逆子(骨盤位)の原因と胎動の特徴 弱い?感じない?痛い?場所が異なる?しゃっくりやお腹の張りとの関係も解説

  • 作成:2015/12/11

逆子とは、文字通り、本来ならば下を向いている赤ちゃんのお腹が、上に向いている状態です。胎動については「弱い」「痛い」などと表現されていますが、お腹の位置と関係があります。逆子としゃっくり、お腹の張りの関係を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤 恒正 監修
落合病院 副院長
近藤 恒正 先生

この記事の目安時間は6分です

逆子の胎動の特徴とは?

目次

逆子とは?

赤ちゃんは、分娩前になると子宮の出口(子宮口)側に頭を向けています。これを「頭位」といいます。ただ、中にはお尻や足が子宮口側になっていることがあります。これを逆子(「骨盤位」)といいます。子宮口に足がある場合は「足位」、子宮口におしりがある場合は「臀位」といいます。

逆子は原因不明が多い?

なぜ逆子になるのかという理由はよくわかっていませんが、原因と考えられていることがいくつかあります。1つは羊水の状態です。子宮の中には羊水があり、赤ちゃんの体が小さいうちは羊水の中でふわふわと浮いています。子宮の中で赤ちゃんは自由に回転することができますので、頭が子宮口に向かないことがあります。

赤ちゃんが自由に回転することを「自然回転」といい、この機序は「適合説」という概念、簡単に言うと「頭が下のほうが合理的である」という考え方によって説明されています。子宮というのは「西洋梨(ラ・フランスなど)」を逆さまにした形として知られており、子宮の下部にあたる「子宮頸部」が狭く、子宮の上部にあたる「子宮底部」が広くなっています。赤ちゃんは子宮の中で体育座りのような格好をしている場合が多いと知られています。赤ちゃんは発育するにつれて、お尻も足も大きくなることで、頭に対して下半身のほうが大きい逆三角形の形になります。すると、スペースの狭い子宮頸部の方に頭を、広い子宮底部の方にお尻と足を持っていくことで、スペースを合理的に利用するようになります。

赤ちゃんが小さいうちは、スペースの広さを気にする必要がないので、逆子になることも珍しくありません。また、羊水が通常より多い羊水過多症の場合も、スペースが広くなるので、逆子になる頻度があがります。

逆子の原因は胎盤やストレス、冷えの場合も?

もう一つは、胎盤が子宮口の近くにできてしまう時です。通常胎盤は、子宮口とは離れた位置にできますが、子宮近くにできると赤ちゃんが頭を子宮口側にできなくなることがあります。

子宮筋腫などで子宮の中がでこぼこしていたり、ストレスなど何らかの原因で子宮が緊張している場合、あるいは、お母さんの身長が低いために骨盤が狭くなっている場合や、双子などの多胎妊娠の時には、赤ちゃんが動きにくい状態になっていて、逆子のまま臨月を迎えてしまうことも考えられます。子宮筋腫や子宮奇形などで子宮の形が西洋梨型でなくなると、赤ちゃんが頭を下にする理由がなくなってしまうためとも考えられます。その他、お母さんのお腹が冷え、血行が悪くなっていることや、呼吸が浅くなっていることが原因とも言われています。

身体が冷えると、血管が収縮して表面積を小さくすることで、熱が外に逃げるのを防ごうとします。血液の通り道が細くなると、血流が悪くなります。血液は酸素や様々な栄養素を全身に送り届ける器官であり、血流が悪くなると、臓器が必要としている酸素や栄養素の運搬量が低下してしまいます。

胎盤も血流量の低下の影響を受けるものの一つです。胎盤は赤ちゃんがお母さんから酸素や栄養素をもらう大切な臓器です。胎盤は血流が非常に豊富な臓器として知られていますが、これは赤ちゃんが発育するためには大量の血液が不可欠となるためです。血流が豊富ということは、血流が悪くなるとその分受ける影響も大きくなります。

血行が悪くなって、赤ちゃんへ届く血液量が減ると、赤ちゃんは正常な発育ができなくなり、また活動性も落ちてきます。このため、お母さんのお腹の冷えは、赤ちゃんの十分な発育を妨げてしまい、赤ちゃんが大きくならない結果として、動けるスペースも広くなるために、骨盤位(逆子)などの頭位以外の状態を取ることも多くなります。お腹の赤ちゃんが小さいうちは、自由に回転しているため、逆子は珍しくありませんが、その状態で活動量が落ちてしまえば、やはり逆子でいる期間が長くなることになります。

呼吸が浅い場合も、お母さんが取り込む酸素量が減り、お母さんの全身、または赤ちゃんに届く酸素量が減ってしまうので、赤ちゃんの正常な発育を妨げる原因になり、同様に逆子になる原因の一つとして考えられています。

胎動が感じにくい場合も

赤ちゃんがお腹の中で動くと、お母さんはお腹にその動きを感じます。これを「胎動」といいますが、赤ちゃんが元気に動いている証拠です。胎動は、赤ちゃんの足で強く蹴ることで感じる事が多いようですが、赤ちゃんの週数によって胎動の強さは違ってきますし、また、人によっても感じ方は様々です。

逆子では「胎動を感じない」「胎動が弱い」という方もいますが、当然ですが逆子でも赤ちゃんは動いています。ただ、足の位置が逆なので、蹴られている場所がお母さんにとって動きを感じにくい場所だったり、痛みを感じる所だったりします。

また、一口に逆子といっても、子宮口にお尻を向けて、足をピンと伸ばしている「単臀位(たんでんい)」や、あぐらをかいているような「複臀位(ふくでんい)」、お腹の中で両足を立てている「足位(そくい)」、膝立ちをしているような「膝位(しつい)」などといった姿勢の種類があります。足をピンと伸ばしていれば蹴る力も弱くなりますし、あぐらをかいていれば蹴ることはできません。

また、お腹の中で大きくなってきてから起こった逆子では赤ちゃんが窮屈で動きにくい状態になっているために、通常よりも胎動が弱くなると考えられます。自然回転で頭位になっている赤ちゃんは、狭くなっている子宮頸管に頭を向けて、スペースの広い子宮底部にお尻や足を持っていくことで、動くのに不自由のない状態になっています。一方、大きくなってきてからの逆子では、子宮の形態異常などによって、子宮の形に合わせて一番楽な状態になっているはずです。子宮の形が歪んでいれば、それだけ赤ちゃんの動きも制限されるので、胎動を感じづらくなる原因の一つと考えられます。

逆子の胎動の場所は具体的にどこ?へその下の痛みが多い?

逆子では足が子宮口側に向いています。そのため、頭位の赤ちゃんとは胎動を感じる場所が違ってきます。頭位では胸の下あたりなど、おなかの上の方で感じることが多く、痛みを伴うことはほとんどありません。逆子の赤ちゃんの場合、足が子宮口側になりますので、胎動を感じるのは、おへそより下になることがほとんどです。

逆子の赤ちゃんの足がある場所の近くには、直腸や膀胱があります。そのため、赤ちゃんがキックすると、直腸や膀胱のあたりにもその力が働きます。その結果、お尻の中の方、肛門や下腹部が痛くなったり、トイレが近くなったり、尿漏れをすることがあります。時には下脇腹に痛みがでて、虫垂炎(いわゆる盲腸)かと思うくらい痛みを感じる方や、恥骨のあたりが痛くて病院を受診したら逆子が原因だったということもあるようです。

胎動は赤ちゃんが元気である証拠ですが、定期的に痛みを感じるようになったり、お腹の張りがある時には、病院で相談するのがよいでしょう。

逆子のしゃっくりに特徴がある?ない?

赤ちゃんはお腹の中でも泣いたり笑ったり、あくびをしたり驚いたり、様々な行動をしています。このうち、手足を動かすことによって感じるものが「胎動」であり、胎動は妊娠20週頃から感じられるようになるといわれています。

胎動でみられる手足の大きな運動とは違い、「ピクピク」と痙攣(けいれん)しているような運動を感じることがあります。これは赤ちゃんのしゃっくりによるもので、赤ちゃんは妊娠8週ごろからしゃっくりをするようになります。

しゃっくりの原因は明らかになっていませんが、羊水中に浮かんでいるごみを飲み込んでしまった時に、吐き出すために行っているという説が有力とされています。赤ちゃんの心拍や呼吸は成人よりも倍程度の速さで、しゃっくりも同じくらい感覚が短くなるため、痙攣しているように感じるのです。

しゃっくりは、胎児でも大人でも同じで、肺や心臓のある胸腔と腸や肝臓などの消化器がある腹腔の境目になっている「横隔膜」という筋肉の収縮によって起こります。赤ちゃんのしゃっくりは、頭位の場合はへその下、下腹部に感じるといわれていますが、逆子の場合は位置が少し上に変わり、へその上辺りで感じることが多いといわれています。

ただし、胎児はお腹の中を動き回るものなので、しゃっくりの位置から逆子を判断することはできません。しゃっくりは、「健康に育っている証」という程度に留めておきましょう。

逆子だとお腹の張りが感じやすい?破水や早産のリスク?

お腹の張りは、子宮口付近に刺激が加わった時に強く感じるといわれています。頭が子宮口に向いている頭位に対し、逆子では足が子宮口の方に向いていることがあります。逆子の状態で活発に手足を動かすと、子宮口付近に刺激が生じてしまうため、逆子ではお腹の張りを感じやすいといわれています。

また、逆子では破水、早産のリスクが上がります。赤ちゃんが大きくなってくると、重みで子宮口周辺が圧迫され、子宮がより収縮するようになります。分娩が近づくと、「子宮頸管」という赤ちゃんの出口にあたる部分が熟化していきます。熟化によって子宮口が開いてくると、それまで密着していた「卵膜(赤ちゃんと羊水を包んでいる膜)」と「子宮壁」の間に隙間ができ、卵膜が破れやすくなります。この卵膜が破れて、中の羊水が流れ出ることを「破水」といいます。破水すると、分娩が進行するので、妊娠37週に満たない場合に破水が起こってしまうと早産になる可能性が出てきます。

通常の頭位では、頭と子宮壁にはすき間がないことが多いので、子宮が収縮しても、子宮口付近に刺激は伝わりづらくなっていますが、骨盤位(逆子)では、頭位のような密着状態ではないために子宮の収縮が子宮口付近に伝わりやすい上、お腹の赤ちゃんが足で蹴ってしまえば破水を起こしやすいということにもなります。

また、逆子で破水が起こると、赤ちゃんの体と子宮の壁のすき間を通して、子宮外に臍(へそ)の緒が出てくる「臍帯脱出(さいたいだっしゅつ)」という状態が起こりやすくなります。臍帯脱出が起こると、赤ちゃんが低酸素状態になりますので、緊急帝王切開で赤ちゃんを出してあげる必要があります。

以上のように、逆子ではお腹の張りを感じやすく、それが早産につながるリスクにもなるといわれています。



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逆子の原因や胎動の特徴についてご紹介しました。検診で「逆子」と指摘されて不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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