蜂窩織炎の疑問 糖尿病・壊死性筋膜炎との関係は?風呂、マッサージは良い?ダメ?

  • 作成:2016/09/16

蜂窩織炎(ほうかしきえん)はある種の菌が皮膚の組織の中に入り込むことで起こる、皮膚の炎症です。最初は、患部が赤くなって腫れ、その後、痛みを感じるようになります。糖尿病、壊死性筋膜炎との関係や、生活への影響を、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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蜂窩織炎と糖尿病の関係とは?

蜂窩織炎と糖尿病の関係

細菌は、日常的に皮膚から皮下組織へ侵入することを繰り返しており、ほとんどの場合は、体の持つ免疫の働きで死滅すると考えられます。細菌が侵入したからといって簡単には蜂窩織炎は発病しないのです。ところが、細菌と戦う力である免疫力が低下していると、細菌が増殖しやすくなって蜂窩織炎を発症する可能性が高くなります。

糖尿病は単に「尿に糖分が出て行く」という疾患ではなく、体の免疫力が低下する疾患です。また、糖尿病の患者の方は、毛細血管が弱くなっているので、細菌感染のために局部が腫れて毛細血管が圧迫されると、容易に毛細血管が障害されて血流量がさらに下がります。血流の低下は、運ばれてくる栄養分、酸素、細菌と戦う白血球数の減少につながって、その部分の状態はますます悪くなってしまいます。

このため、糖尿病の状態のコントロールが悪い方では、蜂窩織炎を発症しやすく、また一旦発症すると急速に悪化しやすいのです。糖尿病の治療がうまくいっていない人の足に蜂窩織炎が発生した時には、足は圧迫されやすいこともあって、急速に病状が悪化することがあります。最悪の場合、足の組織が完全に死んでしまって足の切断に至ることがあります。これが「糖尿病性壊疽(えそ)」と呼ばれる病気です。

糖尿病の患者の場合、痛みの感覚が鈍っていることもあって、蜂窩織炎の発見が遅れがちなことも不利な点となります。

糖尿病はある方は普段から自分の足をよく見ておくようにして、皮膚にトラブルがある時には早めに皮膚科を受診してください。「水虫かな」と思って放置しておくと、数日の間に悪化して。糖尿病性壊疽となってしまうことがあるのです。

蜂窩織炎と壊死性筋膜炎の関係

「壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)」とは、皮下組織の深い部分から筋肉の表面近くに起こった細菌感染症です。壊死性筋膜炎は、より浅い部分の細菌感染症である「蜂窩織炎」が悪化して生じることが多いのですが、皮膚とは全く無関係に体の遠い部分から、血液により細菌が運ばれて生じることもあります。

壊死性筋膜炎は蜂窩織炎より重症の感染症であり、早急に患部を切開して死んだ組織を切除して、排膿する(膿を出すこと)などの緊急手術が必要となります。壊死性筋膜炎の治療の遅れは取り返しのつかない事態となることがあります。したがって壊死性筋膜炎はできるだけ早く見つけることが大切になります。

蜂窩織炎でも壊死性筋膜炎でも、局所が腫れて痛くなり熱が出ることは同じですが、壊死性筋膜炎では、病変部の皮膚に水疱(水ぶくれ)、出血斑(皮膚組織の下での出血したあと)が生じて、やがて黒色から褐色調の部分が出てきます。また皮膚の表面の炎症がなさそうな部分を触っても激痛を感じることもあります。

蜂窩織炎の治療をしているうちに、壊死性筋膜炎となってしまうことがありますので、蜂窩織炎の治療の経過が思わしくない時は、早めに医療機関を再度受診するようにしてください。

蜂窩織炎の際の生活への影響 入浴やマッサージはだめ?

蜂窩織炎の場合、通常は皮膚の表面には目に見えるような大きな傷はできていませんから、特に入浴して悪くなるということはありません。ただ、蜂窩織炎の経過が悪くて水疱(水ぶくれ)ができたり、潰瘍となって大きな傷ができたりしている場合は、患部はシャワーのみにしておくのが無難です。大きな傷となってしまった時には、シャワーをした後、指示された軟膏を塗ってガーゼを当てておくなどの処置が必要です。

炎症が激しい時に患部をマッサージすると、痛みが強くなりますから、炎症が激しい際の無理なマッサージするはおすすめできません。しかし、リンパ液が皮下組織にたまって腫れていることが、蜂窩織炎を引き起こす原因となっていると判断された場合には、少し痛みを伴いますがマッサージをしたり、弾力包帯などで圧迫して治療の補助とすることがあります。

蜂窩織炎のために熱が出ている時に、解熱剤や鎮痛剤を飲むと、熱は下がって体は楽になりますが、解熱剤や鎮痛剤は病気を治しているわけではなく、対症療法にすぎません。熱が下がったからといって抗生物質の使用を中止したり、無理をして体に負担を与えると蜂窩織炎の治りが悪くなりますので注意してください。



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蜂窩織炎の糖尿病との関係や生活への影響などの疑問についてご紹介しました。皮膚の異常に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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