早く症状を和らげることができます。

また入院していると、万一敗血症になったり、壊死性筋膜炎になったりしても速やかに対応できますから、熱が高い時には入院加療を受けるのが安全策と言えるでしょう。

通常、抗生物質の点滴治療により、蜂窩織炎の症状が軽くなったら、退院して、通院しながら、飲み薬の抗生物質で様子をみることになります。しかし蜂窩織炎を起こした細菌の種類によっては、点滴の特定の抗生物質のみが有効ということもありますから、1週間程度入院して有効な点滴を継続しておくのが安全な場合も考えられます。退院の際は、医療者から、よく話を聞くのがよいでしょう。



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蜂窩織炎の検査や治療についてご紹介しました。皮膚の異常に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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