鉛中毒の原因、症状、診療科、治療、再発、予防 家庭内も危険?脳に障害の可能性も

  • 作成:2016/08/25

鉛中毒は、文字通り、鉛を大量に体内にとりこんだことで起こる中毒症状です。初期症状としては、頭痛や便秘などが起きますが、脳の障害を起こす可能性があります。診療科、治療、再発可能性なども含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

鉛中毒の原因は家庭内にも?

鉛中毒の病気の特徴や原因

鉛中毒は、特定の職業に就くことでかかる可能性が高くなる病気です。具体的には、蓄電池の製造および解体、ハンダ付け、溶接、塗装などの作業を行う職業です。

鉛中毒のほとんどは、鉛の粉塵(ふんじん)またはヒューム(高熱で溶けた金属の蒸気が一部固まってできる微細な鉛のかたまり)を吸って、身体の中に取り入れてしまうことで起こります。

このため、鉛を削ったり溶かしたりする職業や、また、塗料として鉛を使う塗装に関する職業の方がかかる可能性が高くなります。

とはいえ、他の職業なら安心というわけでもありません。最近では、家のリフォームで塗装されている表面をやすりがけした時に、鉛の粉塵やヒュームを大量に吸いこんでしまった例も報告されています。また、鉛を含んだ塗料を誤って飲み込んでしまうことも原因になります。

鉛中毒の症状

鉛中毒では、初期の症状として、頭痛や便秘、全身のだるさなど、なんとなく体調が悪い状態が続きます。やがて、貧血になって、吐き気や眠気などの症状が出てくるようになります。この他、おなかの突き刺さるような痛みや、手の感覚の麻痺(まひ)がみられることもあります。

注意が必要なのは、小さな子供です。幼い子供が鉛をたくさん身体の中に取り入れてしまうと、脳の障害を起こすことが知られています。脳が障害されると、精神遅滞や行動異常、最悪の場合、意識障害が起こることもあります。

鉛中毒の診療科

鉛中毒かも、と不安に思ったら、まずは内科を受診しましょう。鉛中毒では、血液中に溶けている鉛の濃度や、血液中に鉛が存在することによる副産物として生じる「プロトポルフィリン」というタンパクの濃度が高くなります。診断のためには血液検査が行われます。手の感覚の麻痺やしびれがあるときは、神経内科に受診するのもいいでしょう。

鉛中毒は、頭痛や便秘、吐き気といったように、初期の症状に特徴づけるものがありません。このため、診断が遅れてしまうことも珍しくないようです。鉛中毒を疑って受診するときは、思い当たる原因(職業、リフォームなど)を主治医に相談することで、早期発見、早期治療につながります。

鉛中毒の治療

鉛中毒の治療法は、洗い流すか、排泄するかの2つの方法で、身体の中から鉛を取り出します。

身体の中の鉛の濃度が高いなど緊急性がある場合は、「全腸洗浄」といって、口から大量の薬液を流し込んで、胃や腸に溜まっていた鉛を洗い流します。

鉛の濃度がそこまで高くない場合は、「キレート剤」という薬を使って身体の中に留まっていた鉛と結合させて、尿中に排泄させる方法をとります。キレート剤は、亜鉛や鉄など身体にとって大切な成分も一緒に排泄させてしまうので、味覚障害や貧血などの副作用が生じてしまうことがあります。

鉛中毒の再発可能性と予防

鉛は一旦身体の中に入ると10年留まるといわれています。鉛を身体の中に取り入れ続けてしまえば再発の可能性は十分あります。予防方法はただ1つ、身体に取り入れてしまわないように気を付けることです。

家庭でできる予防法は、定期的な掃除です。家の中のほこりには、鉛を含んだ塗料が混じっている可能性があります。それを吸い込んでしまわないように、家を綺麗にするのは大事なことです。また、子供が口にくわえるおもちゃやおしゃぶりもこまめに洗ってあげるようにしましょう。

職場でできる予防法は、適切に防護具を着用することです。冒頭で挙げたような職業に関わっている方は、仕事中は防護具の着用を徹底し、帰宅したら衣類や靴を変え、シャワーを浴びて、鉛が付着している可能性があるものはとは距離を置くようにしましょう。

鉛中毒は、はじめのうちは軽い症状で済むかもしれませんが、脳に障害が出るようになると、治療しても元の体調に戻ることができなくなってしまいます。早期発見も大事なことですが、なによりも予防が大切と言えます。

鉛中毒についてご紹介しました。体調の不良の原因がわからず不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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