「コロナ差別」で減給、厳重注意の職場…が怖くて夜も眠れない

  • 作成:2022/02/26

AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、絶対に新型コロナにかかってはいけないという職場に関するご相談です。

堤 多可弘 監修
VISION PARTNERメンタルクリニック四谷  副院長/精神科医・産業医
堤 多可弘 先生

この記事の目安時間は3分です

「コロナ差別」で減給、厳重注意の職場…が怖くて夜も眠れない 「コロナ差別」で減給、厳重注意の職場…が怖くて夜も眠れない

【今回のお悩み】
私の職場は特殊で、「コロナ陽性を一人でも出してはいけない」職場です。正社員がコロナ陽性の場合、「減給」もしくは「厳重注意」。非常勤の場合は、自主退職を余儀なくされます(私は非常勤です)。

先日、熱があったので耳鼻科でPCR検査を受けました。結果は陰性でしたが、明日、1週間ぶりに出勤の予定です。その時、「たまたま陰性だったから良かったものの…」「体調管理がなってない」「職場を甘くみている」などと言われないか心配です。まだ先輩方に仕事を教えて頂いている立場なので、教えて頂けなくなったら…とも心配しております。
上司からの、厳しい注意も厳粛に受け止めます。部署の方に、お菓子に謝罪文を添えて配るため、準備もいたしました。でも、コロナ差別が怖く、まともに眠れておりません。精神的に軽いうつ病のようになっております。(30代・女性)

医師の回答

一人で抱えないことが大事。不当な差別に惑わされないで

差別が怖く、精神的に辛い状況なのですね。一人で抱え込まずに相談していただいたことは何よりだと思います。

まず昨今の大流行状況では、十分な感染対策をしていても、新型コロナにかかってしまうことは不思議ではないです。したがって、不当な攻撃に惑わされないでください。

そもそも、医療機関で受けたPCR検査が陰性だったので新型コロナではないと胸を張っていいと思います。

そのうえで、今の精神状態と差別への対処についてお答えしていきます。

不眠は万病の始まり。早めの対処が重要

まずは精神状態についてです。

睡眠がとれず、差別が怖くておつらい様子がうかがえます。伺ったお話だけではうつかどうかまで分かりません。しかし、睡眠がとれないとますます精神的につらくなり、余計に心配や不安が強くなってしまいます。まずは睡眠がとれるようにした方がよいでしょう。不眠は早めの対処が重要です。

こういった特殊なつらい状況下で眠れなくなることは誰にでも起きえます。その状況を脱するまでに一次的に睡眠薬などを使うことはおかしなことではありません。メンタルクリニックなどでご相談いただくといいと思います。

また差別への不安も相当に強いでしょうから、不安への対処も相談するとよいでしょう。不安が過剰に強い場合は、話をするだけでも楽になります。他にも、お薬の使用やカウンセリングなどで和らげることも可能でしょう。

コロナ差別は許されない。公的な相談窓口に連絡を

次にコロナ差別に関してお話します。

新型コロナに関連する差別は、国が厳に慎むように公表しています。コロナ罹患によって、お給料や雇用に関して不当な扱いがされることは許されるものではありません。

相談者さんの会社では、コロナ罹患による減給や厳重注意、自主退職を余儀なくされるのですね。これらはコロナ罹患による不当な差別と言えるかもしれません。

もしも実際に差別が起きてしまった場合は、下記のような窓口、あるいは会社の近くの労働局などにご相談されるのがよいでしょう。
あらかじめ相談をして作戦を立てておくのもいいかもしれません。

〈法務省〉新型コロナウイルス感染症と人権に関する相談窓口
https://www.moj.go.jp/JINKEN/stop_coronasabetsu.html

〈厚生労働省〉新型コロナウイルス感染症の影響による特別労働相談窓口(労働局)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/index_00004.html

弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。

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