風疹の抗体検査、数値の見方、費用 抗体は減る?予防接種でつかないことも?「HI法」「EIA法」も解説

  • 作成:2016/02/29

風疹に免疫があるかどうかを確かめる抗体検査の結果は、8の倍数であらわされます。また、予防接種を受けても、年月が経過すると、免疫の力が低下していく人もいます。風疹の抗体検査や、数値の見方、費用などについて、医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

風疹の抗体検査を知ろう

風疹の抗体 そもそも抗体とは何か?

「抗体」とは外から入ってきた異物に対して戦うための体の「武器」と言えます。風疹にかかったり、風疹の予防接種で、風疹ウイルスが体に入ると、体は風疹のウイルスを敵と認識し、それに対する武器(抗体)を準備します。その結果、再び風疹ウイルスが体内に入っても、敵と覚えており対抗する武器を持っているので、風疹ウイルスを体から排除することができます。

こうして、抗体があることを、「風疹に対する免疫がある」と呼び、感染を予防することができます。そのため、風疹の予防接種を受けたり、風疹にかかったことがある人の多くは、二度と風疹にはかからないと言われます。

抗体は減っていく?

しかし、風疹にかかったことがある人や予防接種を受けた人でも、再び風疹にかかることがあります。風疹の抗体は、一度着いた後でも減っていく人もいるからです。減っていく速度は人によって様々ですが、小さいころに風疹の予防接種をしたにも関わらず、大きくなってから再び風疹にかかる人もいるのです。

風疹の抗体検査とはどんなもの?

自分に抗体がきちんとついているのか知りたいという人は、風疹の抗体の検査をして「抗体価」を調べると抗体検査を調べると、良いでしょう。抗体検査は、採血で行います。調べると、体内の風疹の抗体の量が、風疹を十分に予防できる量かどうかわかります。検査には「HI法」「EIA法」と呼ばれるものがあります。検査結果が出るまでには数日かかります。

風疹の抗体検査の数値の見方 HI法

風疹の抗体価は、HI法では、8 の倍数で結果が示されます。以下のように考えます。

・抗体価が8 倍未満の場合→抗体なし ・抗体価が8倍、16倍では→抗体はあるが不十分 ・抗体価が32倍以上→風疹予防に十分な免疫がある

16倍以下の場合は、感染を予防するため予防接種の実施が推奨されます。なお256倍以上の場合は、感染して間もない事が考えられ、再検査や別の検査を行うことがあります。

風疹の抗体検査の数値の見方 EIA法

EIA法は、具体的な数値で抗体が示されます。以下のように考えます。

陰性→抗体がない
陽性だが「EIA価 8.0 未満」もしくは「30-45 IU/ml未満」→抗体が不十分
陽性で「EIA価 8.0以上」もしくは「30-45 IU/ml以上」→十分な抗体がある

「抗体がない」「抗体が不十分」場合、予防接種の実施が推奨されます。

予防接種で抗体がつかない場合も?

風疹の予防接種で抗体がつく人の割合は、1回のみの接種では95%、2回の接種で99%と言われます。多くの人は、予防接種を受けることで、風疹の予防ができますが、抗体がつかない人も中にはいます。

また、風疹の予防接種をしても、時間が経つと、抗体価が低くなっている人もいます。そのため、風疹にかかっている人と濃厚な接触をすると、風疹に感染する可能性が出てきます。

風疹を防ぐ抗体があるのかないのかは、検査をしないままだと、風疹にかかるまでわかりません。風疹ウイルスが体内に入るのを防ぐために、手洗い、うがいで気をつける事も大切ですが、抗体価を検査するのが確実です。

以前は風疹の予防接種は、1回でよいとされていましたが、予防接種で一度抗体がついても、その後、抗体が減ってしまう人もいます。抗体をよりしっかりとつけるために、現在では2回の予防接種が勧められています。

風疹抗体検査の費用はいくらくらい?

風疹にかかったか、予防接種を受けたかわからない人は、抗体検査を受けてみるのがよでしょう。また、妊娠中に風疹にかかると、赤ちゃんに、心臓の病気や白内障、難聴など重大な病気が生じる、「先天性風疹症候群」となる場合もあります。妊娠中に風疹の予防接種はできませんので、特に妊娠を希望する人は、風疹をうつしたりうつされたりしないようにすることが重要です。充分な風疹の抗体価があるかどうか、女性だけでなく、男性も確認しましょう。

抗体検査には健康保険は使えません。費用は自己負担になります。抗体検査を受ける医療機関によりますが、6000円程度であることが多い様です。風疹の抗体検査に対して、助成金制度がある自治体もあります。抗体検査を受けてみようと思うときは、お住まいの自治体に確認してみましょう。

また、風疹抗体検査は、小児科、産婦人科の他、内科で行われますが、対応していない病院もありますので、事前に確認するようにしましょう。



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風疹の抗体検査についてご紹介しました。風疹に十分な免疫が不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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