薬の使用期限の考え方と過ぎた薬を飲む危険性 目薬は短い?副作用が起きやすい?期限が書いていない場合は?

  • 作成:2015/12/16

薬にも、質が保たれる期間を決めた使用期限があります。瓶の錠剤は約6カ月、目薬は約1カ月となっています。使用期限を過ぎた薬は、副作用が起きやすくなったり、効き目が弱くなっている可能性があります。それでは、医師が出す「処方薬」はどう考えればよいでしょうか。薬の使用期限について、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

女性

薬における「使用期限」の考え方

薬には内服薬から点眼薬、塗り薬など様々な種類がありますが、それぞれに使用期限があります。使用期限とは、「薬を正しく保管し、かつ未開封の状態で薬の質や性状が保たれる期限」のことです。つまり、開封した後は、医師の指示通りに用法用量を守って服用するようにした方が良いです。 薬の保管の仕方ですが、薬によって保管方法が決められているものもあります。基本的には高温多湿を避けて保管する方が良いです。夏場は特に暑い部屋や車の中などに置き忘れないようにしましょう。

他には冷蔵庫で保管と書かれているものもあります。冷蔵庫で保存する場合には、1週間分は取り出しやすいドアの部分に置き、残りは奥に入れておくと良いです。飲食物と間違えないように「薬」と分かりやすく書いておくと良いかもしれません。凍らせると変質する可能性があるので冷凍庫に入れないようにしましょう。

瓶の錠剤は6カ月、目薬1カ月

1錠ずつ個別包装された薬であれば使用期限まで使えると考えても良いですが、1つの瓶(びん)に入っている錠剤やカプセル剤、軟膏は開封してから約6か月が使用の目安になります。点眼薬(目につかう薬)は開封してから1か月間と考えます。液体の薬やシロップ剤は、開封した後に保管しておくと、性質の変化や細菌の繁殖が懸念されるため、残った場合、処分するようにした方が良いです。

使用期限過ぎると副作用が起きやすいことも

使用期限が過ぎた薬を使うと有効成分が分解されていて効き目がなくなっていたり、副作用を起こしやすい物質に変化していることがあるので、体に悪影響を及ぼすリスクがあります。見た目に変化がなかったとしても、使用期限が過ぎた薬を服用することはやめましょう。

使用期限内であっても、変色、混濁している場合があります。点眼薬の場合ですと、蓋(ふた)の周りに成分や添加物による白い粉が付いている場合、細菌や汚れによる汚染や濃度変化が疑われるので使わないようにしましょう。

医師が出す薬に使用期限は書いていないが…

医薬品には街の薬局やドラッグストアで購入できる「一般用医薬品」と病院の医師から処方される「医療用医薬品」があります。一般用医薬品の場合には、外箱や袋、容器などに使用期限が印刷されています。使用期限だけでなく保管方法も記載されているので、購入したら確認するようにしましょう。 医療用医薬品は、薬の袋に使用期限ではなく、投与期間が書いてあります。医師がその時の患者さんの体調や症状に合わせて、必要な日数分だけ処方するからです。投与期間を過ぎてしまった場合には、使用しないようにしましょう。

一般的にほとんどの薬は、未開封の状態であれば約3年は保存できるよう、安全性の高い成分を使用しています。しかし病院から処方されている医療用医薬品は診察時の患者さんの体調や症状に合わせて医師が処方しているので、余った薬を後で使用したり、他の人に譲渡してはいけません。 薬を飲み残した場合、処方した医師か薬剤師に相談し、早めに処分するようにしましょう。もったいないと思うかもしれませんが、変質して効果がなくなっていたり、予想しない副作用が起きることがあるから危険です。

薬の使用期限についてご紹介しました。薬の使い方に不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

症状や健康のお悩みについて
医師に直接相談できます

  • 24時間受付
  • 医師回答率99%以上

病気・症状名から記事を探す

その他
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

協力医師紹介

アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。

記事・セミナーの協力医師

Q&Aの協力医師

内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。

Q&A協力医師一覧へ

今すぐ医師に相談できます

  • 最短5分で回答

  • 平均5人が回答

  • 50以上の診療科の医師