水疱瘡の薬の効果と副作用 カチリ?バルトレックス?アシクロビル?
- 作成:2016/04/08
水疱瘡(水ぼうそう)の治療には、抗ウイルス薬を飲んで使うほか、皮膚の症状をおさえるための塗り薬もあります。どのような効果があるのかや、副作用も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
水疱瘡の薬 アシクロビルとは?
水疱瘡(水ぼうそう)の治療は抗ウイルス薬を用いた薬物治療が主です。水疱瘡に対して主に使われるアシクロビル、バルトレックス(バラシクロビル)、カチリについて説明します。
「アシクロビル」という薬は、「プリンヌクレオシド」という物質に似ているもので、水ぼうそうの原因である「水痘・帯状疱疹ウイルス」などの「ヘルペス属」に所属するウイルスに効果があります。アシクロビルは、ウイルスのDNA合成、「DNAポリメラーゼ」という酵素を阻害します。DNAは細胞の増殖に欠かせないもので、DNAが合成できなければ正常の細胞は増殖しません。アシクロビルを使うと、DNAポリメラーゼが阻害されウイルスの増殖は抑制されます。 アシクロビルには副作用があります。頻度は少ないものの、悪心(吐き気がすること)、嘔吐、下痢などのほかに、腎不全や静脈炎、発疹などが起きることがあります。さらに、免疫力が低下している「免疫不全者」と呼ばれる方の中には、「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」や「溶血性尿毒症症候群(HUS)」とい病気が発症した症例もあります。診察の際には、病歴があればもれなく伝えるようにしましょう。
水疱瘡の薬 バルトレックス
バルトレックスはアシクロビルと同様、「DNAポリメラーゼ」を阻害する薬で、アシクロビルよりも腸からの吸収が良いのが特徴です。具体的には、「バリン」というもの加わることで、腸への取り込み効率を増加させるようになっています。腸にはバリンを認識して体内への吸収を促進するたんぱく質が存在します。バリン基の付いたバラシクロビルを取り込んだあと、体内の酵素によってバリン基が切断され、アシクロビルとして体内で作用します。したがって効果はアシクロビルと同じで、副作用も似ています。
水疱瘡の薬 カチリ
水疱瘡の症状にかゆみを伴う発疹があり、発疹に有効とされている薬剤が「カチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)」という塗り薬です。カチリは、皮膚に塗ると水分が蒸発して「トラガント」とい物質の薄い膜が残り、皮膚を保護して軽度の炎症やかゆみを抑えるとされています。主な副作用には過敏症状、発疹、刺激感などです。
薬以外で気をつけること
水疱瘡の治療は抗ウイルス薬を使います。水疱瘡の治療方法は、確立されていますが、そもそも水疱瘡にかからないよう予防することが非常に重要になります。水疱瘡は空気感染することが知られています。空気感染では浮遊する粒子を吸入するだけで感染する可能性がある、つまり、同じ空間に水疱瘡患者がいれば、感染するリスクは上がります。そこで、水疱瘡患者に近付かないだけでなく、なるべく同じ空間(部屋など)にいない方が良いと考えられています。
家族など身近な人が水疱瘡になり、自身が感染する恐れが高まったとき、ワクチン接種が有効です。水疱瘡患者に接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種すれば発病を予防したり、症状を軽減できるとされています。予防接種を受けていない方がいれば、検討してみるのが良いでしょう。
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水疱瘡の治療薬についてご紹介しました。子供も水疱瘡の感染に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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