おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)に関する医師アンケート
おたふく風邪は、高熱に加えて耳の下が腫れて、食べ物を飲み込むときに痛いといった症状が出ます。感染力が非常に強いため子供の頃にかかっている可能性が高い病気です。アスクドクターズでは、200名以上の小児科の先生から、おたふく風邪の診断や治療で「患者さんにお願いしたいこと」をうかがいました。
Q. おたふく風邪の治療で「患者さんにお願いしたいこと」
- A 他の病気と診断が難しいことを理解してほしい(30%)
- B 予防接種(ワクチン)を受けてほしい(27%)
- C 特効薬がないので、治るまで安静にして自己判断で外出しないで欲しい(20%)
- D 合併症(難聴、髄膜炎)の怖さを知ってほしい(11%)
- E その他(14%)
小児科医「診断が難しいことを理解して」「予防接種を受けてほしい」
小児科の先生がおたふく風邪の治療で、患者さんにお願いしたいことは「ほかの病気との診断が難しいことを理解してほしい」が30%で最も多くなりました。
おたふく風邪は、発熱と共に耳の下が腫れるという特徴的な症状がありますが、よく似た症状が出る「反復性耳下腺炎」という病気があります。このため、初期症状の段階では、おたふく風邪と診断することが難しいことを分かってほしいという医師のコメントが多く寄せられました。
- 耳下腺が腫れたら100%「おたふく風邪」ではないことを分かってほしい。
- 何回も反復して耳下腺の腫れを起こす症例が多く、ムンプスウイルス(おたふく風邪のを引き起こすウイルス)が原因か否かの判断ができないことを理解してほしい。
次いで多かったのは、予防接種を受けてほしい(27%)というものです。おたふく風邪のワクチンは任意のため、自己負担での予防接種となりますが、合併症として難聴や髄膜炎などの重い後遺症を引き起こすことがあります。ワクチンによる予防効果が高いことから、しっかりと予防接種を2回受けてほしいという意見が目立ちました。
- ワクチン未接種者が意外と多いので、任意接種ですが予防接種を2回受けていただくことをお願いししたい。
- 髄膜炎や脳炎、難聴の可能性もあるので、予防接種を受けてほしい。
また、診断後の治療に関するお願いも少なくありませんでした。難聴や髄膜炎といった重症化を防ぐために自宅での安静を守ってほしいという、感染の拡大を防ぐために指示された出席停止期間を守り、症状が軽くなったからと自己判断で登園、登校しないでほしいと考える医師が多いようです。
- 髄膜炎など重症化を避けるため、自宅で安静にすることを守ってほしい。
- 感染拡大が一番怖いので、決められた出席禁止期間を守ってほしい。軽症の場合、途中で通園、通学してしまう方がいる。
おたふく風邪は、予防接種を行うことと、重症化を防ぎ、感染が拡大しないよう医師の指示どおり治療することが大切です。この病気に関して心配や疑問があったら気軽に医師に相談してみませんか?