風疹の予防接種の費用と回数

  • 作成:2015/11/16

風疹は、大人も子どももかかるリスクのある病気です。2回の予防接種でほとんどが予防できますが、生まれた時期によっては、接種回数が不十分なケースがあります。確認した上で、接種を受けることを検討しましょう。

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考える女性

予防接種、抵抗できるまで1カ月かかる場合も

風疹の予防接種では、風疹含有ワクチンを接種する方法がとられます。 この風疹含有ワクチンは「生ワクチン」に分類されており、毒性を弱めたウイルスを体内に摂取させて増加させることにより免疫を獲得します。

生ワクチンは不活化ワクチンと違い、体内で毒性の弱いウイルスを増殖させることになりますので、風疹の軽い症状が出ることもありますし、ワクチンを接種したとしても十分な抵抗力ができるまでに約1カ月程度かかると言われています。

また予防接種は毒性を弱めたウイルスを体内に摂取させて疑似感染させるというものなので、風疹の予防接種をせずに実際に風疹にかかった場合には、予防接種と同様に免疫ができます。

風疹が蔓延(まんえん)していた時代には、予防接種を受けた上で風疹にかかる人が多かったため、より強力な免疫を獲得していたようですが、最近は十分な免疫を獲得するために2回の予防接種が必要とされているようです。

子どもは無料、2回が目安

厚生労働省の資料によると1回の予防接種で免疫を獲得できる人は約95%で、2回摂取すると99%の人が獲得できると示されています。

そのため、現在は1歳児に1回目、小学校入学前に麻疹との混合ワクチンの定期接種が設定されています。

予防接種に係る費用ですが、定期予防接種の場合は多くの市区町村の補助が受けられるため通常無料で受けることができます。

1979年から1995年生まれの人は注意

大人の場合は予防接種に5000円から8000円程度かかりますが、風疹の抗体検査が各自治体によって無料で行われているので過去に予防接種を受けたかどうか不明な方は一度検査してみても良いでしょう。

風疹で最も気を付けなければならないのが、妊娠初期の感染です。妊婦が妊娠初期に風疹にかかってしまうと、生まれてくる赤ちゃんに感染し、白内障や先天性心疾患や感音性難聴などの症状がでる先天性風疹症候群を発症するリスクが高くなります。

そのため、女性は妊娠前の接種が推奨されており、妊婦と接する可能性が高い人にも積極的な予防接種が求められています。特に1979年4月から1995年4月までに生まれた人は接種率が低いので免疫の有無や予防接種の検討が必要です。

接種後2カ月は避妊を

予防接種は極力回数を減らした方が良いと言われています。そのため、子供を定期接種で受けさせる場合でも、2回目は混合ワクチンの接種が推奨されています。乳幼児期は各種感染症の予防接種が続きますのでスケジュールをしっかり立てて、漏れがないように接種することが重要です。大人の場合は、定期接種が行われなかった時期に生まれた場合は、極力接種しておくことが勧められています。

ただし、知らず知らずのうちに風疹に感染して免疫ができている場合もありますので、迷っている場合は免疫が獲得されているか調べてみるのも良いでしょう。

なお妊娠の可能性がある場合は妊娠の2か月前までに免疫を獲得しておくことが求められます。しかし予防接種自体が先天性風疹症候群の原因になりますので、予防接種後2ヶ月は避妊が必要な点も抑えておく必要があります。

風疹の予防接種は過去に受けていたとしても受けることができる予防接種ですので、風疹の感染歴や予防接種歴の無い人、あいまいな人は受けることが勧められます。

大人も子どもも注意すべき風疹について、予防接種の費用や回数などをご紹介しました。もしかして風疹かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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