皮膚がんの検診、検査、手術などの治療 薬や放射線の場合も?皮膚科受診時の注意点は?

  • 作成:2016/07/15

皮膚がんは、当然ですが、体の体表である皮膚に症状が出ますので、経験を積んだ医師ならば、見てわかる場合もあります。基本的には、がんができた部分を切り取る治療となりますが、薬や放射線を使う場合もあります。検診のメリットを含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

皮膚がんの手術などの治療を知ろう
皮膚がんの検診のメリット
皮膚がんの検査はどんなもの?
「皮膚がん?」の受診時の注意点
皮膚がんの手術・麻酔はどんなもの?
皮膚がんの手術以外の治療法 薬?放射線?

皮膚がんの検診のメリット

皮膚がんは体の表面にできるものですから、特殊な設備がなくても診察することができます。また、皮膚がんの可能性がある時には、皮膚を切って検査することは内臓の病変の場合よりずっと簡単です。皮膚がんであったとしても、皮膚がんは内臓やリンパ節への転移がなければそれほど怖くはありません。皮膚だけに、癌があるときは手術で切除して、その穴を何らかの方法でふさいでしまうと理論的には治すことができます。このように考えると、皮膚がんほど検診のメリットの大きい癌はないということになります。

皮膚がんの検査はどんなもの?

皮膚がんを早期に発見するためには、まず皮膚科を受診することが何より大切なことです。熟練した皮膚科医は、皮膚の変化を肉眼で見て、皮膚がんかも知れない病変を見つけることができます。皮膚がんが心配になった時に皮膚科を受診することは、胃がんを見つけるために胃カメラの検査を受けるのと同じ意味を持っているのです。気になる病変があれば、ぜひ皮膚科を受診しましょう。

皮膚科医は「デルモスコープ」という特殊な拡大鏡を使用して診察することがあります。これは、単なる虫眼鏡とは違って、少し皮膚の深部の情報が見えるのです。黒い色素斑を見た時に、デルモスコープを使うとメラノーマなのか、普通のほくろなのか、基底細胞癌なのか、出血による皮膚の変化なのかの区別が付くことがあります。

皮膚の病気の場合、診断を確実にするためには、病変部を3mm程度切って顕微鏡で調べる検査を行うのが普通です。皮膚は内臓の場合とは違って、局所麻酔を使って、外来で簡単に、切り取っての検査を行うことができます。この検査では小さい傷ができるのみですから、自宅でのケアも簡単です。なお、診断をつけるために腫瘍全体の構造を確認する必要があると判断した場合には、腫瘍全体を切り取って顕微鏡検査を行うこともあります。

また診断をつけるためではなく、手術に先立って腫瘍が血管と連続しているかどうか、どの深さまで腫瘍が入り込んでいるかなどを調べる必要があれば、超音波エコー、CTやMRIなどの画像検査を行います。

「皮膚がん?」の受診時の注意点

皮膚科受診の際の大切な注意事項が一つあります。他の件で皮膚科を受診した時に「ついでにこれも」という受診は避けた方が良いのです。外来診療では1人あたりの診察時間は暗黙のうちに決まっています。「ついでにこれも」と言った時に、既に割り当てられた時間を使い果たしていれば、それ以降の診察はどうしても不十分なものになってしまう可能性があります。皮膚がんが心配な場合は、診察の初めに「今日は皮膚がんが心配なので受診しました」と医師に伝えるようにしましょう。

皮膚がんの手術・麻酔はどんなもの?

皮膚がんの手術の麻酔では、「局所麻酔」「腰椎麻酔(下半身を対象とした麻酔)」「全身麻酔」を使い分けて行います。皮膚がんであっても小さいものであれば局所麻酔を選択して、外来で行うこともあります。大きな皮膚がんの場合は「腰椎麻酔」または「全身麻酔」が必要となり、通常は入院での手術となります。

皮膚がんの手術では病変の起きている部分の皮膚を、切り取ることとなります。皮膚がんを切り取ってできてしまった穴は以下のような方法でとじます。

・周りの皮膚を引っ張り寄せて縫って閉じる方法(単純縫縮術)
・周囲の皮膚に切り込みを入れて移動させて穴をふさぐ方法(皮弁作成術)
・違う部位の皮膚を切り取って患部に持ってくる方法(植皮術)

単純縫縮術が最も簡単ですが、単純縫縮術で腫瘍を取った穴をきれいにふさぐことができない時は、皮弁作成術や植皮術を行います。皮弁作成術と植皮術を比べると、できあがりの見た目は、明らかに皮弁作成術が優れています。植皮術では周辺の皮膚との色や質感の違いが目立ってしまうことがあります。しかし、複雑なデザインで皮弁作成術を行うと皮膚がんが再発した時にどの部分から、再発したのか分かりにくいという可能性を考慮して、再発の可能性がある時には皮弁作成術よりも、植皮術を選択するという考え方もあります。

皮膚がんの手術以外の治療法 薬や放射線も?

「日光角化症」という有棘細胞癌の前段階の病変では、「イミキモド」という塗り薬が効果的で、一度に広い範囲が治療できますから、合理的な治療となります。イミキモドがよく効いた場合、手術なしで病変が消えます。イミキモドには、免疫(体が体内に入った異物と戦う仕組み)を高めて、悪性細胞を排除するという作用があります。薬が効果を発揮する時に、一時的に皮膚に炎症が起こって真っ赤になることがあります。これは効果が出ているサインですから、副作用として治療を打ち切るのではなく、うまく対応する必要があります。対応方法については個人差がありますから担当医に相談してください。

また、最近では、手術をすることのできない状態のメラノーマに対して、免疫力を高めることによりメラノーマの進展を抑えることを図る薬剤が開発され、点滴治療が行われるようになりました。

手術後に転移が見つかった場合や、転移する可能性が高い皮膚がんの手術を行った時に、抗癌剤による治療を併用することがあります。なお、リンパ系以外の皮膚がんでは、抗癌剤のみによる薬物治療で治癒を目指すということはありません。一方リンパ系の皮膚がんでは治療は特殊な場合を除いて手術ではなく、抗癌剤による薬物療法を行います。

皮膚がんの種類によっては放射線治療が有効なことがあり、全身状態が思わしくないなどで手術を勧めにくい時には、手術より放射線治療が優先されることがあります。

また、皮膚がんを表面から液体窒素や化学薬品で処理してがん細胞を死滅させるという手段や、塗るタイプの抗癌剤で皮膚がんの進行を抑えるという手段もありますが、効果が不確実のため、術不能の場合に用いられることがほとんどです。腫瘍によっては電子線や薬品を使った紫外線治療が有効なこともあります。


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皮膚がんの検査や手術についてご紹介しました。皮膚の異変に「がんなのでは?」と、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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