心因性頻尿の原因、症状、診療科、治療、再発可能性、予防方法 トイレに執着する?

  • 作成:2016/07/14

心因性頻尿とは、体の異変が確認できないにも関わらず、2時間以下の間隔でトイレにいきたくなる症状で、リラックスしている際は、トイレにいきたい気持ちにならない特徴があります。診療科や治療、再発可能性なども含めて、専門医師の監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

心因性頻尿とはどんな病気?

心因性頻尿の特徴

「さっきトイレに行ったのに、また行きたくなった」という経験ありませんか。これは、緊張すると誰にでも起こることで、病気ではありません。

心因性頻尿は、ある日、突然、ふと、トイレに何度も行ってしまったことが気になり、「トイレに何度も行く自分は変だ」「トイレに何度も行く自分の事を周りの人は、変な人と思っているに違いない」と思い込んでしまうことから始まります。そして、人から「変な人」と思われたくないため、トイレに行かないように意識してしまいます。

不思議なことに、トイレに行かないように意識すればするほど、余計にトイレに行きたくなってしまうし、試験中や会議中などトイレに行くことが難しい場面になると、「もし、途中で、トイレに行きたくなったら?」と不安になり、トイレを済ませたはずなのに、何度も何度もトイレに行ってしまいます。

「何度もトイレに行くと、変な人に思われる」という思い込みから、トイレに行くことへの恐怖心が生まれ、トイレを意識しすぎるあまり不安に襲われ、何度も何度もトイレに行かないと落ち着かなくなってしまうのです。

特に、人と会うなど緊張する場面、試験中や会議中などトイレに行けない状況になると、「トイレに行きたくならないかな?」との心配が強くなって、余計に何度も何度もトイレに行ってしまうのが、心因性頻尿の特徴です。

また、心因性頻尿では、別に腎臓や膀胱に病気があるわけではないので、夜寝ているときやリラックスしているときは、トイレに何度も行きません。

心因性頻尿の原因

なぜ、このような事が起こるのでしょうか。人は、緊張したり、「・・・してはいけない」と思うと、「交感神経」という神経の働きが活発になります。「交感神経」とは、体を活動モードにする神経で、交感神経の働きが活発になると、頭がさえ渡り、何事に対しても敏感になり、膀胱も収縮しやすくなります。

疲れやストレスが溜まっていると、交感神経が活発な状態になりやすく、今まで気にならなかったことが急に気になりだし、心因性頻尿の状態になってしまいます。

心因性頻尿の症状

心因性頻尿の症状は以下の通りです。

(1)2時間以下の間隔でトイレに行きたい気持ちになり、繰り返しトイレに行く。特に、緊張場面や試験中や会議中など周囲の視線が集まりやすく、トイレに行きにくい状況では、ひどくなる。

(2)夜、寝ているときや昼間でも人の視線があまりない状況、リラックスしている状況ではトイレに行きたい気持ちにならない。

(3)痛みや発熱などの体の症状はなく、検査で異常なし。

(4)「周囲にどう思われているか?」とても気になる。

(5)「トイレに行きたくなったら、どうしよう」と常に不安を抱えている。

心因性頻尿の診療科

心因性頻尿の原因は、診断がつけば、心の問題ですので、対応する診療科は、心療内科もしくは精神科なのですが、膀胱や腎臓などの内臓の病気が原因で頻尿が起こっていないということを確かめる必要がありますので、泌尿器科または内科を受診して、尿検査や血液検査、エコーなどの画像検査を受けます。

検査の結果、特に、異常がないとなれば、心療内科もしくは精神科を受診し、原因となっている心の中の思い込みや不安な気持ち、トイレへの執着心を緩和させる治療を受けます。

心因性頻尿の治療

「トイレに行きたくなったら、どうしよう」という不安に対しての治療を主に行います。

具体的には、緊張場面やトイレに行けないような場面の前には、事前に、トイレに行き、「トイレを事前に済ませておいたので、大丈夫だった」という不安を打ち消す経験を積ませ、不安な気持ちの緩和を図る方法や、膀胱の収縮を抑える薬や不安な気持ちを抑える薬を服用しながら、できるだけトイレに行く回数を減らすようにする方法を行います。

心因性頻尿の再発可能性と予防

心因性頻尿は、ストレスや疲労の蓄積が原因となって起こるため、一度治っても、ストレスを溜めこんでいたり、疲労がたまっていたりすると、再発しやすくなります。

特に、真面目で几帳面な人や完璧主義の人では、ストレスや疲労を溜めこみやすいので 再発しやすいです。

そこで、心因性頻尿を予防するために、再発しないようにするために、日ごろからストレス発散、リラックス時間を作ることを心がけることが大切です。

具体的には、趣味活動など自分の好きなことに取り組んでみたり、鳥の鳴き声や海の音が収録されたCDを聞いたり、DVDを見たりして気持ちを落ち着かせる時間を作ったりします。

心因性頻尿についてご紹介しました。トイレの回数が多くて、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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