口唇ヘルペスの治療期間、「完治しない」とされる理由、入院可能性

  • 作成:2015/12/15

口唇ヘルペスは、一度感染すると生涯にわたってウイルスが潜み続け、体内から完全にウイルスをなくすことは、現時点では難しい状況ですので、「完治」という状態にはいたらないのが現状です。とはいえ治療の効果はありますので、一部の重篤な合併症を防ぐために、どのような対応をすればよいのかを、医師監修記事でわかりやすく解説します。

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「口唇ヘルペスは完治しない」の理由とは?

口唇ヘルペスの原因である「単純ヘルペスウイルス」は、一度感染すると一生涯、神経細胞の根元に潜伏し、滞在し続けるため、何度も再発する特徴を持っています。潜伏した口唇ヘルペスウイルスを体内から絶滅させることは現代医学では不可能といわれていますので、原因となるウイルスの排除が難しい以上「完治はしない」と言えます。潜伏ウイルスを活性化させる要因となるきっかけをなくすことが、再発の予防になりますし、発症した場合は、適切な薬を飲んだり、塗ったりして、早期に治療していくしかありません。

治るまでの期間は2週間が目安

口唇ヘルペスの治療には健康保険が適用されますので、一般的には、医療機関での診察代および薬局での処方薬代も自己負担額3割になります。小学校入学前の子どもは2割負担ですが、自治体によって異なります。

治るまでの期間は、約2週間が目安とされています。まず前駆期症状といい、水ぶくれができる前に唇とその周辺の皮膚に違和感があります。違和感が起きてから数時間から半日後に、患部が赤くなり腫れてきます。この時期にウイルスが活発に増殖しているといわれているため、この段階での治療が理想とされています。

前駆期症状から1日から3日経つと、赤くなっていた箇所に水ぶくれができます。水ぶくれの中身にはウイルスがたくさん含まれています。水ぶくれが破れて出た液体を触った手で、別の粘膜や皮膚の傷口に触れると感染をしてゆきます。発症から10日から2週間後には、水ぶくれはなくなり、かさぶたになって治癒します。

「なかなか治らない」と感じたら受診を

薬を使う、ゆっくり休養をとる、栄養をとる、紫外線をたくさん浴びないなどの注意点を守っていても、なかなか治らない場合は、口唇ヘルペスではない可能性も考えられます。市販薬の効果が感じられない場合や、一度も皮膚科を受診していない方は、まずは皮膚科を受診してみてください。口唇ヘルペスでない場合は、検査を通じて、別の病名が判明することがあります。ちなみに、口唇ヘルペスの後遺症はほとんどありません。

入院する可能性は?

初感染で重症化してしまった方、乳幼児、免疫不全疾患のある方、アトピー性皮膚炎の方で、「カポジ水痘様発疹症」を合併している方は入院して点滴治療を行う場合がありますが、ほとんどの口唇ヘルペスでは入院による治療は必要ありません。


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