子宮頸管・内膜ポリープの原因、症状、治療、妊娠への影響

  • 作成:2016/04/04

子宮ポリープには、「子宮内膜ポリープ」と「子宮頸管ポリープ」の2種類があります。ともに良性の腫瘍ですが、不妊につながる可能性があります。症状や治療も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤恒正 監修
落合病院 副院長
近藤恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

子宮のポリープってどんなもの?

子宮ポリープってどんなもの?

「ポリープ」とは粘膜が増殖してできた突起で、子宮や消化管などに見られます。子宮にできるポリープには、「子宮頸管ポリープ」と「子宮内膜ポリープ」の2種類があります。

子宮は鶏の卵くらいの大きさで、西洋梨を逆さにしたような形をしています。下の方の出口に近い部分は、狭い管のようになっており、「子宮頸部(しきゅうけいぶ)」と呼ばれています。子宮頸部の粘膜が「頸管粘膜」と呼ばれ、頸管粘膜が部分的に増殖して突き出たものが「子宮頸管ポリープ」です。また、子宮の内側全体を覆う粘膜を「子宮内膜」といい、この子宮内膜が部分的に増殖してできた突起は「子宮内膜ポリープ」です。

子宮ポリープの多くは子宮頸管ポリープであり、子宮内膜ポリープの発症率は低いと言われています。また、両者とも良性腫瘍に分類され、悪性化してがんになる確率は極めて低いと考えられています。

子宮頸管ポリープの症状

子宮頸管ポリープのほとんどは無症状で、多くは検診等で偶然に発見されます。しかし、子宮頸管ポリープは充血しているうえ、柔らかいため、触れると簡単に出血しやくなっていることがあります。生理中でないときに腟から出血したり、性交(セックス)時の出血を認めたりすることで異変に気付く場合もあります。このように出血しやすいのが特徴ですが、頸管ポリープ自体に痛みはありません。また、子宮頸管ポリープの原因には様々な説がありますが、はっきりとした原因はまだ明らかになっていません。

子宮頸管ポリープの診断と治療

検査では、腟鏡を挿入して、腟の入り口を開大し、腟の中を観察します。子宮の出口から突起の脱出を認めるので、比較的容易に診断が可能です。しかし、子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性腫瘍でも、似たような病変が確認される場合があるため、確定診断のために切除して、組織を調べる検査(「組織診」と言います)を行います。

治療としては、ポリープの切除です。小さなものであれば鉗子(かんし)でひねりとることができます。大きい場合には出血が懸念されるので、あらかじめ根っこの部分を縛るか、手術中や切除後に高周波電流やレーザーで焼却して止血を行うことがあります。なお、ポリープの根っこの部分を残すと、再発しやすいので、根元から切除を行います。しかし、根部が奥深くに埋もれていて取り切れないことも多く、再発しやすい傾向にあります。

子宮内膜ポリープの症状、診断と治療

子宮内膜は卵巣から分泌されるホルモンの作用により増殖して、はがれ落ちるというサイクルを繰り返します。子宮内膜がはがれ落ちるときの出血が月経です。子宮内膜ポリープは、増えた子宮内膜が生理のときにはがれ落ちずに、卵巣ホルモンであるエストロゲンに過剰に反応して、生じると考えられています。症状は子宮頸管ポリープと同様、無症状であることがほとんどで、検診等で偶然に発見されます。ただし、増大して子宮の出口からはみ出ると、出血して気づくことがあります。

子宮内膜ポリープは、超音波検査やMRI検査、子宮鏡(子宮の中を見るカメラ)によって診断することができます。子宮体がんでないことを判断することがに重要であるため、ポリープ切除後の組織診が、子宮頸管ポリープ同様に必要になります。

治療としては、やはりポリープの切除、除去が基本になります。鉗子でひねり出すだけで摘出できる場合もありますが、ポリープが大きい場合は、電気メスでポリープを切除します。子宮内膜を麻酔下にかき出す子宮内掻爬(そうは)術が行われることもあります。しかし、ホルモン分泌の状態が変わらなければ、再発することがあります。

子宮ポリープが妊娠に与える影響

子宮頸管ポリープが妊娠に直接的な影響を与えるわけではありません。しかし、性交(セックス)時に出血を起こしやすくなるために性行為に対して消極的になり、結果として妊娠の機会が減ることになります。また、子宮頸部は精子の通り道であるため、子宮頚管ポリープが存在することで狭くなると精子が子宮に入り込みにくくなり、不妊につながると考えられています。一方、子宮内膜ポリープの場合は、受精卵が子宮内膜に着床しにくくなるため、不妊になりやすくなります。 子宮ポリープが存在するからといって確実に不妊になるわけではなく、ポリープの部位や大きさによっては、妊娠することも可能です。しかし、上述の通り子宮ポリープが不妊につながることは確かです。特に膣から不正に出血が認められたり、月経血の量が多いように感じたりする場合には早めに医療機関を受診しましょう。

子宮ポリープの症状や原因についてご紹介しました。性器からの出血の原因がわからず、不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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