脳性麻痺の治療・リハビリ 必ず手術?目的は?リハビリはいつから?

  • 作成:2016/08/23

脳性麻痺では、薬をはじめとしたさまざまな治療を組み合わせて実施します。薬の効果が十分でない場合は、手術が選択されることがあります。リハビリの概要を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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脳性麻痺の治療・リハビリはどんなもの?

脳性麻痺の治療は何をする?

脳性麻痺の治療は、薬物療法、ギプス療法、手術の他に、「リハビリテーション」と呼ばれる理学療法、作業療法、言語聴覚療法を合わせて行います。

薬物療法は、筋肉の過剰な痙攣(けいれん)や硬直を抑えて、麻痺症状を軽減する治療法です。飲み薬の場合は、「チザニジン」「ダントロレン」「ジアゼパム」「バクロフェン」などといった薬を使用します。ただ、患者さんの症状によっては十分効果を得られないことがあります。また、長期間使用すると薬の効果が弱くなることがあります。

また、麻痺が起こる部位の神経に、筋肉の弛緩作用がある薬を注射する「神経ブロック」と呼ばれる治療を行うことがあります。神経ブロック治療では、患者さんの症状に合わせて、「フェノールブロック」「エタノールブロック」「A型ボツリヌス毒素」などを使用します。なお、神経ブロック治療による効果は、薬剤の種類によって1週間から長くても3、4ヵ月程度であり、薬の効き目がなくなると治療前の状態に戻ってしまいます。そのため、定期的に通院して神経ブロック治療を受け続けることが必要となります。

ギプス療法は、関節の安定や変形の矯正のために装具を使用し、筋肉の強い緊張による影響をコントロールする方法です。骨格筋の緊張をほぐす「A型ボツリヌス毒素」という薬を注射するボツリヌス療法を行うときに併用すると、より高い効果が得られる治療法です。なお、薬物療法やリハビリなどで治療効果が十分得られない場合は手術を行うことがあります。

脳性麻痺とわかったら、手術は必要?

脳性麻痺患者さんの手術の要否は、患者さんの症状によって異なります。理学療法、薬物療法などの治療により、日常生活に大きな支障がなければ手術の必要はありません。

しかし、強い緊張により関節の動きに著しく制限がかかる場合や、痛みが激しい状態が続くときなどは、症状を緩和させるために手術を行うことがあります。また、脳性麻痺の症状である関節の動きが制限される「拘縮(こうしゅく)」や骨格の変形などが進行し、背骨がねじ曲がる「側彎症(そくわんしょう)」や股関節がはずれる「脱臼(だっきゅう)」などが起こった場合は、整形外科的手術が必要です。

手術は、筋肉の一部を切り取る「筋解離術」、麻痺を起こしている硬直した筋肉の腱を切断したり、伸ばしたりする「軟部組織手術」のほか、骨の手術、麻痺を起こす神経の一部を切断する手術などがあります。ただし、手術の方法は麻痺のある部位や症状によって異なります。手術前には医師と十分相談の上、症状に合った治療法を選びましょう。

脳性麻痺のリハビリはどんなもの?

脳性麻痺は、脳からの指令がうまく伝わらずにからだを上手に動かせない状態ですが、患者さんの体には動ける能力、可能性が十分備わっています。そこで、手足や関節を正しく動く方法を指導しながら訓練し、動かせるようにする訓練のことを「リハビリテーション」といい、略して「リハビリ」と呼ぶこともあります。リハビリの主な方法は理学療法、作業療法、言語聴覚療法などがあり、医療機関などで国家資格を持つ専門家の指導の元で行います。

理学療法は、脳性麻痺患者さんの症状を軽減し、QOL(生活の質)向上を目的とする治療です。ただし、麻痺のある部位を無理に動かすと、筋肉や骨に痛みが生じるだけでなく、ケガを起こすこともあるため注意が必要です。また、患者さんの症状によって、日常生活に支障がないような活動を援助する「作業療法」、言葉の理解、記憶、発声機能の向上を目的とした「言語聴覚療法」を合わせて行うことがあります。

リハビリはいつから始める?

脳性麻痺患者さんのリハビリは、早期に始めた方が、効果が高いとされています。子どもは、成長とともに動きが活発になるため、早い段階でリハビリを始めた方が、筋肉や関節の動きの制限が改善される可能性が高いと考えられるからです。

リハビリ開始の時期については、早い場合は0歳から始める患者さんもいますが、患者さんの症状や成長により個人差があります。そのため、リハビリを開始する時期は、担当医と相談の上決定し、患者さんの症状に合わせて無理のない範囲で行いましょう。



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脳性麻痺の治療やリハビリについてご紹介しました。もしかして脳性麻痺かもしれないと不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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