水疱瘡(みずぼうそう)・水痘(すいとう)

水疱瘡(みずぼうそう)は、水痘(すいとう)ともいいますが、全身に発疹がでる病気です。非常に感染力が強いため流行している時期は注意が必要で、子供が発症すると登園・登校停止になります。また、大人になってから発症すると重症化するため、予防接種が特に重要な病気です。

水疱瘡(水ぼうそう)の症状

全身の発疹

水疱瘡(みずぼうそう)は、水痘(すいとう)とも呼ばれ、発疹の症状が特徴の一つです。発疹は「紅斑(こうはん:赤くなること)」「水疱(すいほう:水ぶくれ)」「嚢胞(のうほう:中に液状の成分がつまっているもの)」「痂皮(かひ:一般的にかさぶたとよばれるもの)形成」の4段階に分類することができます。

水疱瘡は、初期症状として発熱と発疹が現れたことを皮切りに、数日間かけて新たな発疹が出現します。そのため、発症から数日後には4段階の状態の発疹が体幹部(たいかんぶ:頭部と手足を除いた部分)を中心に散在することになります。

水疱瘡は、かさぶたができるまで感染力を持つとされています。そのため、水疱瘡になった子供が学校へ登校可能となるのは、水疱瘡の発疹が全てかさぶたになった時とされています。水疱瘡の発疹がかさぶたになるのは、原因となる「水痘ウイルス」の感染力がなくなったことを意味しています。

発熱

水疱瘡の症状はかゆみを伴う発疹が中心となりますが、熱が出ることもあります。発熱は38℃前後で、2日から3日程度続きます。一般的に、発熱も発疹と同様、2週から3週間の潜伏期間の後に生じます。

水疱瘡の原因

水疱瘡(みずぼうそう)は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスが原因となる感染症です。ウイルスの感染経路は様々ですが、感染経路は「空気感染」、「飛沫感染」、「接触感染」の3つに分けることができます。
その中でも水痘・帯状疱疹ウイルスは、空気感染(飛沫核感染)するウイルスであることが知られています。空気感染は、ウイルスを含んだ粒子を吸い込むことによって感染が成立しますが、粒子はある一定時間、その場に浮遊しています。つまり、水疱瘡の患者さんが咳やくしゃみをして水痘・帯状疱疹ウイルスの粒子を放出すると、一定の間は、その場から患者さんがいなくなっても、水疱瘡に感染する可能性があるわけです。

水疱瘡(みずぼうそう)の治療

水疱瘡(水ぼうそう)の治療は抗ウイルス薬を用いた薬物治療が一般的で、医師の指示通り薬を飲み続ければ治る病気です。水疱瘡に対して主に使われる飲み薬は、アシクロビル、バルトレックス(バラシクロビル)、塗り薬はカチリがあります。

アシクロビル

アシクロビルという薬は、水ぼうそうの原因である「水痘・帯状疱疹ウイルス」などの「ヘルペス属」に所属するウイルスに効果があります。アシクロビルは、ウイルスのDNA合成、「DNAポリメラーゼ」という酵素を阻害します。アシクロビルには副作用があります。頻度は少ないものの、悪心(吐き気がすること)、嘔吐、下痢などのほかに、腎不全や静脈炎、発疹などが起きることがあります。

バルトレックス(バラシクロビル)

バルトレックスはアシクロビルと同様、「DNAポリメラーゼ」を阻害する薬で、アシクロビルよりも腸からの吸収が良いのが特徴です。具体的には、「バリン」というもの加わることで、腸への取り込み効率を増加させるようになっています効果はアシクロビルと同じで、副作用も似ています。

カチリ

発疹に有効とされている薬剤が「カチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)」という塗り薬です。カチリは、皮膚に塗ると水分が蒸発して「トラガント」とい物質の薄い膜が残り、皮膚を保護して軽度の炎症やかゆみを抑えるとされています。主な副作用には過敏(かびん)症状、発疹、刺激感などです。

水疱瘡(みずぼうそう)の予防

予防接種が非常に重要

水疱瘡は、全年齢で発症しますが、思春期以降の若者、成人の方が乳児、幼児より重症化しやすい傾向にあります。厚生労働省の調査では、人数は大変少ないものの、水疱瘡の重症化とそれに伴う合併症による死亡が近年になっても減少していませんので、予防接種が大変重要です。

防接種には生ワクチンが用いられます。生ワクチンとは、ウイルスの病原性を極力抑えたもので、水疱瘡に感染したのと同じように、免疫が作られるように調整されている製剤です。
感染する前に、水疱瘡の生ワクチンを接種しておくことで、「感染しても発症しない」効果が期待できます。また、1回のみの接種で76%から85%の接種者で抗体が作られるようになります。水痘ワクチンを2回接種した場合は、ほぼ100%の接種者で抗体が作られるようになるため、ほとんど発症を予防することが可能です。そのため万が一発症しても症状が軽くて済む、という効果も期待できます。

水疱瘡の予防接種は2回受ける

まず、1歳未満(定期予防接種を受ける前)までに、すでに水疱瘡を発症した乳幼児は、ウイルスに対する抗体(免疫)ができていますので、予防接種は必要ありません。

発症していない場合、水疱瘡の予防接種は、生後12カ月から生後36カ月の間に2回予防接種を受けるように定められています。1回目の接種は生後12カ月から生後15カ月までの間に行います。2回目の接種は、1回目の接種から3カ月以上経ってから行うことになっており、通常は1回目接種後6カ月から12カ月までの間に行います。ただし、水疱瘡の予防接種を受けてから別の種類の予防接種を受けるまでは4週間以上間隔を空けることが必要です。

予防接種期間中なら費用は無料

2014年から水疱瘡の予防接種は、定期接種となりました。予防接種期間である子どもは、費用はかからず、無料で予防接種を受けられますので、詳しくはお住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。なお生後1歳未満の乳幼児と妊婦は予防接種が受けられません。

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