妊娠初期に肩こり、動悸、息切れ、胃痛、胸焼けが起きる?どう対応?胃もたれも起きる?

  • 作成:2016/10/10

妊娠初期には、肩こりや胃痛、胸やけなどが起きることがあります。妊娠中は薬に注意が必要ですので、安易な自己対応は危険な場合があります。対応方法を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

平松晋介 監修
ちくご・ひらまつ産婦人科医院 院長
平松晋介 先生

この記事の目安時間は3分です

妊娠初期には胸やけがおきやすい?

目次

妊娠初期と肩こりの関係

妊娠中に多い悩みとして、肩こり・腰痛があげられます。肩こりにはさまざまな原因からおこりますが、妊娠中特有の原因としては以下のものが考えられます。

・流産への不安やつわりのつらさから運動不足になる
・ほてりや熱っぽさを解消するために体を冷やしがちになる
・妊娠や出産に対する不安からストレスをためる
・仕事の調整と周囲の無理解に対する疲れ
・骨盤周辺の靭帯がゆるむために肩こり・腰痛になる
・胸が張ってくることによる姿勢の変化

妊娠初期はだるさやつわりなどの理由から運動不足になりがちで、血行不良から肩こりになるケースがよく見られます。医師から止められているのでなければ、ストレッチやウォーキングなど適度な運動を取り入れるようにしましょう。精神的・身体的ストレスから筋肉がこわばって肩こりになることもあります。これはなかなかコントロールの難しい問題ですが、良い相談相手や自分なりのストレス解消法を持つことがポイントです。

妊娠中の肩コリで悩ましいのは、市販の飲み薬や湿布、塗り薬が気軽に使えないことです。飲み薬の筋肉弛緩剤は効果が高いと言われていますが、妊娠中の服用は禁止されています。「湿布や塗り薬は飲み薬とは異なりリスクが少ないのでは」と誤解されがちですが、妊娠中には良くない成分が体内に浸透するので、使用が制限されているものが多くあります。

薬がダメなら誰かにほぐしてもらいたいところですが、マッサージ店や整体院では妊娠していると施術を断られることが少なくありません。最近ではマタニティマッサージをしてくれるところも増えてきているので、自宅や職場の近くで探すと良いでしょう。つらい肩こりは産婦人科でも相談できることがあります。薬を処方される場合は多くが葛根湯です。

妊娠初期と動悸、息切れの関係

妊娠後期になるとお腹が大きくなって体への負担が増すため、動悸・息切れを起こすことがよくあります。しかし、妊娠初期でも動悸・息切れとは無縁ではありません。以下のような原因が考えられます。

血液量の増加に伴うもの
妊娠すると、体内では血液量と心拍数が増加するため心臓に負荷がかかります。血液量は最大で妊娠前の50%増加し、心拍数は30%から50%増加します。体を動かしたりすると、血液中の酸素をはやく全身に送る必要があるため、鼓動がはげしくなって動悸が起こります。また、血液が増える量に比べて赤血球はそれほど増えないため、酸素が十分に供給されず、酸素を補給しようと呼吸がはげしくなって息切れを起こします。

ホルモンバランスとの関係性
血液量や心拍数だけでなく、ホルモンとの関係もあるのではないかという説もあります。 黄体ホルモン(プロゲステロン)が増えることによって呼吸中枢が刺激され、酸素消費量や換気量(呼吸の数)が増えるというものです。ホルモンが体内の二酸化炭素の濃度を下げようと指令を出すため、呼吸が早くなり息切れを起こすのです。

動悸・息切れがある場合は、無理をせず休息をとるようにしましょう。正常な妊娠の場合、積極的に運動をすることが推奨されていますが、普段よりも疲れやすい状態にあるので、激しい運動は適していません。ゆっくり息をすることを意識する有酸素運動がおすすめです。

妊娠初期と胃痛、胃もたれの関係

妊娠初期に起こる胃痛や胃もたれは、つわりの症状のひとつです。原因はさまざまですが、黄体ホルモン(プロゲステロン)の増加により胃腸のはたらきが抑えられ、消化不良を起こすためだと考えられています。

プロゲステロンは子宮の収縮をおさえ胎児が成長しやすくなるようにはたらきかけるホルモンですが、同時に消化管の運動を低下させてしまう副作用があります。そのため、食べ物の消化に通常よりも長く時間がかかってしまい、胃痛や胃もたれを引き起こします。

妊娠中の胃のトラブルには、自律神経も関係しています。自律神経は胃酸の分泌を制御しており、「交感神経」が優位になると胃酸の分泌が減少し、「副交感神経」が優位になると胃酸の分泌が増加します。胃酸が少なすぎると消化不良になりますし、胃酸が多すぎると胃腸炎になってしまいますから、どちらに傾き過ぎても胃痛の原因となるということです。自律神経の乱れは急激なホルモンバランスの変化やストレス、睡眠不足にも影響されます。妊娠初期に胃に不調を訴える人が多いのはこのためです。

胃痛・胃もたれを軽減するには、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。また、食事と食事の間を空け過ぎず、少しずつをこまめに食べるようにします。胃痛の際にオススメの食材としては、消化が良く胃壁を保護してくれるヨーグルト・バナナ・キャベツ・リンゴ・トマトなどが挙げられます。胃酸の逆流を防ぐため、食後すぐに横にならないようにしましょう。胃のあたりをカイロなどであたためると痛みが緩和することもあるようです。

胃腸薬は種類によっては注意が必要です。基本的に第一類・第二類医薬品は妊娠中に自己判断で服用してはいけません。また、第三類医薬品は使用可能ですが常用するものではないので、1週間程度で効果がない場合は服用をやめて受診するようにしましょう。胃腸薬は症状に合わないものを使用すると、症状が悪化することがありますので、病院で症状をくわしく説明して、医師に処方してもらうのが安心です。

妊娠初期と胸焼け、むかむかした感じの関係

妊娠中の胸焼けの原因の多くが「逆流性食道炎」です。逆流性食道炎とは、胃酸が食道に繰り返し逆流して、食道粘膜に強い炎症を起こすことです。逆流性食道炎は胸焼けや食欲不振、むかむか、口の中の酸っぱい感覚の原因となります。

流性食道炎はお腹が大きくなる妊娠後期におこりがちですが、妊娠初期にも発症することがあります。妊娠中に増加する黄体ホルモン(プロゲステロン)は消化管の運動を低下させ、胃と食道を隔てる「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉をゆるめる作用があります。これが逆流性食道炎をおこしやすくします。また、つわりで嘔吐を繰り返していると、吐しゃ物と一緒に胃液も食道を通るため、食道の炎症の原因となります。

逆流性食道炎の治療には、胃酸の分泌を抑制する薬や食道の粘膜を補う薬剤を用います。日常生活では、一度に摂る食事の量を減らし、脂肪分やたんぱく質の多いメニューはなるべく控えめにします。前かがみの姿勢や食後すぐに寝るのは悪化の原因となります。寝る時は上半身を高くして寝ると逆流が起こりにくくなります。

妊娠初期の肩こり、胃痛、胸やけ、動悸などと対応方法などご紹介しました。妊娠初期に今までと違った体調の変化があり、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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